KINFOLK LOUNGE

特に変化のない日常であれば、
数少ない出張も少しは息抜きになるかもしれないと早朝に都心へ飛び、

やはり仕事である以上、
どこに行っても
職場の自分を越えられないと
思い知った夜。


まぁ、あたりまえか。


と、携帯片手に駅から駅へ。

それでも、品川から中目黒はそう
離れてなくて、
雨に濡れ、
妖しく光る見知らぬ夜の路地を歩く。

旧家屋をリノベーションした、
最近では良くみるタイプのカフェが、
ぼんやりとした灯りで暗がりの路地に
現れる。

建物横に、その2階へ上がる
昭和臭漂う鉄製の階段。

入口には、木製のエンブレム。

「KINFOLK LOUNGE」

まるで、御伽の国の入口。
それは一瞬、
「大人」を捨てられない者を拒む様な、
一種の敷居の高さを思わせる。

が、
あたりまえの様に鉄の手摺を掴んで、
二階へ。

ガラスの引き戸、木製の扉、
何処から入れば良いのか。

実は、
何処からでも入れる。

カウンターには、
ミッキと名乗る褐色の肌の男性。
そして見慣れた顔、
スギさんがギターを持って
座っていた。

ミッキの隣に座り、
自己紹介するも、英語がダメな俺は
適当にハハハ、とやって、
ドライフルーツを摘まむが、
コレが美味い。

産地に拘るスギさんらしく、
アメリカ産のドライフルーツ。
他のナッツやスナックは日本製。

梅干し海外で作っても偽物。ドライフルーツはやっぱ海外すよね、
なんて知ったかぶって、
俺はスギさんの作るジントニックに舌鼓を打つ。


〜〜〜っ!、美味いっ!


ニッキが帰り、店内を見渡す。

実は、昨年閉店したこのラウンジをスギさんがまた復活させたと言うことで、
結局1度も来る事が出来なかった俺には嬉しい再始動だった。

しかも、大好きなパイセン的友人、KINFOLKのメンバーであり、bluthのスギさんがやってるって事で、何がなんでもお邪魔したかったのが本音だ。

ヨッシャンといいスギさんといい、
KINFOLKってのはホンマに面白い人揃いで目を見張る。

まさに御伽の世界、
ふしぎの国の住人だ。

そこで、
ウィスキーベースのカクテルを頂く。
「コレが売りのカクテルだね」
とスギさんが軽く振る、

そのカクテルは、ウィスキーを思わせないフワリとした甘さの中に、大人の香りが漂う。

そんな味だった。

黒無花果のドライフルーツを齧れば、
まさに夢見心地。


「bluthは、解ってくれる人の範囲でやれてるから、今が良い感じ」

そうゆうスギさんの感覚はやっぱカッコええな。

すっかり、気分は良くなっていた。

きっと、
自転車やスケートを通じて知り合う仲間は未だに大人になりきれない人ばかりで、

今の苦悩の果てには、
きっと
美しい未来があるんじゃないだろうか、と、希望を見せてくれる。

分からない、けど、
店を後にして、

そんな希望の中で生きてる、
絵描きの友人宅へ向かった。






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