関西CX’13#6くろんど池戦『流血の山道』

 

急やけど、明日奈良にcx観にこん?


『いや、普通に遠いんで。』


今回からC4をABに分割したのでC3は統合。
要は応援も写真もお互いにできなくなってしまったので、
もしやと思いブナマに声をかけてみたが、あっさり断られた。

じゃあせめて、
夜に一杯やろうと。
どうか、少しでも順位上げて美味い酒になりますように…




−関西CX第6戦 くろんど池戦−

  

大きく別け、
池外周のジープロードと裏山の、
MTBで走る様なシングルトラックに二分された、
スピードが乗るわりにテクニックを要求される難しいコースだ。

後、くろんどは毎年クリスマス前って事で
仮装が多い事も特徴。
MCガラパもミニスカサンタに、
中には鹿の人も。

八木さんが
『…モッツさん、あれ、トナカイってゆーんですよ…』

まぁ…とにかく、

c3は出走90名。

特に幅の狭いこのコースでこの人数、
落車に巻き込まれない事も重要だ。

スタートラインは5列目、
4列目にヨッシャン、3列目にソウ君と、
同じジャージが並ぶのは悪くないな、
なんて思ってるとスタート。

まずは池の外周、

ジープロードの難所、
急斜面の登りヘアピンの餌食になる人多々。

思わず足を着く人を側して、
平坦な道へ降りると、
流石に皆飛ばしている。

トナカイさんと抜きつ抜かれつを繰り返し、
外周から裏山ステージへ。

助走が必要な小さく急勾配の坂。

登ってすぐ下る道は、
右脇はなだらかな下りで、
左は大きく落ち窪んでいるいやらしさ。


ココは担いでインから登るが、
乗って来た後続車の前輪にペダルを絡めてしまった。
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すいません、と
すぐ跨ると、

長い階段手前でソウ君が自転車を降りてる。
どうやら先の窪みの餌食になったらしい。

がんばれ、と弾む息で伝え、階段を駆け上がる。

また山の麓まで下り、もう1度森の中へ。
入り口の階段脇の登りを駆け上がると、また落車か。

よけた目の端にロルフプリマのホイール、
ヨッシャン⁈

後で聞いた話では、
そのヨッシャンが転けたトコへ前川君も突っ込んで大転倒とか…
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2周目、池外周に出ると八木さんの背中が見えた。
今日は負けないぞ!と後を追うと、
八木さん、先のヘアピンの餌食に…

やはり落車が多い。

裏山を抜け、3周目に入るアスファルト。ナイトーさんはもっと先か、
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猛然とクランクを回し、
やや右側のジープロードに入る刹那、

右脇から一台飛び込んできて、
肩が接触。


ゴッ


という鈍い音が脳に響いた。

気が付けば、路面に頭部を叩き付けられ、

砂利道を転がっていた。

・・・自転車は、
骨は大丈夫そうだ、
ヘルメットは、ダメか。

立ち上がり、
曲がったハンドルを戻してると
5台くらいのパックが横を駆け抜けて行った。

吹っ飛ばされた格好になったので
流石にムッとしたが、
自転車に跨ると

『まだいけるいけるー!いけいけー!』

路肩から知らない人達のゴツい声援。

好き勝手ゆーてるわ、

と独りごちながら
可笑しくなってアザーっす!
と叫んで走りだす。

黒い感情は瞬時に旋風をまいて散霧した。

まったく、抜くのも抜かれるのも
ヘタクソやな、俺は。

とにかく抜き返されたパックだけでも
抜きたい!

ざくざくに擦り剥けた赤い膝で、
走る。


何とか数台抜いて、
最後はジープロードでシマノのジャージ
に抜かれ、
そのまま抜かれっぱなしでゴール。

次々にゴールし、いつもの面子が揃うと

皆自分が1番派手に転けたと
自慢気に話しだす。

頭打ったり一回転したり、
脛が倍くらいに腫れてたり、
ジャージ破れたり
メットダメにしたり。

流血で顔色は悪いが、
気持ちよく笑いあう。
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が、

順位はますます悪い。

それでもなんとか残留キップ、
「銀のエンゼル」3枚目を無事ゲットできた。

kinfolkチームは、
怪我と今後の課題を土産に、
早々に引き上げる事になった。




夜、ブナマと酒を買いに行く。

開口一発、

『ソウ君、一周目から見なくなりましたけど、なんかあったんですか?』

え、…なんで…?
まさか会場おったん?

『パッと観てすぐ帰りましたわ、久々CXのレース観たらオモロイすねー、
おっと、ココは払わせて貰いますよ』

ありがとう、
ほな、ウチで鍋でも食おう。

アドレナリンが抜けて激しく痛む傷と、
CXらしいドタバタ劇を笑いながら、

俺達は二本目のワインを抜いていた。





関西CX第6戦 くろんど池戦

C3
モッツ  31位/74
ヨッシャン  49位/74
ソウ君 DNS/74


関西CX’13#5スチールの森戦『暖かい雪』

ロードレースの最高峰、
ツールドフランス。
その難所として知られる峠の麓で
採取されたハーブ配合のホットクリームを、

しっかりと脚に塗り込む。

きっと南丹は、寒い。

俺は、
モンヴァントゥの香りを纏いながら
湿る朝の扉を開けた。



ー関西CX第5戦 スチールの森戦ー



岩場を土で埋めた、
と言った方が近いだろうか。
とにかく、路面の芝や土の下にすぐゴロゴロと石がある。

パンクリスクに加え雪まで降って
泥はぬるぬる、芝はズルズルのスリッピーなコース。

しかし、やはり寒い。

が、ホットクリームを塗った脚だけやたら熱い。
なんなら脛毛剃ったとこ、チョット痛い。

間も無くC3A、
KINFOLKからはヨッシャンが走る。
前川君も同走だし、
ココは頑張って写真を撮りに走ると、
オグさんがコース脇に。

『実は初めてホットクリーム使ってみたんですが、
肘が燃える様に熱いんですよね…』

おおっ、奇遇ですね、俺も今、脚が。

とか、
どーでもいい話をしながらも彼は
前回3位。

飄々とした風体だが今回は昇格を狙って
くるだろう。
オグさんも俺と同じC3Bで出走。

他に、
シグナルCXで参戦するヤギさん、
同胞ながら永遠のライバル、ソウ君も同じ組と、

燃えるレース展開を期待する。


やがて、前川君が良い順位で帰ってくる。
ヨッシャンも14位と、
いよいよ調子を取り戻してきたようだ。

さて、
スタートラインに並ぶと、
先の三人はシード、
俺だけ最後尾スタートかと
軽くショゲてると、さらに後ろに気配。
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アラヤのジャージを纏う、
確か、テースケさんのお友達で、
C4からサクッと上がって来た人だ。

雰囲気が違う、この人に着いてって前に出ようと、
小賢しい事を考えたりした。


スタートして間も無く右脇に寄り、
予定通り着いて…あれ、着いていけん、

と思ってるウチに第3コーナーで
早々リタイアした車両に進路を防がれ、

文字通り最下位に。

せっせと踏んで前に出てる。
数台抜けた、
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その5台程先に同じジャージ、
ソウ君か!

あれ?、チョット落ちてる?
まぁとにかく、追いつけるならと、
またせっせと踏むが、

ちょうどコースの真ん中辺りに位置する
アスファルトのホームストレート手前、
最近関西CXで流行りの『グルグルゾーン』。

ココで上手く前に出れず、
彼がストレートに入った頃、
俺は落車に引っかかり、

ソウ君は加速、
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「リバースK」のジャージが遠ざかる。

シングルトラックを抜け、
アスファルトに入ると緩い登り。
なぜかココで数台抜けた。

でも皆、
ずいぶん先に行ってしまったな、
もう勝負どころじゃなくなった。

少しづつ、気持ちが落ちて行く。

難しいコーナーで、
紺色のジャージが脇を抜けて行った。

しまった、
とスグ追い掛け、抜き返すが、

焦りと落車の恐怖で、
ダサいライン取りをしてしまい、

また抜かされる。

何が「燃えるレース展開」だ、
と、こうべを垂れる瞬間、

『もっつさーん!いけー!』

と、誰かの怒号の様な(笑)応援が耳を打つ。

ハッとしてハンドルを握り直す。

こんなに応援に救われる競技って
他にあるだろうか。

タレかけた気持ちを持ち上げて、
追う。
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必ず抜きかえす。


その先、
乗り降りを選択出来る急勾配のシングルトラック、

ココは担ぐと決めていた。

紺色ジャージは乗って登りだす。
巧い、と感心しながらも
ハンドルを掴み、駆け登る。
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担ぎと乗り勝負、
俺は壁面の岩を蹴り、
飛び上がり気味にラインをいただく。

前に出た、
次はアスファルト、ここで一気に
差をつける。


途中順位が呼ばれた、
16位。もうゴールまで半周もない。

16位か…

順位を上げたくても、
前には、もう誰もいない。

脚を回してホームストレートに入ると、
ゴール5m前に1台いた。
流石にジェットエンジンでもなきゃ追いつけない距離だ。


それでも、全力で踏み込んだ。
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まだ脚が残ってる事が情けなくて、
その苛立ちをペダルに押し付けた。

ゴール。
なんてザマだ、と自戒する。

そういえば、オグさんは?!
路肩に目をやると、

彼は泣いていた。

3位?凄いじゃないですか、と漏らすと
ヤギさんが、
『違うで、悔しくて泣いてんねん』

ああ、そうか。

不甲斐ない自分の結果も忘れて
思わずもらい泣きしそうになる。

『走ってる時から、泣いてました』
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と言ってまた目元を覆う彼に、
皆が、ドッと笑う。

暖かい。

慰めでなく、
体育会系の叱咤激励でもない。

共感とゆうよりは、賞賛。
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俺はそう感じたし、

30過ぎてこの方、
純粋に悔しさに泣く事なんてあったろうか。


レースは楽しい。

だがそれは、

昨日の自分を超えようとした者にしか何も見せてはくれない
んじゃないか。
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自問してはまた、
壇上のオグさんに惜しみない拍手を送った。



(当日のC3の様子をテースケさんが見事な編集でupして下さいました
オグさんの生声も聴けますので、是非。)


関西CX第5戦 スチールの森戦

C3A
ヨッシャン 14位/25

C3B
ソウ君 10位/31
モッツ 16位/31


岸和田競輪場 -一瞬の躊躇-

元世界チャンプは
加速した瞬間、
路面にスリップマークを残した、
という話を聞いた事がある。

そこまではにわかに信じられないが、
実際、瞬発力のあるトラックレース
は迫力もあるし、
そんなトラックを走れる機会があるのは
嬉しいと思う。


岸和田バンク走行会に
久しぶりに参加した。

相変わらずのメンツに少し安心。
前田夫妻やギラチャクルーも毎回参加
されてるご様子。

バンクに入ればとにかく、
固定ギア独特の、
グイグイ進む感じと、
ピストの重ギアを感じさせないクルクル廻る感じが楽しい。

そう君と練習走行中、
背後から1台迫ってくる。

『もっつ!久しぶりやな!シクロで鍛えて満を時しての登場か?!笑』

いやいや、まぁ、そっすねー(笑)なんて、
競輪レースを仕切るフジタさんに話掛けられ、走りながら応える。


お前ら、
速くなったから競輪レースA組な。

と、練習後言い渡され、

そう君、俺ら完全に厄介払いされたな…、と笑ってるウチにフジタさんの
レース。

ピッカピカのオーダーカラビンカで来た
カワラヤ君も氏と同レース。

レースは、フジタさんのライバル、ナカムラさんと一騎打ちの展開で、
しかしフジタさん逃げきり優勝。

見事な大人のレース内容でしたね、
なんて笑いながら、

いよいよ、

A組。

そう君と発車台に並んで周りを見る。

…えっ、なんか体型違う人達に囲まれてるんですけど…

迷っても仕方ない、
レーススタート、
勉強させてもらいます!

そう君は俺のスグ後ろ、その後に1台。
先の3周は前の4台にとにかく着いていって、体力温存…

えーっと、全5周やからそろそろかな…
と思うや否や、
右耳にチェーンの廻る音、

そう君が上がってきた!

ヤバい、反応遅れた、
すぐケツに着こうとするが、
前の4台もとっくに反応してる。

そう君が詰まって進路を変えた。
ヤバい、チョット危険か?

ココでビビって思わず脚を、

一瞬止めた。

…バック踏んじまった!…

スプリント中に脚を止めるのはホンの
一瞬だろうと御法度。

だがもう遅い、一気にそう君が遠退く、
ダメだ、離されるか!

そう思った刹那ー、


『ギュオッ』


音が、景色となって伝わる。

そう君の前の集団が、
俺達を取り残して一瞬で小さくなる。

なんつー加速…

確かに、世界チャンピオンともなれば
スリップマークくらい着くのかも知れないなぁ…
と、容易く納得出来てしまった。


で、自分の順位はブービー。

クッソー、フジタさんめー!w

いやいや、これはこれで勉強になったし、ものすごい興奮だった。
是非またA組で走りたいと、

…少し…思う。

競輪レースは、
競技の性格上、一瞬で決まる。
かけ引きも当然、
そこから抜け道を探す動体視力、
判断力、そして、

いつそのヒキガネを引くか。
まさにマグナムを発射するかの様な
刹那の加速に魅せられる。

まぁ、

パチンコのゴムにも満たない
自分の脚じゃ、憧れ以上の何者でも
無いワケですが。


帰りは王将。

餃子の王将で餃子定食を食う。
なんてベタなんだ、

と反省しつつ、皆と熱い会話を
楽しむ。

CXやバンク、自転車が楽し過ぎる。
まだまだ楽しみが残されてる、
何か教えられた様な、
与えられてる様な、

そんな気持ちで乾杯した。



よみがえるBB

『触るほど、知るほどに好きになりますね、クリスキング。』

そう言って、
細かな砂利がシールの溝に噛み込んで、
シールの飛んだタマタマ丸見えのBBを
オーバーホールしてくれる高橋くんは、
ムーブメントのメカニックで、
現役のロードレーサー。

部品代と工賃を聞いて、
それなら新品のS社の
ええヤツ入れた方が安いのでは?
と思うトコだが、
高橋君は、治るならクリスキングの方が良いと言う。

同じ様に見えるBBでも、
シールドの構造が全く別物らしい。

ムーブメントが企業努力で
急遽用意してくれた
メタルシールの薄さにも、
彼は嬉しそうに驚いていた。

材質や製造精度も当然だろうが、
多分それだけじゃないんだろう。

グリスを落とした状態で回しても
軽く回る。

注油したらもっと廻りますよ、

と、
黙々と組み付けてくれる。

彼は随分と若いのだが、
やはりなんというか、
現役レーサーが言う『良い』ってのは、
それだけで信用出来るし、
静かな物腰で一つ一つ
丁寧に作業してくれるのも嬉しい。

組み上がったクランクを廻して
驚く。

以前より廻る。明らかに。

なのに、
シールの当たりが出るまで多少抵抗が
あるとか言うし、どんだけ廻んねん、
クリスキング…。

新品の2、3千円のBBではこうはいかないだろう。


モノグサな俺がノーメンテで3年乗って
シクロクロスでガリガリに使ったBBは
若い彼の手によって、
本来の回転を取り戻す。

正直、シールドベアリングなら
クリスキングでもヌメッとしか廻らんのやなー、確かに滑らかやけどー。

と、知った風に納得していた。

礼を言って店を後にし、
天王寺からの坂を下る。

廻る。

それは、
ベアリングの性能か、
組手の技術か、
巨匠が調整してくれた
カップアンドコーンの回転を思わせた。

DIYが大好きな自分だが、
機械の持つ能力を最大に発揮したい
なら、やはりプロに任せるべきだ。








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