オーダーフレームという選択



『このブランドのMサイズは自分に合っている』


という様な話を聞くと、
その人は幸運だ、と思う。

同じスリーサイズ展開のアパレルでも、
ブランドが違えばフィット感も様々。

しっくりくれば白シャツだって
スタイリッシュになるだろうが、

人の体型が十人十色である以上、
そう思う様にはフィットしない。

自転車も同じで、

吊しで売ってるフレームにも、
サイズ展開があり、
自分のサイズに近い物を選ぶべきだ。

が、
やはり完全にフィットするワケは無く、
後はステムやシートポストで
出来る範囲で調整するしかない。


イギリスには、
ビスポーク
と言う言葉がある。

職人と客とが
採寸や話し合いを繰り返し、
造られるオーダーメイドスーツ。

それは、
サイズを合わせるだけじゃなく、

素材、仕様、用途、
そしてキャラクター。

全てがその人の為だけに造られた、
カスタムオーダー。

永い時間と高額の報酬を引き換えに、

イギリス紳士達は、
より自分らしい姿を手にするのだろう。


自転車のフレームも同じかと思う。

採寸に始まり、素材、仕様、用途、
乗り方。そしてキャラクター。

それを包括しビルダーと呼ばれる職人の
フィルターを透して、
世界に1つのカタチとなる。


吊るしのフレームが悪いとは思わない。

誰にでも愛されるヤツに、
悪いヤツはいないだろう。

だけど、

どこまでもワガママで、
誰に媚びる事も、妥協も無い。

でも自分とだけは、
これ以上ない程ソリが合う。

相棒と呼ぶなら、
そんなヤツが良いと思わないだろうか。


オーダーフレームという選択。


今までの自分と、
ビルダーの高い技術が結集した、

走る宝玉。


今回、

今、一番自分らしいと思う、

SSCXフレームを
オーダーする事に決めた。




同じ血を引く者たち

 『もっつさん、次のフレームはやっぱシングルで行くんすか?』

んー、やっぱそうやなぁー。

『ブレないっすね(笑)』

メモリアルクロスの帰り、
疲れて眠るヨッシャンをよそに、
俺とソウ君はオーダーフレームの仕様について、
話を弾ませる。

とにかく、
北神戸戦では泥詰まりに悩まされマトモに
勝負出来なかったソウ君のビアンキピスタ。

ヨッシャンが乗って、
『モッツさん、こんなんでレース走ってるんですか…?!』
と驚いた程アレな俺のサブローザ。

もし、来シーズンも走るなら、
新しいフレームを用意しない理由はない。

さぬき戦のツアーでは、
前日に5人で軽くライドしたのが楽しくて、
正直ロードバイクというか、

変速機があればまた世界が拡がる
のは間違いないとも思っていた。

『僕、ディレイラーハンガー付けようかとも思ってるんですよー。』

あ、面白いかもねー。

そんな話の中、ヨッシャンが口を開く。

『二人とも、採寸終わったら、次はチューブ(パイプ)を選びましょう。』


採寸は、
さぬき戦の帰りにNYBgで済ませていた。

ヨッシャンに背中から腕の長さを
計ってもらう。

次に、太目の雑誌を股間に挟み、
その上から、股下を計測。

『75センチすね。』

ヨッシャン俺と身長おんなじやんな、
股下は?

『75.5センチっす。』


…もう一回、いこか。


『え?』



ヨッシャンと同じ数値を叩き出し(笑) 、
計測終了。

この様に、

正確に腕の長さ、
股下、身長を計測。
これを基に各チューブの長さが
決まってくる。

ちなみ長身でスタイルの良い
ソウ君の数値は、
同じ人間のモノとは思えなかった。


そういえば、
最近はこの二人と遊ぶ機会が増えた。

なんと言うか、
ウマが合う、とゆう感じだ。

シクロを通じて、ってのもそうだが、
やはり根っこは二人とも「ピスト」を
通じて、

あのムーブメントの中で繋がった仲間だ。

住んでる場所も普段の暮らしも
リンクしない、

でもどこかでいつも繋がってる気がする
のは(この二人に限った話じゃないが)、

家族の様な、同じ部族の様な、

そんな気持ちにさせてくれる。


KINFOLK とは、

『同じ血をひく者』

と言う意味らしい。


他には無いと思った。


スチールのフレームが今、
ちょっとしたブームだと思う。

魅力的なフレームメーカーが多く、
目移りする中で、

自分のバイクを作るなら、
今は。


ここしかないと思った。


フレームのチューブを選ぶ

フレームオーダーとなれば、
とりあえず素材を選ばなくてはいけない。

ひと口に鉄、と言っても鉄の種類も多様で、
さらにメーカーによって加工も仕様も違うので、
とにかくレースでの仕様を前提としたCX車を
作る上で、どのチューブを選ぶべきか、

KINFOLKでは、そこらへんのナビゲートも
ヨッシャンがしてくれる。

とりあえず、メーカーは
国内生産で高品質な「カイセイ」。

その中でも、
彼は最上級グレードの「Rシリーズ」を提案。

「8630R」と、
「4130R」だ。

この二つは、同ブランドの中では最も軽く、
しかし性格は相反しているので、
好みで選ぶ範疇だという。


へーっ、俺のサブローザも4130やし、
じゃぁ8630にしてみようかなぁ、

と言うと、

「何言ってんすか、
4130は金属の規格ですよ。」

えっ、そうなの・・・

「4130Rはカイセイのチューブセットの品番で、
クロモリでは一番軽くてしなやからしいですよ。


8630Rとはどう違うの?

って質問あたりから大変な事になる。

8630Rはより高剛性故にさらに軽量。
乗り味としては硬く、
しなやかと言うより粘る、って話。

そもそもクロモリにニッケルを含んでいるので、
正確にはニッケルクロームモリブデン鋼という鋼材で、
クロモリとは少し違うらしい。

まぁそんな事は拘らないのだが、
とにかく価格、
性能共に4130Rの上位チューブと言っていいだろう。

パイプセットで30gの重量差と、
1万円の価格差。

強脚スプリンターに好まれる硬めの8630Rと
しなやかさがウリの4130R、

この性格差も気になる所。

ちなみに、同メーカーの他のチューブ、
019や017は重量や耐久性でみて、
1ランク落ちる感じだ。


で、あーだこーだと
男三人、
夜な夜なlineで盛り上がった結果、

ビルダーさんにヨッシャンが
たまらず聞くと、

まぁ、2つの違いはほとんど
解らないよ、

と、おっしゃってたそうで…。

ま、そんならシクロで使う事考えて、
4130Rにしとくか、
って事に。

30gの重量差を感じる程自分を追い込んでもないし、
そもそも選択肢があって
「硬め」を選べるほど脚にも自信はない。

そんな事よりもしなやかで軽い、と言われる4130R、
その良さを自分の言葉で語れる様になりたいと思うし、

何より、早く乗ってみたい。

スチールについて
斜め読みの知識を身に付けてしまった今だから、

余計にそう思うのかもしれない。


エンド金具からの夢想

『エンド金具はココで選んでみてはどうです?』

ヨッシャンが紹介してくれた、PARAGON。
まさか、エンドまで自分で選べるとは思わなかったし、

こうゆう提案をしくれるのはKINFOLK、というか、
ヨッシャンならではかもしれない。

雰囲気のあるサイトで、金具も
選び放題といった感じでワクワクする。

ふと目に留まったのは、
ピストエンドにディレーラーハンガーが付いたモノ。

これにすれば、
多段化できるワケか。

今更だが、
カスタムオーダーする上で重要なのは、
どんなフレームに乗りたいか、って事を明確にする事だ。

ソウ君も同時に注文するので、
二人であれこれ仕様を考え、
相談したりしながら、自分の「我」を仕様に落とし込む。

ロードにもシングルにも、
どっちでも組める仕様もたのしそうだけど、

やっぱ、自分はシングルの、
完全なるレース仕様、
ボトルケージも付けられないヤツにしようか。

『ええっ、ぜったい後悔しますよ!』

と言うヨッシャンとソウ君の言葉は、
友達として、の言葉だろう。

まぁ、泥詰りとかもあるから130エンドにはするし、
イザとなったらハンガー付けてイケるんじゃない?

『そんな、カスタムオーダーでタイラップとか・・・』

て言葉は、自転車屋としての美学だろうし、
それはちょっと、確かにそうだな、と思った。

その後、

会社の同僚にも
「ええっ!ピストエンドっすヤン?!あほすか?!なんで今更・・」
って言葉を頂く(笑)。


それでもヨッシャンはとにかく理解してくれて、
『じゃぁ、カッコイイSSCXにしましょう!』と前向きになってくれた。

まるで、余計なモノは一切付けない、

そんな風に書いたけど、
最後はこのエンドを選んだ。
左エンド下に付くカギ爪、
これは『栓抜き』。

例えば、

レース前日、3人で自転車を整備して、
明日の勝利を願い、こいつで1本抜いて乾杯するとか、

車から自転車降ろして、スグにビールを抜くとか、

なんかいい感じ。


『じゃぁ、これでオーダー入れますね』

って、しばらくして半笑いで、

『送料が商品代より高いっすよ!W』

ま、まぁええんちゃう・・(笑)。

そんな感じで、パーツを選び、
仕様を考え、夢想しながら、

楽しさと期待を詰め込んだ
KINFOLKの仕様書は段々と
出来上がっていく。


続く

願いを、その線上へ

仕様書を書くにあたって、
フォークを決めなければいけない。

もちろん、
クロモリのオリジナルフォークも
アップチャージで製作してもらえるのだが、

既製品のフォークを持ち込む手もある。

その場合、
フォークを基準に線を引く事になるので
ビルダーさんに先に伝えておかなければいけない。


フォークは劇的に自転車の性格を変える。
それはサブローザのフォークを
アルミ製に替えた時に知った。

直進安定性、ブレーキ性能、旋回性。

乗り物の基本動作、走る止まる曲がる、
この3つに大きく貢献する部位だけに、
誰でも違いが分かるのだろう。

そうなると、
やはりカーボン製に乗ってみたくて、
安いカーボンフォークを探してあったが、

ヨッシャンの
『フォークの性能は値段相応。
せっかくここまで拘って造るんなら安物は止めましょう。』

って言葉に納得。

とはいえカーボンには疎いので、
お勧めを聞くと

『ENVEが流行りですけど個人的にイーストンもお勧め』
との事。

そこで多少財布にも優しいEC70Xに決定。
クロモリのスタイリッシュなフォークも
ちょっと惜しい気もしたが…。

で、

カーボンか、使った事ないしワクワク
するなあ、

なんて思いながら、
仕様書を書き進める。

難しい事を考えず、
萌える要素を盛り込む。

シンプルにして、
マッシブで、色気のある…

走りについての希望は、
後輪加重、
車で言ったらRRの様な乗り味。

ジオメトリに触れそうな希望は,

トップチューブをホリゾンタルに、
ゼロセットバックのシートポストを
使用する事を伝える事ぐらいに留め、

基本的なジオメトリやその類いは
当然ビルダーさんにオマカセする。


細工はオーナーの拘りを
加味してナンボ、

シートステーに曲げ、
ワイヤー受けの細工なんかも
自分の思うのと似たような写真探して
(探したのはソウ君)指定。


とりあえず、

自分の希望、
サイズ、
参考画像を付けて、ヨッシャンに送り、

問題なければそのままビルダーさんにオーダー、
いよいよ製作に入る。

ソウ君は手書きのイラスト入りで
がっちり書き込んでいた。
きっと伝えられるイメージは、
できる限り伝えた方がよい。

その後、

ヨッシャンを通して、
ビルダーさんとの細かな打ち合わせがあって、

スケルトンが上がってきた。

カスタムオーダーなので、
自分の拘りや好みをしっかり伝える事は勿論だけど、

そこは「譲れないトコ」であって、
後はどんな乗り物にしたいかを伝え、出来上がってきた
形を受け入れる。

ビルダーさんの経験や技術、拘りあっての
カスタムオーダーフレーム。

自分の希望が、
ライジン製KINFOLKというフィルターを通し、

今この世に産まれようとする瞬間に身震いしながら、
スケルトンをアテに、

安ワインの栓を抜いた。




待ち人を待つ優越

ヨッシャンの話では、

今、調度工房に余裕があるのか、
通常より早く出来上がりそうだと聞く。

とはいえ、半年待ちは当たり前の
オーダーフレーム界で、
速いと言っても3ヶ月は見ておいた方が良いし、

その間にフレームの色や
セットアップするパーツを集めて置くのも、
楽しみの一つだ。

大きく分けて、4つ。

ドライブトレイン、

サドル周り、

ハンドル(ブレーキ)周り、

そして車輪。

全て同じブランドで揃えてもイイだろうし、
無関係なパーツ群で組んでも、

ルールなんかない。

だからこそ、面白い。

外したり、あわせたり、
洋服のコーディネイトに少し似てると思う。

機能か、ルックスか、

ルックスや色だけのパーツ選びじゃ、
どうにもチャラい感じだし、

機能だけ追及すると「機材」然とした
趣味性の乏しい感じになる。


とにかく小物はヘッド、BB共に
「機能美」と言う言葉が相応しい『ChrisKing』。
P1220069.jpg
まぁ、BBは
ヨッシャンとソウ君に「新品買う必要あるんですかっ!?」
と諭され、サブローザから移植。

もう2年使ってるけど、回転性能が落ちてる様には
到底思えないのは流石(さすが)。

クランクもお気に入りのracefaceをそのまま
移植。

サドルは、fizikあたりで
シートポストはトムソン、って
レーシーでスタイリッシュな、
よくある組み合わせ。

brooksの新作c17が気になってたけど、
400g近い重量はイタダケナイ。


でも、このままじゃ無難すぎるので、
ステムをあえて外すか、

と、先日ムーブメントで見た
「kimori」のステムを導入。
P1220072.jpg
大阪の金属加工会社が独自で展開
するブランドで、

地元愛に根付く感じもいいし、
何より、軽く高剛性。
そしてこの波動砲の様なデザイン。

トムソンとあえて揃えないのは
少し勇気が必要だったけど・・。


ブレーキレバーはヨウ君がくれた
カンパレコードのシフターを抜いたモノ。
P1220061.jpg
シフターの溝にラバーが入り込んで使い難いが、
軽いし、何よりくれた人の気持ちが嬉しいので、
使う。

そんなパーツを、
デダのハンドル、『zero100』に取り付けよう。


そんな感じで夢想、妄想を繰り返せるのは、
オーダーフレームを待つ醍醐味。

後、フレームのカラーリングも
そろそろ夢想して置かなければいけない時期だ。

それについては、以前から決めていた。

「ミッドナイトブルー」

青春を共にしたバイクと同じカラー。

それが、自分のkinfolkに
与えられた個性になるんだろう。



ミルキー・ウェイ

『もっつさん、ミッドナイトブルーですか、いいですね。』

そやろう?日本人の好きな色上位のナ(笑)。
と、ソウ君に返すと、

『どんな深さです?Zガンダムのフライングアーマーの色的な?』

おおっ!ソウ君よう知ってるな、それそれ!W

『金麦の缶の色もヤバイっすねW』

なんて話で盛り上がる。



能天気にパーツのセレクトにウツツを抜かす日々を送るが、
それよりもフレームのデザインが急務だ。

パーツは選べば済むけど、
フレームは積極的に提案しなければ
いつまで経っても仕上がってこない。

メインのカラーを決めたら、
次はロゴ等のデカール。

ココがKINFOLKの醍醐味だ。

数あるデカールセットの中から、
メインのデカールを選び、
後はヨッシャンのセンスに任せてお願いする。

正直、塗装の事に関しては
ビルダーさんにお任せして良い結果になると
思えない。

色の価値観は人様々で、
「青にして!」と言った所で、
例えば「沖縄の海の色にして!」
と指定したとして、

人によってそのイメージは違うもんだ。

そんなイメージの違いを回避するために、
某有名ビルダーさんでも数十色のカラーサンプルを持ってるが、

KINFOLKの場合、
カラーに置いても綿密な打ち合わせが行われ、
例えばRALや車、現物のカラーチャート等で色指定し、

オーナーのイメージを損なわない範囲での
指定が可能。



特にアイディアがなければヨッシャンがロゴの色まで
指定して、

『こんな感じでどうっすか?』
MotzFinishSheet-4.jpg
と、

上記の様な仕様書を送ってくれる。

ここに至るまで、
自分の場合はトップチューブになんか欲しいとか、
ステーの内側にロゴを、とか、

指定する度、やり直された仕様書を送ってもらい、
最終が上記の画像。



数日後、

塗装をお願いする堺市の「ミルキーウェイ」に、
自分達のフレームが納品されたと聞く。
P1210994.jpg

いてもたっても居られず、
3人で(ヨッシャンは塗り替え)工房へ。
P1210979.jpg
そこで遂に、
カタチになった自分のフレームに出会う。
P1210984.jpg
感無量でも、
やはり自転車は美しい塗装あってのモノ。
イマイチ掴めない感じだが、

間違いなく美しいフィレット溶接に
感動しながらも、

折角なので、工房のカラーサンプルで
最終の色指定。

ひと口にミッドナイトブルーと言っても
何十種類もあるので、

指に挿して、
P1210981.jpg
『グフ、グフW』

とかショーモナイねたで盛り上がりつつ、
微妙な色の違いを見計らって、

ようやく決定。

俺が紺ならソウ君は黄、ヨッシャンは緑と、
カラーの方向性が3人違うのは良い感じだ。


P1210991.jpg
フレームとフォークを手に持ってみる。

軽い。


そして力強い。

確かにクリア仕上げのロウカラーもカッコイイけど、
防錆、耐久性など考えても、

なによりカッコよさって部分でも、
フレームの塗装は、

個人的にはお願いするべき
だと思う。




RZ-1376

予想はしていた。

というより当然、想像は出来ていた。

実際にもう塗装前のフレームには手を触れ、
その彩色もこの目で確認している。
P1210960.jpg
思ったとおりの色、
思ったとおりの形、
思ったとおりの装飾。

その全てが1つのカタチとして目の前に現れた時、
結果、

それは想像を遥かに凌駕する姿となっていた。



N!YBにて。

朝、ヨッシャンは香りの良いコーヒーを淹れながら、
気だるそうにKINFOLKの組み立ての説明をしてくれる。
P1220217.jpg
とりあえず、
ヘッドパーツやBBを入れなければいけない。

今日は後でソウ君も来るし、
時間的にブレーキのワイヤリングまで出来ればいいなぁ、
と思っていた。

「じゃ、モッツさん、写真撮るんでしょ?(笑)」

そりゃもちろん、と養生を剥ぐ。
P1220207.jpg

そして、
シャッターを切るたび、見惚れる。

BB裏にはフレームナンバー、
「RZ-1376」

の刻印。

これがライジンワークス製のKINFOLKであり、
自分のKINFOLKの生産ナンバーだ。

こういった小さな事が自分のモノなんだと
感じさせる。
P1220232.jpg
気品あるシートステーの柔らかな曲げ、
フィレット溶接独特のヌメリとしたBB辺り。

そこに、独特の個性を放つ、
KINFOLKのロゴが、

紺とも黒とも付かない美しく深い塗装で
妖艶に輝く。
P1220208.jpg

思ったとおりの色だと思った。
思ったとおりの形だと。

だがそれは、

その想像を遥かに凌駕し、
一瞬、現実から切り離されたかと思うほどの美しさで、

目の前に現れた。



黒より深い藍

 「これ、どーやるの?」

と、ケースからブレーキアウターを、
それもアルミ製のピースを繋ぐタイプ、を引き出す。

AICANというワイヤーシステムで、
軽量且つ引きも軽いと評判で、何よりその構造上、
ハンドリングが軽くなるという。

パッケージング状態では、
ビーズのネックレスの様にナイロンの紐に
アルミピースを通してある。

「これ、気をつけて切らなバラバラんなるやつやーんW」

といいながら失敗して、
ほんまに
床にアルミピースをばら撒くモッツクォリティ。

『あー、もう僕のヘッド圧入してる時間はなさそうですね・・・』

『もう、モッツさんはそこのワイヤー切って長さ出しでもしといて下さい!』


ソウ君とヨッシャンに追いやられ、
プチプチとアウターを繋ぐ。

こんな感じで、
終始ジャマばかりしていたようだが・・。


最初はヘッドの面取り。
P1220220.jpg
ヘッドパーツを圧入する。

P1220225.jpg
クリスキングのヘッドパーツは、
滑らかな仕上げが物欲すらくすぐる美しさだ。

コレをサクッと圧入したヨッシャンは、

自分の店に来るトリックライダー達には自分でフォークのコラムは
切らせてる、と言う。
P1220228.jpg
自分の乗るバイクのコラムは、自分で切れ、ってゆう、
ヨッシャンらしいイイ話。

『モッツさんも自分で切ります?』


いや、いい(笑)。


モノグサな俺は汗だくでノコギリを引くヨッシャンを見守る事に(笑)。
フォークの内側のデカールがイイ感じだと思いながら組み付けていく。

フロントのワイヤー受けはPAUL。
P1220236.jpg
ここのパーツはこんなサイズでも
取り付けると異様に存在感を放つ。

周囲のパーツでバランスを取らないと、
シンプルなのに意外とチグハグな感じになる事も多い。

BBも圧入し、
ハンドル周りを組んで、
件のワイヤーを取り回す。

『こんなメンドクサイもん買ってきて・・・w』
苦笑しながら手早くヨッシャンが組み付ける。

『後はコレでしょ。』
P1220256.jpg
と、ソウ君がエンブレムを付けてくれた。

そんな彼のkinfolkは、
黒と黄色に塗り分けられ、
縦に並べられたダウンチューブのロゴのセンスが相当にヤバイ。
P1220268.jpg
何より、「デカさ」のカッコよさはどうにも
嫉妬する他にない。

朝から始めた作業だったのに、
気が付けば日は暮れ始めていた。

結局、
なんだかんだで目標の状況まで作業が進んだのは、
二人のお陰。



ひと段落すると、
ガラスケースにコンっ、と缶ビールが置かれた。


『乾杯しましょうよ。』とソウ君。


そうやな。


別に、感慨とか、振り返ってあれやこれやも無く、
3人で、とりあえず目の前のフレームに、

乾杯。


おかしなもんだ、と思う。

どうゆうワケかこの3人で、
おフザケにしちゃヤり過ぎの、
本気と言うには趣味過ぎる、

こんなトコまで来てしまった感。

なんで、こんな事になってるんだろうか。



まぁいい。

走り出せば、
その答えは簡単に聞こえてくるだろう。

もう、日は沈む。

「黒より深い藍」、ミッドナイトブルーに染まる、

自分のKINFOLKがトワイライトに溶け込み、
今にも「走り出したい」と、言ってるように見えた。

自分の逸る気持ちに、まるで気が付かないフリをして、

最後のひと口を飲み干した。









舞洲練習

KINFOLKを組むにせよ、

シクロクロスのシーズンまでまだ時間があるし、
軽ギアのSSCXでは街乗りもシンドイので、

普通のSS(シングルスピード)仕様にして、
とりあえず走れる状態に。

といっても、
安物のパナレーサーのロードタイヤと、
48×16のギア比設定にするだけ。

せっかくなんで、
この仕様でロードのクリテリウムレースに
出てみる事を考えた。

クリテリウムとは、一般道を遮断して
短い周回コースをグルグル走るレース。

レーサーが何度も同じ場所を通過するので
観客も楽しみやすいし、
スプリント並みに速度もノるので、
迫力も相当だ。

ロードバイクのレースだが、
シングルで出場してはいけない決まりは無さそうなので、
とりあえずエントリー。

でも、

まったく勝負にならなかったらどうしよう、って不安で、
時間を作って舞洲に周回練習へ。

練習なんていった所で、
ジコマンの領域を出ない練習。

それでもとにかく、本番と同じ距離より
少しだけ長めにスパートを掛けれるようにする。
R1006302.jpg
本番15.6km、練習では16km。
たった400mでも、まあキツイ。


1周2kmの舞洲周回。

1周目をスプリントに近い強度で走り、
8周目をそれ以上のタイムでスパートするって練習。

意味があるのか分からないが、
けっこう苦しいのでw、
とにかく心肺は鍛えれそうだ。


結局、1周目のタイムを上回る事は無かったけど、

10km以上をそれなりの強度で走った後に
まだ掛ける事が出来るくらいにはなったとはいえ、

合間を見つけては練習したとこで、
自分は少しでも速くなってるんだろうか?


そうだとも、

そんなわけない、とも言わず、
R1006300.jpg

その夜の、

舞洲の月は深い海と

コースを照らし出していた。



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