バケツに洗剤を流し込み、
大量のお湯で泡だてる。
ある程度泥を落としたジャージ、
靴下等、洗濯物の山を
眠さに負けじとジャプジャプ洗う。
KINFOLKチームは諸事情で
野辺山まで日帰り弾丸ツアー、
初日のみの参加になったので流石に疲れてるが、
洗濯物だけは終わらせてから寝たいもんだ。
すすぎ終わったら、
洗濯機に放り込んで、
スイッチを入れ,
ようやく、ワインの栓を開けた。
未だに、シクロを走って
泥まみれになるのが醍醐味とは、
とても思えない。
−野辺山シクロクロス2013−
高所で広大な牧場を
惜しげなく使い切ったコースは悠然としていた。
試走だけでも作り手の楽しみが伝わるコースは、
腐葉土の黒い泥、ダートの茶色い泥が混在し、
そこに芝や木片、ツルツルのコンクリ、登りの舗装路等、
路面は次々に表情を変え、さらにフライオーバーと呼ばれる立体交差まで現れる。
それを巧みに繋ぎ合わせ、
まるでアスレチックの様に仕上がっていた。
試走後も時間に余裕があり、
複数の洗車場で泥を落とせる等、
とにかく会場の気配りと設営が素晴らしい。
ショップブースや物販、飲食店、
焼き芋まであったり、
野外フェスみたいな感じでワクワク出来る。
そんな会場、いい雰囲気の真ん中で、
シクロクロス。
レースだ。
C3Aは、間も無く出走。
何人くらいいるのか凄い人数だ。
発走グリッドはランダムで決められてる様で、ゼッケンを呼ばれて並ぶシステム。
俺はまあまあ後ろの真ん中。
振り返るとヨッシャンが後ろで、
サングラス越しに笑っていた。
気の無い笛を合図にレースは始まり、
大渋滞の中をボチボチ走り出す。
でも雰囲気にテンション上がって、
独りきゃいきゃいハシャギながら走る。
フードコートの中をコースが縦断しているコンクリのセクション、
観客は美味いモン飲み食いしながら真近でライダーを見れる上、
転倒多発ポイントなので盛り上がる。。
前の人が転んで、しめた!と思った俺も続いて転倒し、
まぁ、ギャラリーを沸かせる。
シングルトラックみたいな木漏れ日のダートを抜ければ、すぐフライオーバー。
だだだっ、と駆け上がり直ぐ飛び乗って一気に降ると直ぐ右折(笑)。
そこから中々抜きどころが無いが、
ウッドチップの散らばるポイントからボチボチ抜け出して、
登りの舗装路、ここは抜きどころ。
で、腐葉土に突っ込む。
一周目では
いつもの皆、多分アキラさん?の声援が
『モッツさん今22位!』
と教えてくれたポイント。
そこからこの最終回まで何台抜いて、
抜かれたっけ?
とにかくココは、途中まで乗って、
深くなったあたりで担ぐ方が速い。
ほっほっ、と走るとボコボコに凹む泥に足首ぐねりそう…
ここでRD折れ多発。
シングルで良かった、と思う唯一の場面かも。
なんとか、ここで詰まってた前車グループを全部パス。
ホップして軽く泥を落としつつ、
そこからはバギーコース。
バンクを使ってジェットコースターみたく駆け抜ける。
これが気持ち良い!
背後の雰囲気も少し遠ざかり、
前もみえないので孤独な感じに。
最後はシケイン飛んで、芝のスラローム、そして最後のストレート!
前も後ろも気配を感じないまま、
少しでもタイム上げる為だけにスパートをかけ、ゴール。
いつもと同じ30分なのに、もう終わり?
って思う程楽しかった!
一緒に走ったナイトーさんは、
なんと3位!表彰台!
前川君も7位!
全然背中見えへんかった…。
レースを終えても楽しみは続く。
ヨッシャンにカメラを任せ、
自分とヨッシャンの自転車を洗車中、
C3Bスタート。
ソウ君やオグさん、ヤギさんが走る。
なんとか最終回の応援に間に合ったか、
フライオーバーの前で待ってると、
オグさんが駆けてくる!
その後をすぐ、
木漏れ日をくぐってソウ君が!
おーっ!2人とも上位?!
しかも、今回ソウ君はシングル仕様にしてるのに!すげ〜!
隣の女子グループの声援より野太い声、
いや、エエ声で 『ソウ君〜、いけー!』
と叫ぶ。
結果、ソウ君なんと9位!オグさんは6位と、
関西CX勢の活躍に震える。
C2のレースもやっぱ熱い!
タベルナエスキーナの美味い飯を食って
名立たるショップのコーヒーを啜って、
温まりながら楽しみながら、
皆で観戦。
RAPHAはセールしてるし、
定番のお土産カウベルの完成度の高さに、思わず二つ購入と、
販売ブースはホンマ魅力的で
今更クリスキングのカップ買っとけば良かったとか、
財布の紐に鍵でも付けなきゃカード破産・・・
最後はC1の観戦。
ザック・マクドナルドや竹之内選手等、世界選手だけでなく、
名古屋のアイドル、オッチーさんやRAPHAのヒロ君、
よく知った面々が高速で走るこのレースは必見!
ちょっと疲れて帰りたいムードも吹っ飛ぶスピード、テクニック!
それを肩並べて見守る仲良しなKINFOLKチーム(笑)。
何より、シクロクロスは皆必死。
C1でも2でも3でも。
皆、結局自分と戦ってる。
結果なんて、その人の中での目安でしかなくて(プロ除く)、
楽しめるかどうかは自分次第。
順位関係なく自分の全部を搾り出して走りきったなら、
その夜は独り、自分にお疲れさん、頑張ったな、と
言ってやれる気がする。
でも、会場では独りじゃない。
毎週末顔を合わせる戦友、仲間。
この野辺山に関して言えば、
TKさん率いる群馬勢や、ネットでは絡みのあったポンチャックさん、
沢山の知人が出来た。
一時のピスト隆盛期を思わせるコミュニティー。
シクロクロスのムーブメントは、とにかくもう一波来そうだ。
帰りの車の中ではそんな事思う反面、馬鹿話で
眠気に負けじと、大阪まで車を走らせる。
夜22時過ぎ、大阪到着。
ヨッシャンを見送り、ソウ君と難波駅まで歩く。
疲れて眠いけど、缶ビールでいい、祝杯しようや。
駅前のコンビニで口に含んだそれは、
この世のものとは思えない、「美味い!」
と声をそろえる。
寝静まる家に戻り、
洗濯開始。
「シクロは大人の泥遊び!泥最高!」っつって、
泥だらけの笑顔を浮かべる写真を沢山見てきた。
そこそこレースは走ってきたけど、
未だにそうは思えない。
ただ、レースが終わってスグヨッシャンが撮った俺の顔。
なんだこれ。
泥だらけではにかんでやがる(笑)。
泥まみれが楽しいなんて認めないが、
これだけは間違いない。
自転車が好きなら、来年の野辺山には行くべきだ。
音楽好きが野外フェスに行く。
その何倍も密度は濃いし、残る。
だって走りさえすれば、観客じゃない、
誰でもその真ん中へ行けるのだから。
RAPHA野辺山シクロクロス戦
C3A
モッツ 8位/78
ヨッシャン 27位/78
C3B
ソウ君 9位/49