再度山ライド

梅雨は明けた、と思った。

土砂降り続きの湿った空気は、
玄関の扉を開いた朝、
乾いた風になって吹き込む。

久しぶりのチームライドだ。

三ノ宮まで輪行、
よっしゃん、そう君と海沿いの駐車場で落ち合い、
六甲は再度山へ向かう。

神戸の街は、山から海へ降りるその斜面にあるので、
海沿いから走ればずっと登り勾配。
再度山に着く頃には『もう十分登ったかんじやな』なんて、ふざけて笑っていた。

手前で、サクソバンクのジャージを着たローディの後ろに着き、そのまま再度山の入り口に差し掛かる。

『ここですよ』とヨッシャンが指差した入り口は、
斜度15%はあろうかという、コンクリートの急斜面。
スタート前に、六甲山の中では難易度低めのコースと言っていたヨッシャン。

…いきなりコレか、…話が違うやないの……

先に着いてたサクソバンクのローディも立ち止まっているので
どうぞ、と譲ると、いやいやwと
譲り返された。

苦笑して、
ホンなら行こうか、と、
ヘルメットのダイヤルを一つキツく締め、ギアを落としてクランクを廻しだす。

スタート直後の有り得ない急坂に、
思わず笑いが込み上げてくる。
体調も悪くない。

思わず先行し過ぎて、
酒焼けしてシンドそうなソウ君と
最近多忙で全く乗れてないと言うヨッシャンを待つ。

かくいう自分も、
さぬきCXの後はひどく体調を崩し、
体重はぶくぶくと増え、

最近は体重を減らす為だけに乗ってる様な、仕方なく乗っている様な、
気がつくと、
自転車がつまらない物になっていた。

退避ゾーンで待っているとサクソバンクのジャージが来て、その後を追う様に2人が上がって来る。

そこから斜度は多少緩くなり、
程よくアップダウンを繰り返しながら、
登る。

植物園あたりから山頂へ向かうあたり、昨日までの雨で所々土砂崩れしていて、
やがて道路が一部完全に崩れ落ちて無くなってるコーナーに差し掛かった。

…おっかねぇなあ、
と、脇を通過。

斜度のある坂を登ると、
頂上のあたりに道路と空の境界線が見える。
真っ青な空とアスファルトのコントラスト。
道路脇、側面のチョコレート・モールドのコンクリート壁はビッシリと苔に被われ、
木々の間を抜ける日差しを受けて、
キラキラと緑色に輝く。

息をきらしながら、ソウ君と話す。

『ドライブでここを走っても気持ち良いやろうけど、多分、沢山見落とすやろう。やっぱり自転車は良いな。』

まるで子供みたいに、
ちょっとした事が感動になる不思議。

牧場が見え、わらわらと草を食む羊に喜び、
道路を横断する川の様な山水をタイヤで跳ね上げる。
冷たさが気持ち良い。

『それ、ゴルフ場の汚水やと思いますよw』

と、ヨッシャンが余計な事を言う。

続けて、もうここ登ったら山頂ですよ。
と。

その声にソウ君が
突如アタックをかけ始める。
当然俺も反応して、
後を追い、追いつき、コーナーを曲ってさらに斜度がキツくなった事に溜息混じりに、思わず二人で、

え〜…

と、まぁ、
でも負けじと先に山頂へ上がって、

とりあえず眼下の景色に感動する。
ずいぶん登ったな。

帰りは、来た道を折り返すルート。
下りメインだがなんせ道幅があるので、
あまり怖さもなくリラックスして気持ち良く下れた。


駅前でヨッシャンの彼女も合流し、
最後はグルメ吉田お勧めのチキンカレー屋へ。

ここのチキンカレーは500円でボリュームもあるし、鶏の脂がコッテリ染み出てとろける様な甘みが
しっかり辛いルーに溶けこみ
絶妙に美味い。

ビールで乾杯し、サービスの辣韮を齧りながら、ライドを振り返って、笑う。

仲間と走るのは最高に楽しいし、
そうでなくても、
やはり自転車は素晴らしい。

店の外に出て、

強い日差しに思わずサングラスをかける。


梅雨は明けたと思った。

それは確信に変わった。











夏のインナー

夏に自転車乗って悩むのが、汗の処理。

とにかくすぐ乾くインナーを着るべきで、
優しい肌触りと乗車時の密着感、
あとジャージのジッパー下ろした時チラ見えするプリントのカッコ良さなど、
RAPHAのプロチームメッシュレイヤーは最高なのですが、

普段使い用に
モンベルの新製品、ジオライン クールメッシュも買ってみました。

身長171cmの自分でSでピッチピチ。同ブランドの他のインナーより少し小さめのサイズ感です。
襟ぐりが広いのも、何かと合わせやすくて便利。

素材はいかにもポリっぽく安っぽいんですが、薄く軽いのにヤワくない。
グンと伸びるのにハリのある不思議な素材感です。

で、メーカーは吸水速乾をうたってますが、その性能が尋常じゃない。

例えば暑い日にTシャツのインナーとして着てると、汗がインナーに留まる事なくインナーと肌の接触面は快適…。

そう、ホンマにとどまらないので、アウターのグッショリ感がハンパないのです。
?1枚で着てるくらいビショビショのアウターをインナーで快適に着こなすという、
なんとも不思議な着心地を味わえます。

もちろん、洗濯してから乾くまでの時間も最短。洗濯機で脱水してれば、外に少し干しただけで乾いてしまいます。

当然、自転車乗るのにもウッテツケ、
値段も2300円と安いので最近はコレばっかり着てます。

色は黒、白の二色のみですが、
これ1枚で着るコトはあんまり無いと思うので良いのではないかと思います。

オススメです。



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