KINFOLK RoadRacer

KINFOLK RoadRacer  2016/09

P1240540.JPG

Spec 
 

Frame:KINFOLK
Fork : ENVE ROADFORK2.0
COMPONENTS: CAMPAGNOLO RECORD 10SPEED
Headset : CHRIS KING inset8
Stem : ZIPP ServiceCourse SL 100mm
Handle :DEDA ZERO100
WHEELS: CAMPAGNOLO Shamal Mille
Tire : Continental Grand Prix 4000S II
Saddle : fi'zi:k ANTARES k:ium
Seat Post : Thomson MASTERPIEC
Pedals : Time Xpresso2

 

美しいステムのグラデーションは、TT、DT同様にして、

ハードロックを感じさせるザクザクとした切り返しの上に柔らかにかかる。

 

イメージ画像として送ったモーターバイクのガソリンタンクの輝きそのもの

を表現した様にも見える素晴らしいセンス。

P1240526.JPG

カンパニョーロrecord10sの中で気に入ってるのは、

5本アームのクランクにタイタニウム色のチェンリング。

11s以降は黒に、最新の物は更に4アーム化されているけど、

自分が憧れたのは最新鋭でもネームバリューでもない、

このコンポーネント。

 

P1240477.JPG

CHRISKINGのピューター(白銅)色のヘッドパーツが上手くマッチしてると

思うのですがどうでしょうか・・・・。

職人さん達の技術とセンスが特に集約しているのがこのヘッド回りだと

思ってます。

 

そう、ちなみにクックペイントにイメージとして

送ったモーターバイクの画像はこちら。

これがこう。

 

P1240481.JPG

見事としか言いようがありません。

 

ホイールの黒リムや、ネオクラシカルなセレクト、

個人的にはいかにもピストムーブメントを拗らせて?引きずってきた

仕上がりで、大変自分らしいと思ってます。

 

走りに関しても、前回述べた様に自分史上最高でしょう。

 

しかし、

当然の事ですが、僕一人で職人さんとやり取りなんか出来るワケはなくて、

 

僕の拙い言葉やイメージを、ちゃんと理解し、

職人さん達に僕が思う以上に伝え、仕上げてくれたプロデューサー、

総監督ともいえる、

kinfolk自転車部門を一身に背負って立つ、ヨッシャンの力あってこそだし、

 

もし、

カッコよく、後悔しないフルオーダーバイクをオーダーしたいと迷ってる方がいれば、

僕は一顧客としても、彼をよく知る友人としても、

選択肢に入れて間違いない、と胸を張って言えるのです。

 

最後に、KINFOLKのフレームに書かれる「RunWithTheHunted」ですが、

たぶん逃避行的な意味でしょうか?

勝手にそう理解してるんですが、

 

先日ヨッシャンに「毎回おんなじ場所を練習練習、でもそれだけじゃないでしょ。」

と言われて、あ、

確かに、

誰かに勝つ為に、誰かを負かす為に自転車に乗ってるんじゃないな、

と僕に気付かせた直後に

 

「勝つ為なら必要なんでしょうけどw」と言ってくる天邪鬼な彼ですがw。

 

 

それぞれの生き方や人生があって、その上での自転車だ。

 

例えば誰かが、最高の仕事をする為、自分の暮らしを守る為に。

ほんの少し、いや、最高の段取りで、心をリセットし、頭を空っぽにする為に。

 

さぁ、逃げよう。

 

自分探しなんかじゃない、偏った自分をニュートラルへ戻すだけのライドへ。

 

KINFOLK BICYCLEは、その為の極上の機材なんだと、

そこに触れたなら、誰だって理解できる。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 


フルオーダーバイク

その日、
大阪は台風の影響で雨続き、

納車の日だというのに、まったくツイてないな、
と独りごちて、僕は8to8に向かっていた。

先日の夜、
『本日ここまで、明日には跨がれる様にしときます』と、

パーツを預け、1週間もしないウチに
ヤギさんから完成前の自転車の写真とメッセージが送られてきた。

仕事の早さに感心しながら、
その写真をクロームキャストでテレビ画面に飛ばし、大写しにして酒を飲んでみたが、やはり大変すすんでしまった。

その写真を脳内で反芻しながら、
乾き出したアスファルトを歩く。

考えてみれば、
カスタムオーダー、と言いながらも
全てお任せで完成したんだな、と
フと気付いた。

ビルダーの福田さん、塗装のアゼミさん、そして、組み付けはヤギさんに。

その道のプロに、自分の為だけの、
オリジナルを手掛けてもらえる。

なんと言う贅沢だろう!

僕はその対価を払うだけで、
この世に一台の自転車を、熟練の職人が3人掛かりで誕生させてくれるのだ。

8to8の扉を開き、
興奮を抑えられない僕を、

『モッツさん、おまたせ、出来てるよ』

と、ヤギさんはいつもの笑顔で迎えてくれた。

その奥に、
完成したKINFOLKが佇む。


ヤギさんに言われるままに跨ると、
それは新しい物に触れると言うより、
ずっと乗り込んで来たサドルに戻ってきた様な感動。

ハンドル位置はCXに比べ随分下がってる筈なのに、しっくりくる。

サドルの高さもキッチリ調整され、
膝の感覚もCXと全く同じだ。

なるほどこれがオーダーメイド…、
と、ペダルを踏み出して、

想像を超えるその軽さに驚き、
何度もギアを確かめた。

8to8は坂の途中にあるのだけど、
登りをトップギアで、楽に登れてしまう。
53×13というと、ギア比、
実に4.08。

正直自分では、下り坂でないととても使えないと思っていたギアで、登坂出来てるだけでも考えられないし、
なんならまだまだ踏めそうな予感に、

『…これはさすがに、調子に乗る…』と心中に呟いた。

大阪はその後数日悪天候だったけど、

その隙の僅かな晴れ間を突いて、
いつもの練習コースへ。

台風の影響か、とんでもない強風の悪環境下。

それでも、踏み出しが軽い。
つま先に入力した力は、
アスファルトを直に蹴り出した感覚で
車体を前へ進める。

シャマル・ミレ(車輪)は自ら回転しようとしているかの様で、

もっと重いギアを、と乗り手を誘う。

低くなったBBの影響か、
ビタリと路面に張り付く様に加速して、

いや、とは言えシフトミスを頻発させたり、コーナーのラインをウッカリ外しながら、

それでも自己ベストを更新して、
心拍数も同じくいつもより高くなっていた。

これが、
ビスポークフレーム…

フルオーダーメイド、
やはり、予想通り、
心に身体に、ピッタリ寄り添う様に
仕上がってきた。

テストライドを終え
乾いた布でフレームを拭きながら、

高すぎた自分の希望に自嘲しつつ、
それがカタチになって目の前にある
奇跡に、

僕はまた、今夜もワインを注ぐのだ。






最後の選択

パーツ集めは、
楽しくも気の遠くなる作業だ。


RECORD10SPEEDはとっくにディスコンになっていて、海外のオークション等を利用して2年近くかけてコンポを揃えた格好だ。

リアディレイラーは、
KINFOLK-CXを多段化した時に買った物をオーバーホールして使う事にした。

最後にワックスをかけ、
美しい曲線を描き、滑らかに光る
ボディにしばし見惚れてから、

箱に詰めこんだ。

時を同じくして、
ヨッシャンからフレームが届いた、
と連絡を受け、KINFOLKチームのマッコイさんが僕のフレームを持った写真が送られて来た。

それは、

サファイアの玉石に
強い光を当てた様な、
予想外の、それでいて、
美しい塗り分け。

クックペイントアゼミさんの、
『音楽を意識した』とのコメントが
嬉しい。

ステムも同色で塗り分けされている。


僕は逸る心を必死で抑えつけ、
今やる事はパーツ集めと自分に言い聞かせた。それゆえか、
その後は早かった。

ヘッドパーツの色は黒一択だと思ってたけど、フレームに合わせたくなって
ピューター(白銅)に変更。

ホイールはカンパニョーロ製のアルミリムで1番軽い物を選んだ。


パーツは揃った。

後は、組み立てだ。

幸運な事に腕の良いメカニシャンが
僕の周りには沢山いて、
誰に頼んでも遜色なく仕上がって来るのは間違いないと思っていたけど、

今回は、
hutte8to8さんにお願いする事にした。
メカニシャンは同店主のヤギさん。
通称、バレットヤギ。

丁寧なその仕事ぶりはピストに乗り出した頃から良く知っていて、
言うまでも無く、
シクロクロスのライバル。

いつも、
彼の組むバイクの佇まいは、
柔軟さの中にどこかピンと背筋の伸びた真っ直ぐさを感じていて、

まるで組み手の性格がバイクに反映された様な、

もし自分が組んでもらうなら、
ヤギさんにお願いしたいと思っていた。

とはいえ、

ここまでパーツを揃えて持ち込みなんて、
嫌がられないかな…

8to8の門戸をたたいて、
ヤギさん、お願い出来るかな…、
と恐る恐る聞くと、

『勿論いいよ』

と、気持ちの良い返事が返ってきた。


コンポーネントの選択その2

ドライブトレインのコンポーネントは
決めてるので、
次はサドル周り、ハンドル周りのパーツを揃えていく。

ステムはフレームと同色にする事にしたので、同じタイミングで塗装に出す必要があり、最優先で選択する事に。

もう一度スケルトンと睨めっこして、
ほんの僅かにスローピングしてはいるものの、ほとんどホリゾンタルに近いシルエットを活かし、
ステム角をトップチューブと水平にしたいと考えた。

最近のロードバイクは殆ど上方に向かいヘッドチューブの角度に対し6°か10°の角度で、水平ステムと比べるとハンドルは少し近くなる。

水平ステムはヘッドの角度に対し、
17°。

この17°ステムというのが実はかなり少ない。

おそらく、余程腕が長いとか、逆に身体の小さい女性が使ったりするのだろうか、限定的故にラインナップは本当に少なく、ほとんどがセカンドグレード、しかもアルミだけだったりする。


そこでカーボンステムと同等の軽さの
17°ステムを探した結果、
ZIPPの一択となった。

ここのブランドは
レーシーなイメージが大変強く、
あまり好きなブランドでは無かったけど、シンプルなだけでない個性的な
美しさにも惹かれた。

出来るだけCXバイクとのポジション差を少なくしたくて、
ハンドルはDEDAのZERO100、サドルはフィジークのアンタレスと、
CXと同じにした。

シートポストはソウ君からゼロセットバックのトムソンを譲ってもらう。

ここまで読んで、

『同じブランドで揃えないの?』

と思う人は、
多分自転車乗りには少なくないと思う。

でも、例えば洋服で言ったら全身同じブランド、というと、
想像するのはスーツなどのコンサバティブなスタイルになる。

でも、ストリートピストから自転車を
好きになった自分的には、
どこまでもカジュアルに、ファッションとして楽しみたい所もある。


色んなブランドをミックスする事がファッションだと、今は亡きジャンニ・ベルサーチが言った様に、

ひとつひとつのパーツをそれぞれ
選択出来る自由を満喫する。

そして、
個性的なパーツ、普遍的なパーツを組み合わせ、
どんなバイクになるか妄想に耽り、
心を踊らせる。

これは楽しい時間だ。

どんなパーツでも規格さえ合えば、
どのみち一台の自転車になる。


その姿を思って僕はまた、
ワインをひと瓶、
今夜も空けてしまうのだ。





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