関西CX「丹波自然公園戦2012」後編

シクロクロスを走る自転車は、
タイヤの空気圧が驚く程低い。

大体、2気圧〜1.5気圧。

普段11気圧とか入れちゃうロード乗りには
にわかに信じられない数値だが、

こうする事で、悪路でのグリップが上がるが、
当然、パンクのリスクも上がる。

故に、「パンクさせない様に走る」ってのは
シクロクロスの基本テクニックなのかもしれない。


とにかく、浮き足立った気分でゴツゴツしたグラベルに
進入した俺は、
一瞬で前輪をパンクさせてしまった。

まだ抜かれてない、
まだ上位だ、

そんな気持ちがそれでもペダルを踏ませる。

このまま行けるかもしれない、
まさかのミラクルが起こるかも知れない、

とにかく止まったら、終わり。


しかし「まさか」なんてあるはずも無く、
リムからチューブが飛び出してフォークを叩き始める。

それでも踏む。

やがて飛び出してズタズタになったチューブが前輪を絡め取り、
サブローザは止まってしまった。


路肩によって、後続車を見送ったあと、
係員の人に『どうされますか?』と聞かれ、

リタイア以外に選択肢があるとなれば。

『じゃぁ、このままコースを進んで下さい。』

動かなくなったサブローザを肩に担ぎ、
階段を越え、泥の斜面を下り、
坂を登る。

後発のCMとCLの邪魔にならない様に、
極力路肩に降りながら、
テッテ、テッテと小走りに進む。
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一周してきたC3の人達が追い抜き様に
通ります!と声をかけて横切っていく。
その中に「頑張れ!」って言葉も混じってて、嬉しい。

とにかく、一周しよう。

そこでどうせコースアウトさせられるだろう。

ホームストレート手前、ギャラリーの前を通過すると、
MCのお姉さん(ガラパ様)に
「おーっと、これは・・・大変な事になってますね、頑張って下さい」

と紹介され、
続けてギャラリーの人達に
頑張れ、ナイスファイト!と励まされ、

やっとフィニッシュ、最後の坂を登りきり、
係員の目を見ると

「・・・はい、88番」

え?!

なんか普通にゼッケン読まれたんですけど・・・。

周りの係員を見ても、コースアウトさせる気配なし。

ええっ、どうしよう・・。とりあえず歩くか。

しばらく歩くと、パンクしたあたりにいた係員の
おじさんが、
「おおっ、一周してきたんか!やるなー、頑張れ!」

ええっ、そっすね、はい・・・。

くそう、こうなったらもう完走するまで行くしかない。


後半、流石に膝が痛い。
チャリの前輪が転がらないので担ぐしかなくて肩が痛い。

だからって、
ノロノロ歩いてちゃコースアウトさせられる可能性もある。

せめて、絶対完走だ。

オグさんやソウ君が、
最終回でも俺に声をかけてくれる。
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自分達の方がシンドいだろうに。

胸が熱い。


ようやく、ギャラリー前に帰ってきた。

もう少し。

最後の登りに入ると、
周りの人達が、
「ナイスラン!」「もう少し!」
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こんな風に言われたら、
走らないワケにはいかないじゃないか。

どうせ完走しても悔しさしか残らないのに。

なんの為に。


もう、ビールのタメでしかないんだ(笑)。


帰りの打ち上げを思い、
楽して終わる選択を捨てる。



ゴールして、なんだかなぁ、

と思ってると、テイスケさんが一言。

「まぁ、これもシクロクロスだから」

と声をかけてくれて、少し納得出来た。

まぁ、とにかく完走。おかげで晴れてゲベ、だ。


その後、C3Bでは、

ヤギさんが相当速く、
最後に脱輪しながらも29位。
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ヨッシャンは出しきれず、35位と、
本人からすれば不本意な結果に。
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二人のデッドヒートが見たかった・・・。


ソウ君と二人、
リザルトを見に行く。

ソウ君25位の結果を知り、
すげーなぁ、と関心してると、

「モッツさんを見て、絶対に完走しなきゃ、と思って。」

とポツリと嬉しい事を言ってくれる。

なら俺も完走したかいあったし、
何よりキャリパーブレーキのビアンキピスタで
丹波を走るのは尋常じゃない怖さだったろう。
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それで3戦目で25位とか、恐ろしい。
本当に凄いと思う。



帰りの車の中では、
皆(俺とヨッシャン)で言い訳と負け惜しみの嵐。

と言っても、
この年になれば、言うのも聞くのも苦痛じゃない。
度が過ぎれば皆一瞬で黙るし(笑)。

そのまま温泉に浸かって、

一路、大阪へ。


正直、悔しい。

でも、真っ直ぐに悔しいと思える事がある。

それはそれで有難い事なんじゃないか。


こんな結果でも、
三人で迎える乾杯は美味い。

こうして、
俺はまた自転車の深みにハマってしまうんだろう。





第5戦丹波自然公園戦

C3A
モッツ  44位/44
ソウ君  25位/44

C3B
ヨッシャン 35位/44









関西CX「丹波自然公園戦2012」前編

15分遅れて起床、

飛び起きてスネゲを剃り落とし、
朝飯も食わず玄関を出れば、

同じく朝食を抜いたソウ君が待っていた。


梅田でヨッシャンを拾う。

乗り込みざまに、
お得用スニッカーズをダッシュボードに
どかっと置き、

一言。

「足りなかったのは、オヤツっすね?」

...いや、どっちかゆうと朝飯が足りんかな…。

フワッとしたやり取りの後、
コンビニを経て高速道路を走り出し、

京都の奥地へハンドルを向けた。



―関西CX 第5戦丹波自然公園―



関西シクロでも有数の激坂を内包した
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アップダウン中心のコースで、
平地が殆ど無く、
登り、下り、旋回する、
まるでジェットコースターの様。

恐らく最高速度はマキノ戦より出ると思われるが、
路面はグラベル、未舗装の砂利、山道。

ブレーキは効かず、気を抜けば
吹っ飛びそうなスリルが付き纏う。


C2レース中に到着したが、コースがデカすぎて、
同レースに出場中のテースケさん(TKC)を見つける事も
出来ないまま、とりあえず試走に。

とにかく、山道。

先日の雨で緩んだ泥状の路面がいかにもシクロぽくて
楽しい。

途中、
コンクリの縁石やグレーチングが横切り、
パンクを警戒しつつ、
山をぐんぐん登る。

登りきれば当然下る。

ブレーキをいっぱいに握っても
路面状況を見落とす程の振動とスピード。

その直後、複合コーナーがあるがこれが曲者で、
後半は土から一瞬でアスファルトに変わる。

試走二週目、
ブレーキングポイントをギリギリまでずらした俺は、
このコーナーで吹っ飛ぶ事になる。

新品のウォームパンツとグローブに無数の穴が開いて
しまった。

他の登りは、
最後の激坂を除いて全て普通に登る事が出来た。

ギア比を1.95に下げてきたのは正解だった。

しかし、スタートラインへ向かう超高速コーナー辺りでは、
まったく踏みごたえは無いが・・・。
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2,3周も試走すれば、十分運動した感じになる。

会場には、先のテースケさん始め、
ヤギさん、オグさん、

知った顔も多く、情報交換したり世間話したり。

ここに炭火と金網があれば、
直ぐにでもバーベキュー始められるレベルの
知人友人の数。


俺にとってシクロは
レジャーに来てるのと同義かもしれないが、

それでも勝敗がある以上、

誰もが真剣。

「まったり自己満」では終わらない、
そこがレジャーとの線引きかも知れない。


スタートラインに並ぶ。
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余裕を装って、躍けてカメラにポースをつける。

内心は、過去にない程緊張していた。

試走で既に怪我をしたにも関わらず、
ハーフパンツ、指切りグローブを装備。

試走中、ソウ君が呟いた。

『この位が、シングルには有利かもしれませんね。』

  言い得て妙だ。

登りで勝てれば、
下りの速度はほぼ変わらない。

もしかしたら。

その期待感がより緊張感を高め、
最高潮で、


ピストルが鳴る。

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スタート直後の登りはかなりキツく、
ダンシングしてる連中が多い。


後方から肩をぶつけて抜きに来る。

だが、

俺はシッティングのまま、
さらに速度を上げ、抜かせない。



舗装路からグラベルに変わる瞬間、
前走者を数える。

・・・ひー、ふー、みー・・・

前に8台、

って事は今9位。

にわかに浮き足立つ。

もしかしたら、
イケるんじゃないのか。


激しい振動の中、
夢を見るが、その後、一瞬で目を覚ますことになる。

振動がおかしい。

まさか、


ここでパンク?!




続く





STRONG LIGHT

ほぼ坂しか無いという、丹波。

関西シクロの中でも一位二位を争う激坂を持つ
コースらしく、

ここはやはりギア比を変えるべきかと。

厚歯ではPCD130で40t以下のチェーンリングを見つけるのは難しく、
ここは薄歯、ロードのインナー用を。

しかし、今40tを下ると、ついにギア比は2.0以下、
クランク一回転で車輪は2回転しない計算に。

確かに登りは速くなるかもしれないけど、
下りで加速するのは難しいかも知れないし、

何より平地では踏んでも踏んでも進まない仕様になるかも。

散々悩んで結局、禁断の果実に手をだしてしまった。
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STRONG LIGHT39t

コレを装備すればギア比1.95、
凶と出るか吉とでるか・・・。

ついでにチェーンもNJS認定品の、自分が愛して止まない、
Vertex track racer chain NJS。

安い、硬い、カッコイイの三拍子揃ったチェーン。

安いチェーンより重量は増えるものの、
ガッチリした踏みごたえでよりトルクがかかる気がする。

そりゃそうと、シングルギアで勝とうと思うなら、
やはり重ギアでガンガン踏むべきだと思うだけに、
この選択が正しいかどうか・・・。


次回、丹波戦。

ブレーキシュー交換

CX様サブローザのリアブレーキは、
以前にも紹介したシングルピボットの
シティサイクル用キャリパーブレーキが
装備されてるワケですが、

当然効きは、想像通り悪いです。

キャリパー自体いかにも剛性の低そうなロングアームなんですが、
それ以前にこのシューがひどい。
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昔のスーパーカー消しゴムばりに固いゴムの塊。
とりあえずケーンクリークのカンチのシューに交換してみました。
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マウントボルトの形状といい、感じの良いロゴといい、
何より長く表面積を稼いだ形状が、非常にスマート。

言うまでもなく、
ブレーキングは圧倒的に良くなりました。
効きます。

正直、ピストしか乗ってなくて、「いいブレーキ」とか
よくワカランかったのですが、
前のシューが悪すぎたにせよ、
ここまで変わるのか、ってレベルです。

深く握りこんだら簡単に後輪ロックも可能。

前回のマイアミ戦で始めて使ってみたのですが、
安心感が全然違います。

ブレーキ本体の剛性や性能も当然なんでしょうが、
効きに不満があるなら、とりあえずシュー交換って、
経済的で効果的なのかも知れません。






自転車ファッションを考える25

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OAKLEY SPLIT JACKET 


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ついに、こうゆう「シャキーン」としたサングラスに手を出してしまいました。

まぁ確かにレースで「なろーん」としたサングラスかけてると勝つ気あんのか!って
感じですけど・・。

マキノ戦で折ってしまったサングラスは、
いわばカジュアル向けの普通のサングラスで、
その割にはフィット感も風の巻き込みも少なく、安物ながら6年近く愛用してたのですが、
折れたのを機に「自転車用」のサングラスを購入した次第。

正直、ルックスにかなり抵抗あるんですが、
そうゆう類いの物をエイヤっと身につけた瞬間、自分の中の何かが
解放されるとゆうか、
もうそっち側にイっちゃたなぁ、とゆうカタルシスに
包まれるとゆうか。

まぁ、むしろ気分はイイです。

耳にかける「メガネ」と顔に巻きつける「ゴーグル」くらい、
カジュアルサングラスとは違いがあります。
P1200498.jpg
ピンクの線でわかるでしょうか?
下の方が普通のサングラス、耳にかけるタイプですが、
自転車用はノーズパッドから耳の後ろへ流れるようなフォルムで、
顔面にフィットします。

ちなみにコレはオークリーのスポーツグラス「JAWBONE(顎の骨) 」てモデルの
派生で、

顎の骨って名前はこのレンズ交換構造から来てると思います。
P1200496.jpg
こめかみ下のヒンジからガコっと下フレームが顎のように開いて、
レンズを取り替え出来るわけです。便利。

天候に合わせて、スモーク、ミラー等、サッと替えれます。

そういえば、
自転車用のサングラスで、よくミラーレンズを入れてるのを見ますが、
あれはレースで表情を悟られないようにする為らしいですね。

なんにせよ当然風の巻き込みも少なく、レンズも曇りにくいし、
そして軽く、フィットする。

もし、
レースや走行会に参加する程の自転車好きなら、
オークリーは一本持っておいて損はない様な気がします。




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