関西CX2015 #9戦 みなと堺グリーン広場戦

手持ちのチケット枚数を数える様に、
現在の立ち位置を確認する様に、

昇格を望み残留を願う、
関西CX第9戦みなと堺グリーンひろば。

埋め立てられた荒野に冷たい海風が吹き曝す堺浜を、それぞれの思いが熱となってジンワリと温めていた。

C3、発走前。
昇格はもちろん、一発残留を狙う猛者達。少なくともチケット一枚はGETしたい所だ。

いち早く昇格を決めたSKRKのオグさんに続き、
昇格を期待されるミウケン氏だが
今シーズンは発走数自体少なく、
現在残留チケット1枚。
スタートグリッド中程、
何故か上半身裸になってる…。

名古屋のアイドル、カメラマンでもある前川君は既に残留は決まっているので、同胞であり野辺山でモッツを紳士的に抜き去ったフトシ君と共に、ここは上を目指したい。

烏丸戦でシグナルが故障してしまったヤギさん。
この平地ステージをMTBで出走しようと覚悟を決めていたそうだが、
事情を聞いた辻啓氏が、自分はレースに出れないので乗って下さい、
と持って来てくれたその「リドレー」にて出走。チケットは既に二枚。後一枚。

仕事で来れないナイトーさんは一発残留、662ダイちゃんは前回紹介したメンバーの中では1番で昇格。

KINFOLKチームはヨッシャンがまだ
チケットを獲得していない状況。

ソウ君からは事前に彼をサポート出来ないか、と相談を受けたが、
風除けやペースメーカーがあまり効果的でないシクロクロスでチームプレイは難しいし、
だからって手を抜いて走るのはなぁ…。

時として想像を裏切る速さを見せるヨッシャンに期待するしかない。

モッツ、最後尾スタート。

ソウ君は俺の一つ前に。
我々、
欠場続きでこんな事になってるが、
一気にぶゎーっと前に出る作戦。

スタート直後、ぶゎー………

えっ、先頭、あんなに先?!

60人程の出走で思う様に前に出れず、
そう君も俺の前で右往左往していた。
そのままこのコースのボトルネックであるキャンバーに入る。
シクロクロスはスタート後に十中八九渋滞が出来る箇所があり、
渋滞前にそこを通過出来なければその後前に出るのは相当難しくなる。

そこをかなり後ろでほぼ歩いて通過してしまい、
結局一周目はそのまま、最後にソウ君を交わして入れ替わる。

二周目、2人でそのまま走ってると、
スラロームで5台程のパックが出現。
折り返した先頭にはヨッシャン、その尻をつつき回してるのは、カーボンバイクに乗ったヤギさんだ!

面白くなってきた!

すぐパックに混じり、
砂場手前で抜き様、
ヨッシャン、ヤギさん、チケットゲットしてくださいよ!
と心中つぶやきカッコよく抜いたつもり…が、

砂場で誰かコケてる!??
思わず砂上でブレーキしてしまい、
再発進に手間取ってると、
ヨッシャンが抜き返して行く。

マジか、ンなろっ!

ペダルを踏みながら、
なんかよくわからない笑いが込み上げてきて、
『なんやこのパックはーっ!笑』
と、ギャラリーも俄然湧いて、
めちゃくちゃ気持ちが盛り上がってくる。

次の砂場あたりで追い越し、
そこでソウ君の気配も消える。

3周目、入る手前で薔薇のジャージ、
ミウケンさんや!
声をかけ抜いて、その前は、前川君だ。
かなりキツそう、頑張れ!
と声をかけ、次は…

また次のパックを探して走る。

あれ、俺疲れてない…

相当662の練習が効いてるのか、
後、コーナー中に脚回してグリップさせて下さい!とC1のオッチーさんに試走中に念押しされたのが大きいのかもしれない。

3周目、ステップをぽんぽんと跨いだ先にパック、牽引してる群青のジャージはエスキーナ、辻啓氏が兄、辻浩さん!
あ、今日まだ挨拶してない、どうしよう、でも今レース中やしな…

と考えてたら、抜き様に、うっす、と声を掛けて頂き、あっ、お、おはようございますっ!

と叫びながら抜いて、

四周目。
手前のゼッケン30番を抜き、
林に向かって走ると、直ぐに抜き返してきて、俺が脚を使わない様に淵の芝を走るぬたぬたのコーナーを、
降車してインギリギリをベタベタ駆けて行く。

なんてガッツある走りだ!
後で知った事だが彼は高校生らしい。
よし、とにかくついて行こう、

と林を抜けた先の緩いS字コーナー、
奥は泥のバンクぽくなってるのでタイヤを乗せて行くと実は泥が盛ってあるだけで、後輪が
じゅりじゅりじゅり〜っと流れ出す!

『バンク違うんかいぃ〜〜ぃ嫌ァ〜っ』

とそのまま倒れ込みそうになる刹那、
無意識に抜いた左足で地を蹴っていて、
倒れる寸前の状態から一気に復帰して自分でも驚く。

驚きの余り、後ろ振り返って、
『な!今の見た?!なっ?!なっ?!』
って後ろの走者に言いたくなった程だ。

最終回、
同じS字に入るとまた後輪が
じゅりじゅりじゅり〜っと流れ出し、

コケた。

フロントも流れるとコケるしかないのね…。

そこで、しゅんっ、しゅんっ、と二台抜かれる。
クソっ、と追い掛け始める。

その頃、ソウ君はヨッシャンのサポートにまわっていた。
といっても、ペースメーカー的な物で、
時には前に出てペースを作り、
ヨッシャンが落ちてくると、
『休むな!踏め!』といった具合に後ろから叫ぶ。

ヨッシャンも想いに応える様に懸命に踏み、同じ様に辻啓氏への友情に応えようと走るヤギさんになんとか着いていけていた。


ゴールまで半周ほど。
もう、先の30番には追いつきそうも無い。

しかしちょっと先に見えるあの1台、抜けるだろうか?

コーナーを抜ける度、少しづつ距離をツメる。
そして砂のコーナー、
案の上彼は硬い外側から進入。
今日は昨日の雨で砂が締まってるし、
イケる自信もあって、
俺はふかふかのインから進入、
そのまま砂場で抜き去り、ゴール。

20位。

去年と同じ順位とか、なんじゃそりゃ、と
自嘲しながらも不思議と悔しさは無く、
清々しさばかりが胸中を満たす。


ソウ君達は、
最終コーナーに差し掛かっていた。

ヤギさんが先行、
そこにソウ君が被せて抜く!

さらに、ヨッシャンがソウ君に続こうとして、
ヤギさんも反応、

残り数10Mのデッドヒート、
これにはギャラリーも大盛り上がり!

勝負は僅差で、
リザルトにも狂いが出る程の熱戦だった。


自分のレースを反省すると、
前回C3に上がったグレ君の背中も見えないまま、そしてこの順位。
ホントに結果はダメだと思う反面、後半タレずに踏み抜けた感じ、コーナーの走り方が大きく変わってきたと感じる手応えがあるレースで、それなりに満足。

それより何より、シクロクロスの楽しさ。ただ、懸命に走るだけでも楽しい、バイクをレースで操る楽しさ。
改めて思い知る。

自分との対話に始まり、
チームメイト、友達、同走者、
そして応援をくれる人達。

満たされる感覚。

だからまた、そしてもっと欲しくなる。

アスリート気取りでよくもまあ、
練習なんて出来ますね、
なんて言う人もいるけど、
単に、もっと満たされたいだけなんだろう。

順位を追うも良し、
チケットを追うも良し。

自分との戦いが決して自己満足では終わらず、
充溢する幸福感を、
シクロクロスは味わせてくれる。


結果は、
CRCフトシ君はなんと昇格!
ミウケンさんは無事チケットゲット。
ヤギさんとヨッシャンは惜しくもチケットをとり逃したが、熱い走りを見せてくれた。

次回、関西CXは千秋楽、
残すところ、四国CXと併せて3戦。

まだまだ楽しみが残っている。





(photo by マリオ君)


















































永遠のルーキー

年の瀬。
出し忘れていた年賀状を投函した夕方。

近所の店々も流石にシャッターを下ろす静かな街を、御使い用のスケボーで走るが、そういえば最近ちゃんとスケボー乗ってないなあ、
と、ちょこちょこ遊んでるウチに楽しくなってきて、
高架下のバンクまで行ってみる。

ただバンクに乗るだけでも若干ビビるほど下手になってて、
ネルシャツにダウンベストと軽装だったが、
それでも30分ほど乗ってると汗だくで、
そのウチ抜重の感覚が戻ってきた。

そんな年越し。
新年早々、テースケさんからライドのお誘いを頂く。

メールには
パンプトラック練習、
と書かれていた。

コブを沢山作った、バンク付きのオーバルコースを、ペダルを漕がずに周回する練習。BMXやMTBでは基本練習に相当すると思われるアレの事か。

すごい楽しみだ…

朝、テースケさんのディフェンダーに乗せてもらい、662トレイルへ向かう。

駐車場には、既に662のメンバー、
ボスの田口さん始め、デイブ、コッシー、ダイチャンといつものメンバーが勢揃いしていて、追う様にTONICの岡さんが自走で到着。

そこに、RAPHAの日本代表ヤノさんが世界的フォトグラファーでもある辻啓氏を連れて現れた。

冷静に考えれば凄い面子だけど、
それ以上にパンプトラックが楽しみで、
じゃ、早々行きましょう、と。

思ったより、小さいな、

そう思いながらコースに進入し、
加重抜重で…
あれ?なんか上手く進まん…

みんなメッチャ速いので、
一旦コースから出る。

なるほど、と、
再び見様見真似で走るけど、
遅い。

その様子を見てた662クルーがメッチャ笑ってて、
アカン〜、とコースを出ると、テースケさんが冷静に、『むっちゃ遅いで』
と。

確かに、歩いてるより遅い…。

すると、田口さんが、
『俺のスニーカー使いや』と、履いてた靴を脱いで貸してくれて、皆も俺のBMX乗りーや、乗って下さいよー、と、バイクまで貸してくれる。

思ってたよりBMXって重いんやな、
とペダルを踏んで、なんか乗りにくいし、サドルが座る位置に無いのでシンドイな、と思いながら周りだす。

田口さんが『ブランコ漕ぐ感じや!』と、ダイチャンが『スピードを全部殺してるんですよ!』と。
??
何?どーゆう…
デイブが『ヤノさん凄い身体使えてるやろ!アレ!』確かに、ヤノさんが鬼の様に速い。身体がガチガチなんかな、俺…
リラックスする様に努めると、
漕いだスピードは死にきらなくなってきた様な…
コッシーが『BBを感じるんですよ!』

はっ?

あっ!

ペダルを水平にすれば、
BBを中心に1枚の板に乗ってるイメージに。コブを下りきる直前で、ブランコの様に、漕ぐ!

ぐいん、と加速して、次のコブを柔らかく拾って、また漕ぐとさらに加速。

あっ、この感じ…

スケボーのランプで漕ぐ、
あの感じと全く同じ!
昨日スケボーしといて良かった。

テースケさんが『目線、もっと前に!』
手前のコブのその先へ視線を投げると、
何故かさらに加速。

気が付くと、なんとか漕がずに一周回る事が出来る様になってきた。

と、同時に太ももがパンパン。
が、KINFOLKでやってみると、サドルが邪魔で全然加重出来ない。

なるほど、それでBMXはサドルこんなに低いのか!と分かる。

…こんな自転車の乗り方があるのか…

頭で分かってたつもりだったけど、
やらないと絶対分からん楽しさ。

そりゃそうか、と独りごちてると、

向こうで辻啓氏が、
『モッツさーん、下の方行きましょうよ!』と、カモーンと呼ぶので、
きゃっきゃっと着いていく。

下った先にジャンプ用の巨大なコブが並んでいて、
その横にあるやや小さなコブがリズム良く並んでいる直線コース。

辻啓氏、速い。
ヤノさんはもっと速い!

なんでや…進入の加速思いっきりしたら良えんやろか…?

レイアウトの1番奥から全力で漕いで、
いくで、
まず一個目!

えっ?全然コントロー…


次のコブの天辺では、
後輪が自分の後頭部を超え、
右前頭部はグシャっ、
とヘルメットのひしゃげる音と同じくして地面に叩きつけられていた。

鼻と瞼を少し切って、
軽いムチウチか…。

少し出来たらスグに調子に乗る
悪いクセが出た。

練習後、
オジサン大勢で
ちょっと小洒落たレストランへ。

恐れ多くもヤノさんのお隣に座り、
今更ながら緊張の面持ちでお話を伺う。

が、代表取締役とは思えない気さくな方で、面白い話を沢山聞かせてくれた。
話口や、その雰囲気にとても魅力があって、なるほど、人が着いていくワケだ。

そんな話を、翌日、
京都から友人のカフェを手伝いに大阪に来てるという、SKRKのオグさんに会いに行き、
昨日ね、と話し出す。

ヤノさんの話をしながら、
『RAPHAにはhumbleと言う社訓があって…』って話を思い出す。
それは、謙虚という意味の言葉だけど、偉ぶらない、レースなら主催をリスペクトするという考え方だと教えてくれた。


なんとゆうか、自分に足りないのは、
競技とか文化に対してそうゆう類いのモノを本当に忘れ易くて、
それが初心者ぽさを抜けられない理由なのかも…

と鈍痛を伴う首をさすりながら、
オグさんの淹れてくれたカプチーノに手を伸ばし、そのラテアートを刮目。

オグさん、コレは…

『タイトルは、「ルーキー」w』

偶然そこに居合わせた辻啓氏と三人で笑いながら、
自転車の奥深さは、
最終的には人との出会い無しでは、
その深淵には決して辿り着けないんやろう。

啜ったそのコーヒーは、
ルーキーとは思えない味わいだった。






























新年の挨拶

新年あけましておめでとうございます。

いつの間にやら、
すっかりピスト色も抜け、
今やCXばっかり、と言われて久しいこのBlogですが、

自分のルーツは変えようもなく、
やはりFIXEDは大好きなのでそのウチ固定のネタも出てくるでしょうし、
このままのタイトルで今年もよろしくお願いしたいとこです。

まぁ、
CXであってもママチャリであっても、
自転車文化に触れる喜びや、
驚き、楽しみは間違い無いモノで、

それを文章にして残したい一身で
なんとか続けてこれたこのBlog。

故に、このBlogを見て、
何か始めたいとか、
何か欲しくなったとか、
ムズムズしたとか、

なんしかリアクションを頂けた2014年は、ホントにBlog書いてて良かったな、
と思うのです。
むしろそれだけが糧かもしれません。

そんな中、このBlogで以前、
ピストカルチャーとは音楽でいうパンクロックではないか、
と提唱したワケですが、

もう少し説明すると、
それまでスタイルとしてのファッションしかなかった音楽業界に、
『流行』としてのファッションを見事に融合させたのがパンクミュージックだったそうで、

ピストカルチャーは、
実は自転車業界初のファッション主体の文化であったと思うし
(例をあげればカラフルなパーツ等)、
それは元ある自転車文化にファッションを落とし込むのとは、
雲泥の差であったのではないかと。

やがてピストムーブメントは去り、
CXやバンク競技を楽しむ事を選ぶ人も多数。
とは言え、競技となれば順位争い。

そこでSKRK然りCC.jp然り、
他もパッと思いつく人達は沢山ですが、

ファッションを愉しみながら、
競技にはガチで挑んでいるスタイル。

そんな人達が異種格闘技戦とも言えるシクロクロスに参戦して、
新しい文化を築きつつある事に、
2014年は確信を持ちました。

自転車を知らない人が見て、
単純にスタイリッシュ。
それは、
業界が『これがお洒落』ってモノをリリースし、それをただ迎合するのでなく、
自分らしく楽しんで自転車乗ってる
その環境やスタイルだと思います。

余談ですが、
そんな意味で
(オーダー受付は終了してるかも?)
この『Chan-Nuジャージ』のデザインには衝撃を受けました。

スタイリッシュにロードバイク乗りたい女子は絶対オーダーすべきだと思います。

さて、

下に紹介するKINFOLKの動画。
自転車が走ってるシーンは一秒も無いのですが、
何やら観てるだけでもワクワクしてくる、
新しいモノが生まれる熱が、
短いムービーに封じ込められてると感じました。是非ご覧ください。

Kinfolk Bicycles - frame builder Osamu Fukuda


そんなワケで、
今年もKINFOLK-CXチームと、
このBlogを、
宜しくお願いします。

























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