大阪ピストムーブメント2-3
『ブレーキなし、問題なし』
大手スポーツメーカーがビルボードに張り出したコピーが、波紋を呼んでいた。
ネットにはあらゆる書き込みがされ、
頭が悪いのか、そんな危険な物が流行ってるのか、
メーカーがその背中を押してどうする。
だけど、その時ピストに夢中になってた連中には、どうでも良いコトだった。
結局、いつの時代も真相に触れようとせずに、自分の想像の範囲内で判断しようとする人間は、置き去りにする他ない。
そこには、毎晩の様に通った。
チェホのウチが近いので、彼を始め、
特に約束しなくても誰か居た。
それも良かった。
薄暗がりの公園で、僕らは互いにネットの情報を持ち寄っては交換し、
くだらない話で爆笑する様になった。
ブルックス風のサドルとブラウンのフレームで、クラシックに仕上がっていたヨッシーのスチームローラーは、
プラスチック製のサドルになったり、ハンドルを変えたり、
全ては、トリックを楽しむ変更だった。
方や自分は、ピストの持つ美しさに拘り、そのスタイルで出来る事を探した。
トリックの情報は東京から発信されて、
それをネットで必死に追う。
最初に集まったメンバーの中に、
僕と同い年くらいの2人組も来ていた。
1人は小柄でガッチリ、
もう1人はノッポで線の細い凸凹コンビだったが相性は相当良いようで、
2人の漫才みたいな掛け合いは最高に面白い。
でもそれだけじゃなく、
小さい方の彼は、高い身体能力をみせる。
メンバーの中ではいち早くウィリーが出来る様になったり、
まだ映像でしか見たことのなかった『ワンフッド180』が、彼には出来た。
僕が、スキッドをしながらドリフトの様に車体を完全に180度回転させる技、180スキッドすら出来ないウチに、だ。
ワンフッド180とは、それをハンドルに片足を引っ掛けてやる技。
腰の位置はステムの辺りに座る感じで、
もう片足でペダルを止める、
ピストならではの技だ。
シルエットはまるでケンタウルスの様に見える、スタイリッシュな技だった。
特に彼の180は、
最後の切り返しが深くて速く
シャープで、もしかしたら270度回るんじゃないかと思わせ、ワクワクさせてくれた。
そして彼は、めんどくさそうな話方から想像出来ないくらい、
人に教えるのが上手く丁寧だった。
彼のアドバイスで僕もすぐ180が出来る様になる。敬意を込めて彼を
『センセー』と呼ぶ事にすると、
気が付くと皆そう呼んで、
彼のニックネームになった。
本人は流石にヤメテ、って言ってたけど(笑)、それくらい彼は前衛的に学び、人に教えるのが上手かったのだ。
そんなセンセーにアドバイスをしていたのは、彼のフジトラックを借りて好きに乗り回していた、ノッポ、ino3(いのさん)だ。
人を寄せ付けない雰囲気に反し、人懐っこい性格。胡散臭くて、それでもすごい情報量と独自の美学を持ち、とにかくやたらとアンテナが敏感なヤツだった。
(その数年後に、僕がシクロクロスを始めるキッカケをくれたのも彼。)
ヨッシーやチェホ、そして先の2人に、大学生のコンビ、他にも何人かいたな、
とにかく仲間が増えていった。
mixiで火曜に集まりましょう、
と声をかければ、
毎週色んな人が、顔を出してくれる様になる。
ムーブメントは止まらなかった。
某社のコピー。
それは、そこに居た僕らには、
そのままのリアルでしかなかった。
大手スポーツメーカーがビルボードに張り出したコピーが、波紋を呼んでいた。
ネットにはあらゆる書き込みがされ、
頭が悪いのか、そんな危険な物が流行ってるのか、
メーカーがその背中を押してどうする。
だけど、その時ピストに夢中になってた連中には、どうでも良いコトだった。
結局、いつの時代も真相に触れようとせずに、自分の想像の範囲内で判断しようとする人間は、置き去りにする他ない。
そこには、毎晩の様に通った。
チェホのウチが近いので、彼を始め、
特に約束しなくても誰か居た。
それも良かった。
薄暗がりの公園で、僕らは互いにネットの情報を持ち寄っては交換し、
くだらない話で爆笑する様になった。
ブルックス風のサドルとブラウンのフレームで、クラシックに仕上がっていたヨッシーのスチームローラーは、
プラスチック製のサドルになったり、ハンドルを変えたり、
全ては、トリックを楽しむ変更だった。
方や自分は、ピストの持つ美しさに拘り、そのスタイルで出来る事を探した。
トリックの情報は東京から発信されて、
それをネットで必死に追う。
最初に集まったメンバーの中に、
僕と同い年くらいの2人組も来ていた。
1人は小柄でガッチリ、
もう1人はノッポで線の細い凸凹コンビだったが相性は相当良いようで、
2人の漫才みたいな掛け合いは最高に面白い。
でもそれだけじゃなく、
小さい方の彼は、高い身体能力をみせる。
メンバーの中ではいち早くウィリーが出来る様になったり、
まだ映像でしか見たことのなかった『ワンフッド180』が、彼には出来た。
僕が、スキッドをしながらドリフトの様に車体を完全に180度回転させる技、180スキッドすら出来ないウチに、だ。
ワンフッド180とは、それをハンドルに片足を引っ掛けてやる技。
腰の位置はステムの辺りに座る感じで、
もう片足でペダルを止める、
ピストならではの技だ。
シルエットはまるでケンタウルスの様に見える、スタイリッシュな技だった。
特に彼の180は、
最後の切り返しが深くて速く
シャープで、もしかしたら270度回るんじゃないかと思わせ、ワクワクさせてくれた。
そして彼は、めんどくさそうな話方から想像出来ないくらい、
人に教えるのが上手く丁寧だった。
彼のアドバイスで僕もすぐ180が出来る様になる。敬意を込めて彼を
『センセー』と呼ぶ事にすると、
気が付くと皆そう呼んで、
彼のニックネームになった。
本人は流石にヤメテ、って言ってたけど(笑)、それくらい彼は前衛的に学び、人に教えるのが上手かったのだ。
そんなセンセーにアドバイスをしていたのは、彼のフジトラックを借りて好きに乗り回していた、ノッポ、ino3(いのさん)だ。
人を寄せ付けない雰囲気に反し、人懐っこい性格。胡散臭くて、それでもすごい情報量と独自の美学を持ち、とにかくやたらとアンテナが敏感なヤツだった。
(その数年後に、僕がシクロクロスを始めるキッカケをくれたのも彼。)
ヨッシーやチェホ、そして先の2人に、大学生のコンビ、他にも何人かいたな、
とにかく仲間が増えていった。
mixiで火曜に集まりましょう、
と声をかければ、
毎週色んな人が、顔を出してくれる様になる。
ムーブメントは止まらなかった。
某社のコピー。
それは、そこに居た僕らには、
そのままのリアルでしかなかった。
- 2015.09.20 Sunday
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- 18:25
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- by もっつ