関西CX「堺グリーン広場2013」後編

レースは結果が全てだ。

そこに『たら、れば、』は存在しない。


誰に上手い言い訳をしたところで、

自分には嘘をつけないもんだ。

故に、運も実力も、技術も体力も、

その全てを使いきる。



今、そのステップを跳び越した二人は

そんな勝負の真っ只中にいる。


ぴったり並んで同時に跳び越す。


ヨッシャンめ、意地を見せる!


だがっ!


最後のステップを越え、

叩きつけ気味にサブローザを着地

させ、跳び乗る。


どうだ?、少し前に出たか、


クリートをキャッチしようとして、


『スカン』と力無くクランクが回る。


なっ、と足下を見て総毛立つ。


…なんでこんな時にチェーンが外れるんだっ!


膝から折れる気持ちになる。

もうとても無理か、

いや、すぐに直して走れ!


端から見れば0.5秒にも充たない葛藤、

その隙をヨッシャンは見逃さない。


チェーンをかけ、

ペダルを踏み込んだ時にはもう遅い。

彼は見えなくなっていた。


でも諦めない。


…後、半周はある。


砂場で一台抜く。

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最後のシケインが見え、その向こう、

砂のコーナーを担ぐ迷彩ジャージ。

P1210100.jpg

俺だって迷彩ジャージ、

迷彩勝負だ、ヨッシャン!!

P1210101.jpg

と思ったかどうか(笑)、


あとゴールまで数メートルを詰め寄る。


ヨッシャンももう9戦以上戦ってるだけに、

流石に粘る!



そして、ゴール。


結局、ヨッシャンと一秒差で、


負けた。



『悔しーっ!』


素直な気持ちを息絶え絶えに吐き出す。


同じかそれ以上に苦しそうに、

でも最高の笑顔のヨッシャン。

P1210105.jpg

まぁ下位争いとは言え、

男の意地を見せあった勝負に、

悔しいながらも清々しい気持ちになる。


とっくにゴールしてたオグサンは

6位と、やっぱり雲の上。

ヨッシャンの最高の笑顔の横で,

ダイオウグソクムシみたいになってるのが、俺…。

8398254144_c216bd4854.jpg


で、すぐにC3B。

ソウ君と、ヤギさんの対決が見れるかも?!と期待してたが、

ヤギさんのロケットスタートが決まり…?!(詳しくはコチラ)


方や、出遅れたソウ君。

P1210123.jpg

やや軽めのギア設定で鬼の走りを魅せる!が、

P1210129.jpg

結果、31位。

でもタイムは俺とヨッシャンより少し速いので、

一緒に走ってたら面白い勝負になってただろう。

しかし、様になってるなぁ・・。


C3Cでは、

オーシャンの洋くん

今年は東洋フレームの某スーパーマシンで出走!


コッシーの淹れてくれたラテを飲みながら

観戦してると、

8400912762_538b62afee.jpg

後半、タレて、41位。


ちょっと洋くん、最近乗ってる?!

と聞くと、

中々乗れずにいるとの事。

スタミナ不足著しいが、

キッチリ完走はさすが。

ストライダーで忙しい中でも、

やっぱ自転車乗り。そんな彼を見て、

正直嬉しい。


今回のレースは、

昨年『俺も来年走る!』

って言ってたミッチーさんがホンマにシングルで出走したり、

是石さんも二回目のシクロ挑戦でご一緒出来たりと、

一緒に走る仲間か増えてく事が嬉しかった。しかも二人とも完走!。



会場を去る時、

オグサンやナイトウさんに『じゃあ、また』と手を振ったけど、

今回を最後にしばらく出走出来ない俺は、なんか寂しくなった。


関西シクロ飲み会とかあれば

いいのに(笑)。


で、


帰りは風呂。


堺のローカル銭湯風温泉へ。

おお…、入れ墨なおじさんがいっぱい…(笑)。


そこから一路、大阪はフクミヤへ。

P1210144.jpg

乾杯して、

ソウ君。

『まぁでも、あそこでモッツさんが勝つのも面白くないですからね(笑)』


まぁ、そうかな…。


でもヨッシャンは目標のモッツ越えを達成してご満悦。


友人の目標達成は嬉しいが、

なんとも複雑な気分だ(笑)。


それにしても男四人で盛上がる、

悔しさも楽しさもひっくるめて、

この酒は旨い。

相変わらず最高の夜だ。



レースは結果が全て。


「たられば」はない。


でも、悔しいと思う人の心に

必ずソレはあって、


次のステージへと背中を押す。


その『たられば』を

証明出来るのも、

挑戦出来るのも、


自分以外には居ないのだから。





第9戦みなと堺グリーン広場戦

C3A
モッツ  28位/47
ヨッシャン 27位/47

C3B
ソウ君  31位/51


関西CX「堺グリーン広場2013」前編

 『もしも、
 
もしもやけど、俺がオグサンに勝ったら、
打ち上げはちょっとエエビールとか飲んでいい?』
 
『まぁ、そんな奇跡が起きたら、
僕がヒューガルデンおごりますよ(笑)』
 
『生、置いてる店でな(笑)』
 
出走までの時間、
男二人で車の中、寝転んで出番を待つ。
 
今回、俺とソウ君はAとBグループに別れ、
オグサンとヨッシャンは俺と同じAグループ。
 
オグサンは前回7位で今回はさらに上位を
狙うだろうし、
ヨッシャンはいよいよモッツ越えと息巻く。
 
 

―関西シクロ第9戦堺グリーン広場戦―

 
 
芝と硬い土に被われた、
フラットなコース。
途中、
砂場のコーナーや木の根が連続するシングルトラックもあるが、
基本的に平坦なスピードコース。

俺にとっては二年前、
初めてシクロを体験した、想いでのコースでもあり、
今年で三回目。
 
年々フラットになる印象で、
今年は蚊取り線香の様な、グルグル廻されるセクションもある。
 
今回は悩んで、ギア比を2.1に戻した。
踏み込みより直線で置いてかれる方が
辛いと判断したからだ。
 
が、試走して、
オグサンに置いてかれる。
 
やっぱ速い。
 

スタート前。

グリッドの誘導が特殊で、
気が付けば前から6列目あたり。
 
しくじった。
 
ヨッシャンは左斜め前、
三列目あたりと良い場所にグリッド。
 
オグサンは勿論、最前列でスタートだ。
 
10秒前、静寂が訪れ、
 
強い風が吹く。 
 

ピストルがなった。
 

一発目、直進後、緩いS字の砂場。
 
ハイスピードで真っ直ぐ抜けて次の根っこセクションへ!
 
しかし、
 
その砂場手前、突然の渋滞に引っ掛かる。
前で誰か転倒した様で、
 
先頭グループは勿論、
ヨッシャンも先へ行ってしまう。
 
くそっ、こんな所で!
 
さらに次の根っこセクションはシングルトラックで全く前に出られない。
 
ようやく蚊取り線香セクションに入った時には、
先頭はもうそのセクションを脱出していた。

 
…絶望的だ…。
 
…なんでこうなった?

 
イメージと違い過ぎた展開に困惑しながら、蚊取り線香を廻る。
 
呆然と踏んでしまった、
その隙に二台イカれた。
 
とにかく、踏むしかない。
 
蚊取り線香の後は幅広の緩い上り直線が続き、
端の松林セクションまで一気に行く。

いったい今、どこまで順位は落ちたんだろう。
 
丁度、そこで順位を読む声が聞こえた。
 
『33…34…』
 
えっ?!34位??
 
 
冗談じゃない、
こんなんじゃ酒も不味くなる!
 
とりあえず前の数台を抜きにかかる。
P1210069.jpg
しかし、モチベーションが上がらない。
むしろ、ヨッシャンに負けた言い訳を考え初めていた。
 
二周目、ヨッシャンはもう見えない。
 
息が上がる。
 
抜いたゼッケンに、
砂場のクリートキャッチをミスして
抜き返される。
P1210079.jpg
心は折れてない、
でもガッツの無い走り。
 
後2周。
 
その時、沿道のソウ君とブナマが叫ぶ。
 
『ヨッシャンとの間隔あと30秒!』
『まだ行けますよー!』
 
…30秒ってどんくらいだ…?
 
酸欠の頭で思う。
 
『ヨッシャンを抜いてー!』
女子の声援。
 
ヨッシャンとなんかあったんかい(笑)、
と脳内でツッコミ入れつつ、
 
その声が30秒は不可能な距離ではないと
俺に伝えた。
 
まってろヨッシャン、
ガッデムって言わせてやるぜ!
P1210077.jpg
三周目を回る。
ソウ君が距離15秒を叫んだ。
 
…行ける、
あと1周。
 
最後の蚊取り線香セクション、
折り返し地点でようやくPOLERの
迷彩ジャージ、P1210094.jpg 
ヨッシャンを肉眼でついに捉える。
 
俺の知ってるヨッシャンなら、
ぼちぼちタレる、
渦巻きを抜けた直線で…、
 
と前を見ると、遥か先を走るヨッシャン。
 
以前とは違う。
 
ギアを上げて逃げるヨッシャン、
P1210081.jpg 
俺も脚の回転を上げる。

松林を抜け、
少しずつ近づく背中。
P1210071.jpg
ついに、彼の後輪に張り付く。
 

射程圏内だ。
 
 
コーナーで詰めるが、
絶妙にブロックしてきて抜けない。
 
上手くなったし、
速くなったなぁ。
 
いやもう、いい加減上から言ってる
場合じゃない。
 
何より、最終回でこの走りは、
タレてない、しっかり踏んでる速度だ。

認めざるを得ない。
 

テールトゥノーズでつづら折りを曲がり、
 
その後の直線。
そこにステップ(小さいシケイン)が並んでいる。
P1210098.jpg 
 
…流石にもうバテてきた。
そろそろ勝負をかけるか。
 

次のステップで抜いて、
心を折ってぶっちぎる!
 


悪いな、
 
サヨナラだ、ヨッシャン!
 
 
コーナーを抜け、一気に加速する。
 
 
すると負けずに彼も加速して並ぶ。
 

…この苦しい状況で、根性見せるやないか…
 
だが負けてやらん!
 
 
残り半周、
勝負の明暗を分けたステップを、
 
二人は同時に飛んだ。



続く


ホイール組み

P1210017.jpg
H PLUS SON AT-25 ARCHETYPE


「ホイール組んでもらっていい?」

と、N!YBg代表のヨッシャンに電話。

パーツはもう決めていて、
後はニップルをどうするか、って事くらい。

リムはH PLUS中、最軽量のARCHETYPE(450g)、
ハブはSMALL FLANGETRACKHUB。

両方、OKBさんがらみの素晴らしいプロダクト。
特にリムのHAIRLINE HARDanodizedは、
相当好みで、ゾクゾクする。
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そこに、ちょいとお高めの軽量スポーク、
DT REVOLUTION 2.0mm/Blackを使う事に。

「パーツはスポークまで決まってんですね(笑)。
軽量化狙いですか?なら・・・」

と、ヨッシャンは続ける。

「フロントとリアで組み方を変えてフロントは更に軽量化
させましょうか。リアは剛性残す方向で」

と、

俺は考えもしなかった「提案」をしてくれる。

正直、
自転車に3年もハマれば整備の殆どは自分でやっちゃって、
人によっては振れ取り台まで買ってホイール組もしちゃうって
話もよく聞く。

マチガイなくそれは楽しいんだろうけど、

やっぱ、自転車屋。

以前、オーシャンの洋君に頼んだ時もそうだし、
今回のヨッシャンにしても、


必ずプラスアルファが有る。


こうして出来上がったホイールで、
次のレースへ挑む。
P1210005.jpg
で、

そのレースのライバルが、
ヨッシャンや洋君だったりするワケで(笑)。


パーツは今日日、どうにでも安く買えるだろうし、
自分でヤるのも面白いし誰に気を使わなくて済む。

でも、自転車ってのは強力なコミュニケーションツール。

ある程度理解したのなら尚の事、
自転車屋さんに相談してみてはどうでしょうか。


自転車とスニーカー16

P1200782.jpg
Nike SB Dunk Low Pro

言わずと知れたDunk SBです。
恐らく国内では販売の無かったカラーだと思うのですが、
何となくティファニーを彷彿とさせるカラーと好みの配色で、
つい買ってしまいました。

が、

流石NIKE。

当時のDUNKLOWからちゃんと進化してます。

クッショニング全体も良くなった気がしますが、
ヒールにパットが入ってる!
P1200785.jpg
これでグンとフィット感が良くなりました。

材質も良くなったのか、クルーザーで軽くオーリーするくらいなら
全然耐えてくれる感じです。
P1200787.jpg
やはり大手は違う、といったとこでしょうか。

ところで、
自転車で、それもピストとなるとどうか、って話ですが、

やや幅広でちょっと使いにくく、
カップソールの割にはちょっと軟らか過ぎる気もして、
あまりクリップタイプのペダルには向かないような。

まぁ、ストラップにプラペダルなら当然問題無いでしょうが、
個人的にはクルーザーデッキ用って感じで、

なんだかんだ言っても、最近の一番のお気に入りです。

関西CX「北神戸戦2013」後編

その頃、

ソウ君は泥詰りに悩まされていた。
P1200867.jpg
そもそも、
ピストフレームで泥のコースに挑むのは少々無謀で、
フレームとタイヤのクリアランスの狭さが致命的に
泥を詰まらせる。
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彼は、そこにキャリパーブレーキ。

完全に前タイヤがロックしてしまったらしい。

棒でほじって泥を取ると、
そこから「どんぐり」が転げ落ちる。

なんとゆう過酷(笑)。


シンヤ君はと言うと、
同じシングルでもそこはKINFOLKのCXフレーム。
P1200905.jpg
だが泥詰りはマシでも、
彼はピストのプラペダル&ストラップ仕様。

バルカナイズドのスニーカーじゃ、
そりゃ粘土質の坂は滑りまくりでまともに歩けない。
P1200900.jpg
もう、過酷、てよりドタバタ劇だ。

でも、それが楽しい。

あえて他人より過酷な状況で走りきる事も、
一つの楽しみ方なのかもしれない。



2周目、最後の担ぎポイントのドロ坂を登りきったあたり。
残り1周だが、とても体力が持ちそうにないと思っていた。

3周目に入り、
順位が落ちきってないと気が付くと同時に、
ここまで殆どコケてない事にも気がついた。

なるほど、遅くてもノーミスで走るて事が一番大事なのかも
知れない、

と思った瞬間、なんて事はないコーナーで、コケる。
焦って、上手く乗れずに順位を落とす。

何やってんだ、と自分に嫌悪するも、
リズムを崩し始め、駐車場外周のアップダウン。

登り途中でうっかり足を着くと、
サブローザごとヌルヌルと下がりはじめる。
もがくほど滑り、つま先を滑らせ膝を付き、
それでも下がって行く。

「焦るな!落ち着いて!」

声援にハッとして、
一度降車してユックリ、落ち着いて足場を固めて登る。

直線から減速コーナーに入ると、
前二台に追いついたが、もう抜く気力が無い。

むしろ、今は完走さえ危うい程、疲弊してる。

最後の激坂に入る。

途中から押して上がると同時に、中継でカウント。

『23・・・え?!君シングルか、すごいな』

とカウントし様に言われる。

だが最近気がついた事。たぶん、
C3の真ん中位ではシングルは不利って事は無い。
むしろ、時に有利に働くシーンもあると思ってるし、
そこら辺もシクロの面白さなんでは、と思ってる。


まぁ、でも、ここは素直に喜んでおく(笑)。

とはいえ、
後1キロ、あるかなしか、

テースケさんの声援が聞こえる。
『前二人タレてる、最後抜いて行こう!』

毎回ホントに的確なアドバイスをくれるテースケさん。

しかし、すんません、俺、今、
もっとタレてます・・・。

担ぎのドロ坂も、歩く程の速度になる。

背後から息遣いを感じる。


まずい、が、足が進まない。

・・・何が「気持ちだけでも前に出るって事くらいかな」だ。
俺が気持ち折れてどうすんねん・・・

自ら吐いた言霊に呪われる。
P1200895.jpg
坂を登りきる。

泥を払い、飛び乗る。

もう、前には誰も居なかった。

どっちにしろ、スパートはもう無理。

ーとにかく、ゴールへ。ー

なんともみっともない結果。

抜かれまくって、その上この根性の無さ。

そこへ、神戸の皆が集まっていた。
シュウ君やBOBも観に来て応援してくれてたみたい。

次に走るヤギさんが「最後の方は観れなかったけど、お疲れ様」
と労ってくれた。
そんな、ご自身のレースが今からだってのに・・・。
ありがたい。

どうりで声援が大きかったワケだ。
自分的には情けなくても、
頑張って良かった、と思えた。

しばらくして、ソウ君とシンヤ君が26、27位と連番でゴール。
P1200909.jpg
ソウ君もどんぐり詰めながら良く走りきったと思うし、
あの装備で初参加でのシンヤ君のポテンシャルは、
計り知れない。

そういえば、
先にゴールしてたオグさんは最後マシントラブルに
見舞われながらも20位と大健闘。流石です。


マシンを見ると、
もう、ブレーキ周りから草とか生えてるし(笑)、
チェーンリングの裏までゴッテリと泥。

「これ引きズリながら走ってたのか」とソウ君と二人、
苦笑しながら、シングルがどうって言うより、
ピストフレームがやっぱシンドいんかもな、なんて笑う。

落とせるだけ泥を落として、
観戦に行かなきゃ。

ヤギさんは18位と前回より順位を落とすも、
シーズン始めから考えれば破竹の勢い。

ヨッシャンも20位と、個人記録では最高位に。
P1200977.jpg
方や、俺は・・・と、
情けないような、でも、いよいよ皆、実力を発揮してきたなぁ、
とワクワクする様な、妙な気分。


コッシーが、綺麗なアートを書いたラテを淹れてくれる。

このタイミングで、
あったかい飲み物がこんなに旨いとは。

皆集まってきて、今日のレースを振り返り、
ストーブを囲んで、雑談。


なんか、この感じが、
昔、ピスト乗り出した頃、
夜な夜な、たまり場に行ってたあの感じに似てる。

ガチでやってるレースの中に、
こんな空気感が持ち込めるのも、シクロならでは、なのかな?

と思う。


とはいえ、

走り出したら、当然ミンナ、ガチ。

だからこそ、最高の時間を過ごせた、と
いつも思う。



第7戦北神戸田園スポーツ公園戦

C3A
モッツ  23位/36
ソウ君  26位/36
シンヤ君 27位/36 

C3C
ヨッシャン 20位/29

関西CX「北神戸戦2013」前編

口に飛び込む泥を吐き出しながら、
鼻水か唾液か解らない、
ベトベトの口元を袖で拭う。

ー 苦しい。ー

もう、とにかく早く終わってくれ。と、
俺はいつの間にか、勝負を投げていたのかもしれない。



―関西CX 第7戦北神戸田園スポーツ公園戦―



パッと見、
平地と斜面が半々の、
特に特徴の無いコースに思えるが、

早朝の路面は霜が降り、
日差しと共に溶け出して、粘土質で重い、
極上で極悪な泥となって、

斜面では氷の様に滑り、
平地ではネットリと絡みつく、

まさに、『泥』のコース。


寝坊組の俺とソウ君は大阪から会場に向い、
着いた頃にはちょうどC2のテースケさんが走って
いる。

応援しながら
先に着いてるヨッシャンとシンヤ君を探すと、
向こうから見つけてくれた。

呼ぶ声に振り返ると、

ヤギさんやナイトウさんもいるし、
なんとENJOY・BMXのコッシーが、
コーヒーを豆から淹れてくれてる。

シクロの顔ぶれもずいぶん馴染んできて、
こうゆう時間もシクロの楽しみだと、
コッシーの美味いコーヒーを飲みながら思う。

キッズカテゴリーの前に試走に。

ここで、
最初走れた激坂に急に登れなくなる。

時間が経つにつれ、路面がヌルヌルになっている事と、
その坂の前に深い溝があるのだが、
そこがずいぶん掘れてしまったようだ。

攻略する為にその坂を登り降りしてるウチに、
気が付けば汗だくで息が上がる。

今回はC3A、レースまで後、小一時間。

しまった、と思った。



軽くサブローザの泥を落とし、
出走の用意をして、
車で15分程の休憩。


今回、3Aには、ソウ君、シンヤ君も一緒に走る。
3人ともシングル。三つ巴の戦いになれば面白いなぁ、

と思いながらグリッドへ。

今回初参加のシンヤ君に先輩風を吹かす。

「まぁアドバイスと言えば・・・、
気持ちだけでも前に出るって事くらいかな」

なんて、なんとも抽象的だが、
最初は皆恐縮して、前に出ようと中々思えないもんだし。


最前列には、オグさんも居る。
なんとか着いて行きたい。

とにかく、気持ちを落ち着け、
息を整えた。

スタートからしばらくは緩いカーブの平坦な舗装路。
ここは軽回しの鬼コギでいくか。

ガラパ様のMCでカウント、

程なく、スタート。
P1200841.jpg

左足のクリートを上手く拾えたので、
そのまま一気に回すが、
P1200842.jpg
先頭はそこから一段、加速した。

追いつくのは流石に、と思うや否や、
グラベルに入った途端、先頭パックとの
距離が詰まる。

いきなりの泥斜面を折り返し、
そのセクションを抜ければ下り坂、
そこにギャラリーも集まる。

いいペースだと思ったが、
もう既に苦しい。
P1200844.jpg
ギャラリー通過時、
「おおっ!モッツさん速えぇ!」「今10位くらいですよ!」

と、まさかの声援。

10位?!いや、でもこのシンドさじゃスグやられる・・・


溝を飛び越え、
駐車場の外周を走る、直線。

平坦だが濡れた芝と泥が混じり、
ペダルは重い。

そこで少しずつ抜かされ始める。

前輪が巻き上げる、
視界を塞ぐ様に飛びついてきた泥を指で
払い落とす。

その先にある短い激斜面は担ぎのポイント。

そこでオグさんを声援する声が聞こえる。

そう、すぐ後ろはオグさん?!

思うや否や、抜かされる。

ドロドロでふにゃふにゃの斜面をアップダウン、
P1200848.jpg
なんとか、あの尻に食らいつけ!

直線からのつづら折り、

オグさんのライン取りが巧い。
俺はグリップの悪い轍に入ってしまい、
差は広がっていく。

そして迎える激坂、
今日一番の見せ場だ。
P1200852.jpg
そして、試走で登れないまま挑んだ坂。

ペダリングして上がれるトコまで登り、
担ぐ。

駆け上がり、土手の頂上からグチャグチャになった
急坂を、リアブレーキをガンガンに引いて下り切り、
すぐ担いでUターンして登る。

繰り返して、小さなシケインを越え、溝を跨いで
最後の上り坂。
P1200858.jpg
シケインも当然、そこからの路面がふにゃふにゃすぎて
担いで走っても足が滑る。

そして、やっと一周。

BB上やブレーキ周りには既に泥ダルマが出来上がって来てる。

どうやら、今15位らしい。


息が上がる。

中途半端な順位がプレッシャーとなり肺を詰まらせる。

後、何周だ。

オグさんの背中がずいぶん先に見えた気がした。

苦しさに霞む戦意をごまかす様に、

俺はまたペダルを踏み込んだ。




続く













自転車ファッションを考える26

自転車用の靴下、

と言えば、
サイクル用品店に行けばそれなりに
取り扱ってますし、

当然、速乾吸収やクッション、ホールド感等、
機能的なに優秀なモノが多いです。

が、

やっぱ、ゴールドウ○ンとかパールイ○ミ製の
ガチ感満載の靴下ってレースやトレーニングなら良いのですが、

デートだったり、
皆で美味いもん食いに行くライドとかでは
もう少し洒落たいもんです。

で、

どんな靴下がチャリに適してるか、って言うと、

レーパン及びハーフパンツで走る事が多ければ、
膝下まであるヤツはバランス悪いので、

アンクルソックスとかになりますか。

しかしあれは、ペダル踏んでると意外とズレて
靴の中に入り込んできます。
元々スポーツ向けではないですので。

そこで、
ちょうど踝の上にかぶさるくらいの中途半端な長さが
ズレずに見た目にも丁度良い感じです。

んで、

ここ数年自分がちょっとロングライドやレース用にも
使ってるのが、
NORTH FACEのアンクレットソックス。


消臭・抗菌加工、吸汗速乾、高フィット性、等、
多機能なのは勿論、
ファッション的に見てもカラーバリエーションも豊富で
なんともオシャレ。

俺の足ではありますが、
踝の長さも丁度良いです。
やっぱ、ガチのチャリ用品ブランドとは
違うな〜、

と感心してタグを見ると、


NORTH FACEのライセンス品は、
実はゴール○ウィンが作ってる、

ってオチ・・・。

まぁ、
これでモノとしては益々マチガイなくなった、

って事で(笑)。




新年のご挨拶。

2012年を振り返ると、

なんだか大きく自転車の乗り方や接し方が
変わったなぁ、という印象です。

バンクやシクロのレースで、
勝つ事にムキになってみたり、

グループでロングライドするにしても、
自分なりの目標を持って走るようになったと思います。


「ストリートピストカルチャー」ってのは、
元あった自転車のカタチや目的を大きく変える文化で、
ある意味サラ地からのスタートだったのに対し、

いざレースやバンクや、って、正しいカタチで使うとなると、
元々ある「自転車文化」って完成された奥深い世界を
覗かせてもらう感じになって、

逆に目からウロコと言うか、
もう自分の無知っぷりが恥ずかしくなる事ばかり。


かと言って、

自分という人間が競技寄りな考え方に変わるわけでなく、
今後も相変わらず自分のスタンスでやってこうと思ってます(笑)。


ピスト乗り出して結構経ちますが、
まぁ、自転車との接し方、距離感は人それぞれだと
思い知らされて、

それがまた面白いと感じたりして。

その中で、大体同じ感覚の、
いわゆる同じ様な水域に居る人達とは急に解り合えたりして
さらに面白い。



乗り方は変わって、
知識も増え、
どれほど自転車にハマったとしても、
自分が思う本当の面白さは、

人との繋がり。

来る者拒まず去る者追わず、

それでも今ココに、
留まってくれる人達との時間。

今年は、
その「今」を切り取って、
このBLOGに集める事が出来ればいいなぁ、
と思うのですが。


まぁ、
2012年はホンマにダラダラとナルシズム溢れる
文章にお付き合い頂き、感謝と恐縮の思いでイッパイです。

そこで、
2013年は、性懲りもなくおんなじ感じで書いて行きたい
と思ってます(笑)。


最後になりましたが、
もう3年ちょい続いてるこんなBLOGを読んでくださってる
読者様、

あなたのおかげで3年も続いとるんですよ!

本当にありがとうございます。

そんなワケで、

どうぞ、
今年も宜しくお願い申し上げます。



もっつ

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