KINFOLK OWNERS MTG #2


和泉山脈の主峰、葛城山。


標高850mを誇り、7つの登りコースを持つ事でサイクリストの間では知られていて、

KATSURAGI SEVENS ATTACK と呼ばれてるとかなんとか。


僕らが走るのは、つづら折りが多く比較的登り易い塔原ルート、その入り口にある自販機でまず補給。


ここに来る途中、メカトラブルがあったチチダさんの奥様ことヨーコさん。

旦那様がサクサクっと調整。夫婦でロードバイクなんて、なんだか羨ましい。


ディスクブレーキ仕様の彼女のKINFOLKは、小さめのサイズでも程よいスローピング量とバランスの良いジオメトリで、700cのホイールに何の違和感も感じない。

特筆したいのはハブに施されたハンドペイント。

ヘッドバッヂと同じウサギが描かれていて、ある意味これ以上の高級ハブはないだろう。


「そのハブ、ヤバいですよね…」


「そのヘッドチューブの径って…」


なんて、保冷ボトルも効かない蒸し暑さなのに、

少し止まる度、自転車談義に花が咲いてしまう。


木陰の林道を少しづつ登りだす。


シンガリをソウ君と入れ替わり、

僕が先頭を牽く。


ソウ君の指定した、登坂中の休憩ポイントまでガンガン踏んでいく。

標高が高くなると案外気温が下がって、

熱中症の心配はなさそうだ。


時折、木陰を抜ける風が心地いい。


稼いだ標高に反比例して会話が減っていく。

静寂の林道にオジサマ方の激しい息遣いだけが響き、繰り返すツヅラ折れに皆がウンザリした頃僕は辛さをひた隠し、


「こう何度もツヅラ折れがあると、流石に馴れてきますよね。」


と言い放つ。すると、


シン…


と皆静まりかえる。


「まぁそんなワケないですけどね…」

と付け足すと、

マッコイさんから速攻で

「ウソなんかい!」とツッコミが入る。


シンドイながらゲラゲラ笑っていると、

そんな僕らの脇をタカハシ君がヒュッと抜け出し先回りして写真を撮ってくれる。


その動きはもう、別次元で飛び回る妖精のようだ。これは、さすがとしか言えない。


ソウ君の指定した休憩場所がよくわからない、と言うより、彼が言っていた条件が揃う場所なら今すぐにでも止まりたい。


倒木があって路面が切り替わってて…

比較的平坦。

よし、ココだ。ここにしよう。


止まってすぐ、首根っこにボトルの水をブッ掛ける。これが堪らなく気持ち良くて、掛け合ったり座り込んだり。

オーダーフレームのエクタープロトンで参加のタツシさんが、

サイコンで標高を確認して、もう結構登ってるよ、と言ってくれた。


チチダさんは速いタイミングで上がってきたヨーコさんに凄い!と言葉を掛けていて、ほんと良いご夫婦だな、と。

チチダさん自身も大きなカメラを背負ったまま走っていて、

よく見るとライカだ。ご夫婦の物に対する拘りを感じる。


皆揃い、シンガリのソウ君が止まるやいなや、

「え、(休憩は)ココじゃないですよ」


うそ。


「もっと上ですって。まだ四分の一程しか走ってないですよ。」


うそやーん!


軽い絶望感の中、

僕らは再び登り始めた。


もうヤケだ。

そんな僕と並走するのは、

SKRKメンバーであり、シクロクロスでの強力なライバル、モッちゃん。

登坂も佳境、少しづつ口数が減り、

ここからは自転車での会話が始まる。


勾配がゆるくなり、足を緩めると、

そこでスッと前に出て来る。

休ませてはくれる気はなさそうだ。

僕らは抜きつ抜かれつ、

うわキッツ。と思ってるとずいぶん高い所まで登った様で、

ふと、

コーナーの向こうに見下ろす和泉山脈。

突然脳裏に、そういえは今夜、高級ディナーやんな?

なんて、今夜のスケジュールがよぎり、

再び隣のモッちゃんに意識が戻る。

そしてこの絶景。


なんだか分からないけれど空に飛び出しそうな解放感。


…た、楽しい…


思わず漏らした言葉に、

ハハッ、とモッちゃんが呆れた様に笑った気がした。



すぐ後ろでタツシさんがサイコンを確認しながら、


「もうそろそろのはず。

多分、ソウ君の言ってた「四分の一」は、優しい嘘ってトコじゃないかな」


なるほど、と、

僕らは次の休憩ポイントに到着、確かに後少しってウソより良いよね、と笑った。


全員揃ってソウ君が、

ここから頂上まで後少しですが、

まあまあ登るんでシンドイ人はココで休憩してて下さい、また戻ってきますので、と。


登るか、休むか。


今回、唯一ISP(インテグラルシートポスト)を採用していてるKINFOLKを駆る、イトウさんも悩んでいる。

ISPは機能的な利点も多いけれど、

オーダーフレームの場合は加えて、サドル付け根まで美しく塗装されるので車体全体の雰囲気がスマートになり、高級感をもたらす。

彼のKINFOLKは、シルバーの塗装がテーパードヘッドチューブの美しい曲線と溶接の滑らかさをより引き立てていて、控え目にターコイズブルーのアクセントが入るのが涼やかだ。


さて、

じゃあ頂上目指しましょう、

と僕らは出発する。

悩んでたイトウさんも、ままよ、

と言わんばかりに走り出した。


登頂直前は、登りもあるが大きな下りもあって、スピードが乗る。汗が一気に冷えるような心地良さに僕らは声をあげた。


看板が見え、

ようやく登頂。


マッコイさんが戯けながら「登頂ノート」に名前を記し、皆それに続く。

イトウさんは「登頂してよかった…あそこで休んでたらきっと後悔してた」とシミジミ呟いた。


その感触はきっと、サイクリングの醍醐味なんだろうと僕も改めて思った。


それから先の休憩ポイントまで戻ると、

残ったヨッシャン達が何故登らなかったのか、と反省会をしていて、僕らはまた笑ってしまった。


「モッツは下り下手なんでラインなぞると危ないですよ笑」なんて、ヨッシャンが憎まれ口を叩きながら、

下りは先頭を引く。


牛滝ルートの下りコース。


往年のイエティカラーを模したヨッシャンのニューCXバイク。

ディスクブレーキを装備しPAUL COMPONENTSで固めた彼のKINFOLKは、太いロードタイヤも相まって、

最大斜度20%を誇る下りでも抜群の安定感で曲がっていった。


その後ろをタツシさん、僕、と続き、

僕はブレーキレバーに指を掛けっぱなしで必死で付いて行く。

ヒヤヒヤしながら

ようやく葛城山をくだり、

牛滝の休憩所で皆、ひと息つく。

登りの、

自分に打ち勝つ達成感とは違う、

スリルを乗りこなし、ゲームをクリアした様な安堵に似た達成感に浸る。


その興奮の全てを、

こうして仲間と共感出来る。


まったく、


自転車は面白い。



(続く)

(photo by 高橋君)


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