関西CX2017 #11 和歌山マリーナシティ戦

不甲斐ないレースをしてしまった、
という印象。

前半はそこそこ善戦したものの、
アスファルトのストレートと、

子供の頃そこかしこにあった『空き地』と言うのが最も伝わるのではないか、
というじゃりじゃりで固い路面のテクニカルなコーナーを上手く処理出来ず、
みるみる順位を下げてしまった。


そんな最終戦の会場は、関西CX初の開催地となる和歌山マリーナシティ。

主催側も和歌山でシクロクロスを盛り上げようと、TVを呼んだり、台湾料理の屋台が並んだりと、気合いが入ってる。

そして、会場のとなりが子供向けの遊園地、ポルトヨーロッパである事もあり、

今回僕は、海岸沿いの温泉宿を予約して、

前日から家族旅行も兼ねて参戦する事にした。

当然、妻や子供の前でイイトコ見せたかったワケだけど、
展開としてはズルズル下がるだけのレース内容で、
4歳の息子に
『パパァ、レースいっしょうけんめいはしったの?』
と聞かれる始末(深い意味はないと思うけれど)。

しかしそれだけではなく、
やはりレースの中にドラマはあった。

スタートの号砲直後、
長いアスファルト、
右前方で一台派手に揺れて落車。

そこに数台突っ込むカタチで
ちゅどんとなっていて、

僕は運良くかわせたけれど、
その後ろ辺りを走ってるソウ君が、
まさか、いや、きっと大丈夫だ。

そう自分に言い聞かせて
僕はコーナーへ飛び込んだ。

その後は前述のレース展開。

とはいえ結果として、順位は散々でも
なんとか残留を決める事が出来た。

それにしても、
今年のエスキーナチームはヤバかった。
ヒロシさんには結局1度も勝てなかったし、最近C3に上がったばかりの大柄なチームメイトは、
土煙りを上げ僕を抜いたその足で、
この日表彰台に立っていた。

レースが終わり家族と車に戻ると、
物憂げにヨッシャンが、
『ソウ君が落車に巻き込まれて』
と呟き、え、怪我は?!
と言う僕の問いかけに答えるヨッシャンの雰囲気で、大怪我でも直ちに運ばれる程ではない、という様子が伺える。

簡単に着替えて向かうと、助手席でグロッキーになったソウ君の姿。

大丈夫?…と、
ひとつふたつ言葉を交わしたが、
喋るのも辛そうだった。

レースがいつも楽しいのは、
ケガも厭わない程夢中になれるから、
ってのはそうなんだけど、

彼と代わって、
僕が怪我をしたかも知れないと思えばゾッともするし、

何よりCXシーズンが終わり、
チームライドを楽しみにしていた僕としては、仲間が怪我をしてしまうのは
やはり悲しい。


台湾料理の屋台から、
香ばしい香りが漂う。

そう言えば、お腹空いた。

元気づけようと、
青い顔をして肩からの流血に
苦しむソウ君に、

…食欲ある?

と聞くと、

『あるわけないやろ!』

と即答で怒られ、
場の失笑を誘って、

僕は本場のビーフン(嫁も絶賛)
を啜るのだった。





関西CX #10 桂川戦

スタートは上手く行った。
さらにヨッシャンの
"スタート後は右に寄れ"のアドバイスが功を奏した。そのラインだけまだ硬さがあり、
ライン上を走る数台とスイスイ前へ出る。

気が付けば、前に辻兄ことヒロシさんだけ。二位。

逸る気持ちを抑えて、と思う間もなく左右から抜きにかかってくる。

当たり前か。

強引な選手にウッカリラインを渡してしまうと、その選手が眼前で落車。
突っ込みかけ停止した途端に、
わっ、と
後方から数台抜いていく。

そして僕は、ゴール前のヌタヌタの芝が極端に苦手なようで、
僕だけがガクンと速度が落ち、
そこでバカスカ抜かれ15位のコールを受けて1周目を通過。

しかし、この順位あたりが一発残留ライン。

そう思った瞬間、また後ろから二台程抜かれる。

ー まずい ー


例年通り桂川は泥沼、と言うより、
そこに降る冷たい雨は、平然と体温を奪いながらコースの殆どを水没させる。

まるでガンジス川やな、と笑いながらも
正直、出走も躊躇していた。

その躊躇のおかげで、
結局試走もアップもゼロのまま、
スタートのピストルを聞く事になったのだった。



最終ラップに入る手前の苦手ゾーンでまた抜かれ、多分今、20位程か。
これ以上は抜かせたくない。

そう思った刹那、平地でスピードのある選手にまた抜かれ、さらに抜かれて、5台ほど先行を許してしまう。

キャンバーのあたりで、ギャラリーから
『おっ、シングルスピード勝負や!頑張れ!』
という声。

SS?!誰だ?

ソウ君?いや、オーマイ君か?!

ー どっちにしろ、もう来たのかよ! ー

と、心中に独りごちて、
今日の声援の多さに気がつく。

脇から確認すると、
薔薇のジャージ。

あっ、モッチさんか!

にわかに楽しくなるが、
しかしもう肺がシンドイ。

そんな時、誰の声か分からないけど、
確かに"モッツ〜〜!"、と声援が聞こえた。

誰か見てくれてるというのは、
本当に力になる。

あと半周、もう少し出せるんじゃないか?

目の前は粘土状のキャンバーに杭が突き刺さる難しいポイント。
前の選手が速度を落とす。

その上を掛け抜けると一台、
抜く事が出来た。階段を上がり、
シケインまで4台見える。

ちょっとしたキッカケで、
取り戻す事がある。

突然、
脚が回りだす。

手前一台を抜き、

さらにその奥、
3台パックだ。行けるだろうか。

脚は回ってくれて、
パックの真ん中を突っ切った。

よし!!

が、

きっと、
最後の芝の苦手ゾーンで
追いつかれるだろう。

どうする?

とりあえず乗って入るが、
案の定速度が落ち、
真横から一台来る。

僕はすぐに降りて駆け出す。

最終コーナーを曲がって乗車と同時に、
さっき抜いた4台パックに一気に抜かれるが、

それは流石に面白くねーだろ!

と、振り絞り、せめて一台、
とまた抜き返してゴールした。

26位/45%。

冷たい雨と濡れたジャージで一気に冷える。

青い顔で早々車に戻ると、
ヨッシャンが車内に銀マットを敷き、
暖房をかけて待ってくれていて、

『そのままでいいから、早く乗って!寒いでしょ!』と。

なんというホスピタリティ。
彼と同じチームで本当に良かった。

そこにメカトラでDNFになったヤギさんが、
『見てたよ、カッコ良かったよ、残留取れたんじゃない?!』
とわざわざ声を掛けに来てくれたのが嬉しかった。

ライバルや仲間ってのはいいもんだな、
と、高校生が思うような事をオジサンが、

泥まみれで震える全裸の40代のオジサンが、
本気で思うワケで、

汚れたジャージを脱ぎ捨てたソウ君と2人、ランクルの暖房にあたりながら、
うふふと笑うのだった。






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