私は、その男の写真を三葉、見たことがある。
一葉は、その男の「美脚コンテスト」だろうか、
誇らしげな姿。
スネ毛は剃られている様だ。
第二葉は、
和気藹々とした名立たるカルチャーライダーの輪に巧く入っていけずに
水(粉モノ)を飲む姿。
そして最後の一葉は、
顔に無数のハンペンを貼り付けた哀れな姿。
この全てが、この時系列で、
たった1日の間に起こった事実を表しているという。
私はこれまで、こんな不思議な男の顔を見た事が、
やはり、いちども無かった。
●「第一の手記」
恥の多い1日を送ってしまいました。
朝も3時半、世間では早朝と言うより夜中と言うべきでしょうか。
自分達は目覚め、コーヒーを啜ります。
カルチャーな装いの「motz-fixedチーム」は、
熊取町から兵庫は三木市へ、
時間にして1時間40分の旅へ出かけます。
リュドラガールを出る頃には4時、
グリーンピア三木で行われるロードレースエンデューロの受付は
05時40分終了。
調度すぎて、多分間に合いません。
ここで間に合わないと、
いきなり人間ではなくなります。
「モッツさん、言わなくても飛ばせる様になったじゃないですか・・・」
と助手席のヨッシャンに煽られつつ、
なんとか10分前に会場到着。
起きて、コーヒー以外の何も口にしないまま、
一周9キロのコースを試走。
完全なるパニアグアで、
昇りと下りしかないコースを走ります。
いや、パンと水でも在ればガブついていたでしょう。
この日、自分は、
カッコイイラグドフレームのkinfolkをヨッシャンから借りていて、
いやはや、ロードバイクてのは速いもんですな、
と感激したものです。
ちなみにソウ君はシクロも走った相棒、ビアンキピスタを多段化。
このフレーム、実は130エンドと言う事実。
とはいえ、フロントはシングルで、
この勾配のあるコースはいかにも厳しそうであります。
自分達は、「100分チーム戦」にエントリー。
要は、
100分以内に9kmのコースを何周走れるか、
というレースですが、
独りで100分走る人の多い中、
自分達は3人で100分走るというチキンぶり。
でもイイのです、表彰台さえ狙えれば・・・。
チームでエントリーしてるのは、8組。
ほぼ3分の一の確立で表彰台です。
レースは始まりました。
朝の6時15分スタートとか、
自転車乗りは気が狂ってると思われても
仕方ない時間帯に、いったいなんなんでしょうか、
この台数は・・。
登って登って、
ひいひい言って、そこから長い下り。
スピードが乗ります。
当然、右コーナーもガンガンに攻めれます。
チーム「motz-fixed(仮)」は、
1人二周ノルマなのに、
下りで追いついても、
登りで簡単にプロトン(集団)に抜き返されます。
でも、こっちもロードのkinfolk、
ギアが掴めないままでも、
とにかく必死で走ります。
そのころ、ピットではこんな会話が。
チームによっては1周交代もあったようで、
彼氏「ただいまー」
彼女「じゃ、次私ね、サドル合わせて♪」
彼氏「はい、ヘルメット。」
とか、
自転車一台で交代でスニーカーで乗ったりと、
ゆる〜くバトンのチップを受け渡ししてる
のを見てたヨッシャンとソウ君。
「・・・モッツさん、絶対
『おらっ、バトン!全力は尽くした、後は任せたぜ!』
ってテンションで帰ってきますよね・・・」
「そん時は、ヨッシャンなだめといてくださいねw」
そしてやって来た、モッツ。
スネに巻きつけたバトンに手をかけ、「ソウ君!」
「早く!」
もちろん、
ソウ君は半笑いで受け取ります。
ヨッシャンから状況を伝えられ・・・
「えっ、そうなの?」
でも、色んな意味で順位落としたくないし、二人とも頑張って!
ソウ君は第2プロトンから抜け出してバトン!
アンカー、ヨッシャンがエアアタックで走る!
で、どうにか順位を守ってゴール。
「確か、岩屋で待ち合わせ9時10分すよ。」
ヨッシャンの言う待ち合わせは、
この後、淡路島一周するという話。
そのアワイチに参加してくれる皆との待ち合わせだ。
ここから淡路は岩屋まで一時間強。
表彰式出てたら微妙やナ、って言いながら、
・・・せっかくやしね(笑)。
で、この写真をヨッシャン、速攻インスタに。
「モッツさんおめでとうございます」
ってコメント付けやがったので、負けずにスグ「こらっ!」って
コメントしたら、
「余計なコメントは削除っすね・・・w」
って消しやがった(笑)。
おいー!
まぁ、でも・・・
勝ちは勝ち(笑)。
景品の粉モノをもらい、
一路淡路へ。
今回のアワイチは豪華メンバー。
大阪からはTKCのテースケさん、アキラさん、
京都からオグさん、ミウケンさん、
で、我々。
このメンツならしょーもないギャグも対応可、
で、ピリッとしつつもガッツリ勉強させてもらえる
ハイペースでポヤンとしたなライドになりそう。
が、
この時はまだ気が付いていませんでした。
淡路島に向けて車を走らせる、
自分が相当調子付いている事に・・・。