関西CX2016#4 マキノ高原戦

息づかいは激しくなる一方で、

僕はロードバイクに跨り、
斜度13%を超える坂を登っている。

南大阪は柏原、

葡萄坂。

一年程前の自己記録を、
このロードバイクで塗り替えたい、
なんて思いながら、
ヨッシャンと2人、
この坂を登っていた。

3日前、

関西CXでも比較的好きなコース、
マキノ高原を戦ったが、

ソウ君と2人、激しい下位争い
(C3、41/53位(67%))の末、
敗退、

失意のドン底。

操作性に秀でたフラットバーは
楽しかったのだが
なぜか登りが全く踏めず
その原因を探るが、

自分が弱くなったという事ぐらいしか
思いつかない。

心中にはゴマンと言い訳を述べながらも、
結局どのみちそこに帰着する。
今年は、この
Black Market NSF 改

で戦うと決めたのだから。


葡萄坂を下り、
ヨッシャンと雑談しながら、
川沿いのサイクリングロードを快走する。

『モッツのフレームは塗装終わったら
香港ショーに出展する予定』
と言ってたけど、
こないだの戦績を見て、

『ここでモッツさんが降格という可能性が出てきて、香港送りはどうかと考えてる』と言われ、

…降格?!…

と、我にかえる。
そうか、このままだと降格…。

どうやら、
何かと自分は驕っていたようで、
昇格なんて夢のまた夢。

とりあえず、今狙うのは、
残留か。

風の強いサイクリングロードも、
今日は追い風が吹く。

目標が決まれば、
後は踏み続けるしかない。

しばらく走って、

コーヒーショップの前に自転車を置き、
そこで初めて脚が疲れてる事に気付いた。

小さなテーブルに並べられたカップを
見て、なんだかゲイっぽいな、
と苦笑しあって、

すすった温かいラテは、
存外胃袋に染み渡るように、
僕らの身体を癒してくれた。












関西CX2016#3 りんくう戦

コブを下りすぐにヘアピン、
折り返した前の選手はヘアピン出口のコブを、
ワダチをトレースして抜けようとしてる。

コブの右キワのラインが開き、
間髪入れずに突っ込むと、

『石?!』

パーンッ、シュー…

景気良い音を立て、
パンクしてリタイヤ。

毎年シーズン1戦目は必ずパンクしてるんじゃないか、僕は…


今回のりんくう戦は、2016関西CXの3戦目にあたるが、

1、2戦目を事情で出場出来なかった僕に取って、今シーズン初のレース。

実は、少しばかりレースに疲れてしまっていて、僕の中でCXに対する興味が薄れていたのもまた事実。

そんな気分なので、
当日朝、一緒に乗せていってもらうはずだったヨッシャンから仕事で行けないとの連絡が来て、
まぁ、今回もDNSでいいか、と、少し気持ちも萎えたが、

彼の用意してくれたフラットバーSSCXも試してみたいし、

何より、
ヤギさんがスタートグリッドで僕を待っている。

沸かしたコーヒーを水筒に詰めて、
僕は輪行で会場へ向かった。


道中、電車の網棚にカバンを置き忘れるというアクシデントを乗り越え、

会場の駐車場に入ると、
顔を見て、おー!どーも、久しぶり!と、数名の方とご挨拶。

…あぁ、そうだ、この感じ。

662のボス、田口さんがフラットバーを見て『あれ?モッツもう上目指すの止めたの?w』とからかう。

ルールとして、フラットバーの使用はC3までしか認められておらず、
しかも自動的にスタートは最後尾になる。

なので、
田口さんが言うのも頷けるんだけど、
いやいや、まだ諦めてないですよ、
と強がって見せた。

その後、ヨッシャンにアテられて同じくフラットバーにしたソウ君と合流。
ハンドル幅が広いので、接触は気を付けないとね、と話して駐車場を走ってると、

『(フラットバー仕様に乗る姿が)やっぱりソウ君の方がカッコええなー!』

突然の失礼な声の主はテースケさん。
なんで分かりきった事を…と返しながら、

その先にはローラーで入念にアップする辻兄。同い年なんだけど、
試走も走り、計画的にアップもしてて、
方や僕ときたら、
人を頼りに遅刻して鞄を電車に置き忘れるテイたらく…。

僕は一体なんなんや…

ま、負けられんで!

とか思いつつ、ソウ君とチンたらアップしてスタートグリッドへ。

とにかく、

リラックスしてる。

勝ちを捨てたつもりなどないし、
一生懸命走るつもりだけど、

最後尾スタートで、
試走もしてないから様子見なつもり、
何より、
フラットバーの視線の高さと、
旋回性の高さがより気楽にさせてるのかも知れない。

とは言え、

スタートのピストルだけは、
シッカリ捉える。

おかげで前方車両に突っ込みかけるが、
そんなにカンは鈍ってないと知って、

そのままソウ君と、そしてチーム若手のグレ君、三人で最後尾を。いや、
グレ君は俺らに付き合う必要無いんやから先に行きな!と叫ぶが、
前に出るキッカケが本気で掴め無いようで、

先輩風吹かして僕が先行する事にした。

抜かし様、バーエンドが隣のハンドルに擦り、あ、すいません!と叫びながら抜いて行く。

砂場、キャンバー、少しづつ順位を上げて、
10台程抜いたあたりで、前の人が躓き、その前のパックと一気に差が開く。

ココは、
前のパックに飛びついておかないと、永遠にヤギさんや辻兄弟とは走れない。

前の車両をかわし、
一気にペースを上げる。

ヨッシャンの整備は上々で、
路面は乾き出し、
良くタイヤも転がる。

思いの外スピードが出て、

ひょうっ、と、思わずハシャいだ声を漏らす。

ツヅラ折りのコーナーを、
コース脇のブッシュをブレーキ代わりにしながらブレーキレバーを握らず抜け、

前のパックに入れた。

そのさらに先のヤギさん達が居るであろうパックに、あるいは、まさか、追付けるんじゃないだろうか?!

そんな色気がペダルをさらに踏ませる。

そこに突然のコブ。

これはフラットバーは断然やり易い。
コブに合わせて引いて押し、
一台抜き、下って、ヘアピン、
もう一台、あの右脇の隙間へ!



調子に乗って、
一周出来ないウチにリタイア。

とぼとぼ歩きながら、
フィニッシュラインを超えて終了。


悔しい。

なんだか自分だけジェットコースターを途中で降ろされてしまったような、
やりきれなさ。

もっと走りたかった。
そんな純粋な気持ちに気付く。


ずっと、
表彰台に近付けない事に、
落ち込んでいたのかも知れない。

成績に目を三角にして走る事に疲れてたのかも知れない。

でも、
シクロクロスは、変わりなく楽しい。

自転車界隈で名の通る人が
気さくに話しかけてくれる。
グリッドに立てば、
まるで劇場のステージに立つ様な緊張感。
始まってしまえば、
切磋琢磨する仲間と本気でぶつかれる。

そこにあるのは、
あくまでプリミティブな、
悪路を自転車で走破するワクワク感と、

非日常感。

シクロクロスは楽しい。

そんな僕の様子を見たソウ君が、

『今飲んだら美味いですよ』と言って、ビールをおごってくれた。

おごって貰いながらも、

やっぱり美味いなw

と乾杯してノタマウ僕は、
やっぱりダメなオッサンかも知れない。



関西CX2016 #3りんくう戦
グレ君 32/43位
ソウ君 34/43位
モッツ DNF












フレーム破断、からの8to8ライド

♪君のぜんっぜんっぜんせからっぼ、

パちンっ!

鼻歌混じりにウチを出て、
数百メートルKINFOLK-CXで走りだすと、突然、
破裂音と共にダウンチューブ破断。

フレームのサビか、度重なる落車によるダメージか、子乗せシートの負荷によるものか…憶測は多岐に及ぶけど、

やはり、僕自身が椎間板をヤッてしまった子乗せ登坂練習が原因な気がする。

とにかくその翌日、
ヨッシャンが急遽自転車を引き上げに来てくれて、
『治るまでウチに転がってるピストフレームにパーツ載せ替えてレース出ましょうよ』と。

こんな時のヨッシャンは本当に頼りになるし、それでも一緒にレースを走ろう、と言ってくれる気持ちが、もう、
嬉しさを通り越してカッコいい。

彼のチームで走れる事は、僕にとっては実業団で走るより価値のある事だ。

そんな事があった週末、

8to8ヤギさんのお店の定例ライドに、
ヨッシャンと参加する事にした。

待ち合わせ場所の箕面駅まで自走したけど、ロードバイクだとずいぶん楽に到着出来た印象。

見つけるや否や、ヤギさん、

『あれ?来ちゃったの…?』

….うん、来ちゃった…///

と、アラフォーのオッサン2人、
挨拶を終え、

『モッツさんが望む様なハードなライドちゃうでー、今日はユルい感じ』と言う言葉を信じて、ゆったりスタート。

ソウ君は寝坊でDNS。

ヤギさんのお店のお客様2人と、
ヨッシャン、

計5人のパーティで箕面の山を登って行く。
序盤は確かにゆったりだったけど、
楽しくなって徐々にペースアップ。

僕が愚かだったのは、
その後登りが続く辺りで調子に乗って前に出過ぎた事だ。

いい所見せようとして前に出た所へ、
お客さんの1人、デローサに乗った線の細い男性がスッと横に並んできて、

『実は今シーズンからシクロクロス始めましてね…』と、
シクロクロスの魅力についての話を聞きながら登る事に。

いや、これ結構キツいペースなんですけど、
と心中に呟きながらも、
やせ我慢して会話を続ける。

そんなこんなで、なんとかピークに到着して休んでると、後続も到着。

後続を休ませずに再出発して、
妙見山の最後の峠に入る。

脚は疲れてきてるけど、
雰囲気のある道に思わずクルクル回してしまい、箕面最高!
まぁいい、もうスグ頂上っぽいし、このままハイペースで登ろう、

と、トルクを意識して、うん、いいペースや、後ろと離れすぎたんじゃないか?

と、

振り返ろうとするや否や、

『抜くよ』

と右からサっとヤギさん!

えっ、と反応しても脚が回らない。

ヤギさんが遠のく、

空が開け、ゴールを知らせる。

ダメだ、完敗や…

噂には聞いてたけど、
ヤギさん強えぇ…

その後は道路規制で折り返し出来ず、
ヤギさんの案内で山を1つ越えて、駅前に戻った。
とにかくこの最後の山が本当に辛くて、膝が破裂するかと思ったで…


ヨッシャンのクルマに向かうと、

『モッツさんの乗るSS、持ってきましたよ。』

リアキャリアに積まれた自転車。
フレームはブラックマーケット。

…仕事速いな、ヨッシャン。

『一週間乗って、慣れといて下さいね。』

フロントフォークは、確かに僕のKINFOLKを移植してるけど、ほとんどが違うパーツになってる。

それは、

フラットバーSSCX。

チームオーナーからの指示は、

『レースを楽しめ。』

スタイルを追求しながらも、
最近の僕のレース疲れに対する、

彼の回答だった。














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