SKRKINFOLK さぬきCXツアー2015

月曜の朝、
会社の車のハンドルを握る。
灰色の空の下、また同じ生活が
始まろうとしていた。
ルームミラーを調節しようとして
映り込んだ、光の無い自分の瞳。

ほんの2日前はそこに、
眠る息子とチャイルドシートに凭れる妻の姿が映って、その寝息の二重唱をBGMに、1年ぶりの高松自動車道を走っていたのに。

考えてみれば、
もうさぬきCXは四回目、『SKRKと行く、さぬきシクロクロスKINFOLKツアー』も3年目になるのか、と少しばかり感慨の念に浸る。

今年も素晴らしいツアーだった。

土曜日早朝に香川入り。
もう行きたい店は殆ど決まっていて、
まず『がもううどん』に到着。

並んでいると、SKRKのハイエースが駐車場に入ってきて、そこから既にジャージ姿のミウケン氏(以下敬称略)登場。

息子怯える(笑)。

がもうのうどんは、艶やかで、
軽い歯応えが後を引く。
箸で麺をプチプチと軽く切れるのに、
しっかりと腰があって、
2玉くらいツルっと食べてしまうのだ。

次に向かった山越うどんは対照的で、
フワッとしながらもボリューム感があり、食べ応えがある。

と、ここで嫁の腹パン宣言。
ええっ?!早過ぎるやろ!

会場のコースが設置完了するまでは自由に香川を観光する。

香川の鳥山作品に出てきそうな可愛らしいタケノコみたいな山を眺めながら、
田舎道を走るのも解放感あって良いが、
ちょっとコーヒー飲もうと市街地へ入れば、都会的でオシャレなお店が並ぶ。

一休みして、会場に試走に行くと、
皆集まっている。

今回は、群馬からtkey率いるCC.jp、大阪はMOVEMENT一団。
総勢20名弱の団体を、
オグさんがオーガナイズしてくれた。

コースを一周してみると、
やはり楽しい。
ので、もう一周してると、
『みんな待ってんねんで!』と嫁に怒られ、途中で切り上げる。

スンマセン、と次の行き先を聞くと、
やはり『一鶴』。
骨付き鶏の本場、本店。が、
大人数向けの店舗もある様で、
そちらに向うと、なんとでっかい御座敷。

そこで改めて自己紹介などしつつ、
tkey君達と久々の再会を祝う。

しかし、まだ皆カタい感じだ。

山腹にある温泉に着くと、
温泉初体験の息子が意気揚々と脱衣所に飛び込み、裸の男達を見てビックリして、一瞬で踵を返してトテトテ逃げ出したのには笑ってしまった。

入泉すると、皆揃っていて、
お湯の中で話をすると、なんだか
気持ちの距離が縮まる気がする。

鼻先まで顔を湯船に沈め、
スーっと息子に寄ってくるミウケン。
さしずめ、侍というより忍者か。

怯える息子(笑)。

しかし、風呂を上がった頃には息子もスッカリ懐き出し、マリオ君に向けられた携帯カメラにポーズ決めたりとご機嫌だ。

キャンプ場に着き、ログハウスに
入れば、
湯上りで体も心もホクホクとして、
宴の準備は万端だった。

『一本、持って来てますから!』

とミウケンが言っていたブラックニッカのボトルは既に半分以上無くなっていて、

これだけの自転車好きが集まれば、
当然自転車の話を…

まったくしなかった。

ただ巧妙なオグさんの語り口に皆が聞き入り、ミウケンの荒ぶる笑いに盛り上がる。

知性に裏付けられた端整な顔立ちのオグさん、野性味に溢れ、顔をクシャクシャにして笑うミウケン。
相反していて、
でも複雑なパズルのピースがパチリとハマる様に息の合う2人を、
俺はいつのまにか大好きになっていた。
息子もミウケンが大好きになった様だ。

こうして楽しい夜は更けて行き、

翌朝。

午前4時に会社に起こされてPCで遠隔業務してたヨッシャンが、コーヒーを淹れてくれて、

降り出した雨の中、キャンプ場を後にして、会場へ向う。

コースは濡れてしまったが、
雨は止んでくれた様だ。
そしてミウケンがハイエースの荷台で寝ていた。

やはり二日酔いか…(笑)。

軽く試走して、やはり芝やダートはスリッピーになってるな、と確認するも、
特に対策もない。

正直、得意なタイプのコースだし、
今日のC3はなんと20人。
もしかして表彰台、上手くいけば昇格もあるかもしれない…

そんな淡い期待を載せ、
2列目スタート。

ヨッシャンは先頭真ん中。

係員がミウケンの名を呼ぶ度、
俺はヨッシャンと苦笑いしていた。

ジュニアも混走で、
スタート。
勢いある若者に狙ってたラインを奪われ、その上、前でヨッシャンがフロントタイヤを滑らせてコケそうになる!

スローパンクっ?!
思う間もなく、コーナーのアウトに弾かれてしまった。

またスタートをミスった。
でも焦らず、転けずに持ち直したヨッシャンと楽しそうにアスファルトの坂を登る。


そしてあの、長い階段。

今回は乗って行くが、周りを見ると担いで走った方が速そうで、小さく舌打ちして、すぐランに切り替える。

我ながらこの辺の判断が甘い。
とはいえ、数台抜いて、

ここからは下り。
ダートの九十九折、
大好きなセクション。

前にあと6、7台程か?

折り返しの登りで一台パス、
芝の後半で更に一台抜いたトコで、
当日入りした662ボス、田口さんから
『モッツ、今のいいよー!』
とお褒め頂き調子に乗る。

が、SS殺しのアスファルト、300mストレートがくる。

でも大丈夫だ、ケイデンス120回転を保てば30km/hは稼げる。が、
なんや、脚が回らん!
向い風か!

そんな事にすら気がつかなかった。

でもそれなら条件は同じかそれ以上だ。
案の上、一台落ちてきたので抜く。

その直後。

『右からいきまーす!』

若い声。高校生のジャージ。
堺でガッツ見せてた彼の子か!

この猛風の中、重いギアで抜いて行く。
これは利用させてもらうか、と
後ろに着こうにも、速度差があり過ぎて着けず、離されていく。

一周して、5位。

中々順位が入れ替わらない。
必死で追うと、662の熱い声援…?

『モッツ〜、あかんわ〜、前の奴らピチピチ(の若者)やわ〜w』

どんな応援やねん!w
まぁ、確かに高校生や大学生相手に分が悪いか。

いやいや、40前のオッさん、ナメんなよ!

折り返しで、少しずつ前の2人が見えてきたか?でも、

もう最終ラップに入る。
少し距離が足りない気がした。

5位とかないし、表彰台に、
やっぱり乗りたい。

階段を登り始め前を見ると、
4位のライダーが階段を登り終えようとしていた。

間に合うか?

九十九折に入る。

結構離れてる、無理か? 、
でも、
レースだから何が起こるか分からないし、
諦めちゃだめだ…、くっ…、神サマ…



違う。


祈るな。


自分で行くんだ。

そうじゃなければ勝てるモノも勝てない。
ダート最後の下りストレート、
加速、ノーブレーキで行ってみるか!
心拍が上がる。
軽く下唇を噛んで、外脚のペダルを踏み込む。

曲がれた、

その先に、4位を捉えた!
突然、彼が『うおぉえぇぇぇ』と嗚咽。

えっ、

大丈夫か、と抜き様声をかけようとした瞬間、また『うっ、おぉぇえぇ』と嗚咽したのでビックリして素通りした。
か、神の仕業か…


後、一台。チラチラ折り返しに影が見える。イケるか?もう考えるな!

3位と30秒近くあった差は13秒程まで詰まっていた。

が、無常にもレースは終わる。


まだ走れたのに。

田口さんに、
『今日はモッツ勝てる条件揃ってたのに。なんで合わせてこーへんの。まぁ、レースメイクも良くなかったけど。』
と怒られ、少しでも期待して貰えてたと思うと申し訳ないし、
田口さんはホンマに優しい人やな、
と思う。

一生懸命、パーパー!と叫んでくれてた息子が寄ってきた。

ゴメンな、と、ぽんと頭に手を置くと、
何の事か分からんといった感じ脚にグルグルまとわりついてくる。

気持ちを切り替え、
会場のケータリングのウドンを息子と食う。
やはり美味い。

さぬきシクロクロスは、
洒落たイタリアンやマフィン、
コーヒーなどない。

そう、
うどんと、骨付き鶏肉。
この和風感と、グルメも納得の味。
ぜひとも国内は勿論、
海外の選手に体験して頂きたい。

さて、一通り観戦を楽しみ、
最後はやはりC2で盛り上がる。

スタート地点に行くと、
C1のオッチーさん。今日は最初4位で駆け抜けてきて大興奮で応援も盛り上がった。でも惜しくもメカトラでリタイア。それをサラッと語る感じもカッコいい。

見所は、やはり662のメンツ、コッシーとオグさんのSS対決。先日昇格したCRCのフトシ君。昨夜ミウケンさんに絡まれまくった(笑)movementの高橋君。そして、群馬から遠征のCC.jp。

この中の誰かが表彰台に立てば大興奮だし、そうで無くても、レース中のレースに興奮する。

霙混じりになった過酷なレース。
高橋君と662オクちゃんのデッドヒート。高橋君は惜しくも表彰台を取り逃がして4位。オクちゃんも6位と一発残留を決める熱い走りだった。

SS対決は中盤まで後方に位置していたオグさんが、コッシーをオーバーテイクし、雪辱を果たす。

CC.jpのtkey君はさすがの安定感ある走り。が、前半でパンク。
ピットでタイヤを入れ替えるが、
集団に届かない。でも、
最後まで諦めない走りに胸を打たれる。

それにしても、彼はなんというか、
雰囲気が良い。心地よい存在感がある。

帰りの車で『tkey君て、彼、なんか良いね』てな事を嫁が言ってたが、
確かにその通りだと思う。

職種も年齢もバラバラの人達が、
ただ自転車という共通点だけで繋がるのは無理がある。

それでも、今回のさぬきツアー始め、
CXを通じて共有出来たグルーブの様な感じ。

言葉にできない不文律の中で自分達は集まってる様な錯覚を覚えながら、

また、

ハンドルを握る。


そして、
ルームミラーが後方を映すその前に、
射し込む朝日に目を細め、
夢の様な週末を思いながら、

今日のアクセルを踏んだ。






(写真提供 マリオ君、movementの皆さん、ありがとうございます!)






コメント
初めまして。
さぬきシクロで写真を撮らせていただきました。
香川県自転車競技連盟のBBSに写真を貼らせていただきましたので
ご自分の写真は自由にお持ち帰り、ご利用下さいませ。
>アフロさん
ありがとうございます!早速拝見させて頂きます!
  • もっつ
  • 2015/02/23 9:42 AM
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