肉vs肉

ヒルクライムにおいての体重は、

タイムに顕著に表れる。


なので、

太ってしまうと記録更新は絶望的だけれど、

そんな事は御構いナシに、記録ポイントのある変電所までは必死で踏む。


葡萄坂は好きな峠だ。


勾配がキツい所もあるけれど、

変電所までは一気に登るには丁度いい距離だし、登り前半は街を見下ろせるので、グングン登っていく気持ち良さがある。


変電所から奈良側に少し降って登り返し大阪市内に戻るこのコースは、交通量も少ない上、気持ち良く速度が乗る下り、そして、

度々現れる登りがまた良い。

そして十三峠を奈良側から降る。


ちょうどお昼も過ぎたので、

そろそろ昼食を摂りたい。


十三峠の麓を出て国道沿いすぐにあるオシャレ自転車カフェ「FRANCY JEFFERS CAFE(FJC)」。

インスタグラムに特化した、店内も、食事も、何をどう撮っても写真映えするカフェ。

これはもう、インスタ映えのインスタ映えによる、インスタ映えの為のカフェと言っていい。


でも食事代が少々強気で、

前回訪れた時は、

コーヒーとハーフサンドのセットで1260円と言い渡され驚いたのだけれど、

最初から分かっていればどうという事はない。


それに、値段に恥じない味とサービス。トイレすら高級ホテルのようで、居心地としては満点だろう。


軽いライド時でも現金2千円くらいは携行してるワケだし、たまのソロライドにちょっとくらいの贅沢はツキモノだ。


そんな気分で、

久しぶりにFJCに寄る事にした。


カウンターでメニューらしきモノを探すと、真っ先にボリュームのあるハンバーガーセットが目に入り、

デカデカとコーヒーセットなら100円引きと書かれているが、肝心のセット価格を見つけられない。


だけど、レジでまごまごしてるのもカッコ悪いし、1500円くらい覚悟しとけば少々足が出ても別に構いやしない。

僕はスマートに、ハンバーガーセットでコーヒーもお願いします。と、注文。

首元のジッパーを少し下ろし、

フッ、と小さく溜息し会計を待つ。



『ではセットで…2160円になります。』



…なん…だと…?!


峠で流した汗とは明らかに違う何かが

サイクルキャップを湿らせる。


二千円は、強い。

強気、なんてモンじゃない。


てか、コーヒー100円引きって、

その割引き率、お得感あります?!

そもそも現金二千円しか持ってないやん…


…いやまぁいい、焦るな、

そうだ、こんな時は現金じゃなく、

カードだ。クレジットカード。


現ナマよりクレジットカードは心理的ダメージが少ないって、何かに書いてあった気がする(カード破産への道 著:角 破沙夫)。


僕はカードで支払いを終え、それでも

広い店内を落ち着き無くウロウロしながら、

僕が一国の首相だとしたら、

ビッグマックセットを引き合いに出されて世間から糾弾されているに違いない、などと考えていると、

呼出ブザーが鳴り、どうやって食うのか分からんデカイバーガーが眼前に現れる。分けて食う人もいるというが、

席についた僕は雑念を振り払うように、

両手でガッシとバーガーを掴み、齧れるトコから食っていくスタイルで挑む。

だってハンバーガーなんだもの。


重ねたハンバーグからベーコンがベロンと舌を出している。

まさに、

肉vs肉。カリカリの香ばしいベーコンにジューシーなハンバーグ、

特筆すべきは、完璧な加減で火を通した玉ねぎの輪切りがまんまゴリっと入っていて、

とにかく甘い。ライドで失われた糖質を玉ねぎで補給する。

甘く、ジュワッとしながら、ショキショキとした食感がたまらない。


玉ねぎの汁と肉汁が絡みあった汁が紙袋溜まり、

添えられたフライドポテトをその肉汁に浸けて食うと、これがまた美味で、

スペシャリテを名乗るコーヒーにベストマッチする。


これは、美味い。確かに。


オジサン独りのランチとしては些か高級な気もするが、

例えば、サイクリングデートならばどうだろうか。


『あの、よかったら十三峠ボクと、あのその…』

とか言って誘い出し、

あの娘僕がKOMを全力で獲りに行ったらどんな顔するだろう。

そして、仕上げにFJCへ。


ロードバイクデートの汗臭さを払拭して、お洒落でスポーティでお腹も満足なデートを演出出来るかも知れないし、

全力でKOMを獲りに行く事はデートではオススメ出来ない。


そしてふと我にかえる。


これ、また太るヤツでは。


帰り道は少しでもカロリーを消費する為に大和川の河川敷からIKEAでも目指そう。


特に面白くもない、河川敷ルート。

そう思ってたのに、

なんだろうか、疲れた身体にフツフツと湧き上がる幸福感。


ロードバイクに乗る全ての人がそう感じるかは分からない。


ただ、自転車が自分の、いや。自分が自転車の一部になった様な感覚が、

カロリーの消費を後押しした。


ビールを買って帰宅。


シャワーから上がり、まだ陽の高いウチにプルトップを引くと、

ヨッシャンからメッセージが届く。


『近くに来てるよ、LAのお土産持ってきたけど、どう?』


スグに向かうよ、と打ち込み、

ビールを飲み干してから、


僕は送信タブを押した。






二度目の葛城山 〜KINFOLK Ownersmeeting に向けて〜



太ったな、と。


もちろん、


個人差があるのは間違いないのだろうけれど、

通勤でタラタラ乗ってるだけでは自分の食欲というか、飲酒というか、


やっぱりカロリーの消費が追いつかない様子で、それが脇腹あたりにカタチとなって現れたのだ。


…なので、


その焦りから唐突にヨッシャンとソウ君をライドに誘う為のラインを送る。


ソウ君からは「まぁ僕も太ってきてますから笑」と返答。

さすが!太る時も一緒だよ?、ズッ友だね!

じゃあ六甲でも行く?とたずねると、

「7月のライドの事もあるし、ソウ君トコ集合でいこう。」とヨッシャン。



当日の朝は、

スニーカー選びにも余念が無い。

輪行という事もあるし、

何よりライド後、

硬いカーボンソールの反発をくらって疲労した足の裏を休ませるシューズが調子良い。

そんなアフターライドシューズ。


そういう意味ではニューバランスは非常に優れていると思う。

ストリートファッション好きには説明も要らないであろう580シリーズ、あと、最近購入したNB1300clも極上の履き心地だと思うし、


アウトソールの突起部がペダルに上手くひっかかるので比較的踏みやすい。



早朝、

僕らの為だけに、

ビストロ リュドラガールのシャッターが上がる。


薄暗い店内で、

先に着いた僕が着替えていると、

何も言わずにソウ君はモーニングコーヒーをカウンターに置いてくれる。

やがてヨッシャンが到着し、

間も無く、走り出す。


「今日は前回のコースに、実際に葛城山を加えるコースで。」

と、ソウ君が引いたコース。


ペダルを回せば、

この季節特有の柔らかい風、

紫外線の強さが気持ち良い。


当然ながら、それを感じてるのは僕らだけなワケがなく、


泉南の自転車乗り、例えば、トレイルランにハマってるカワラヤ君や、MTBのライドへ向かうETのジン君達と、

まさかと思うタイミングで出くわした。


こんな偶然は、

なんだかワケもなく今日はいい日だと思わせる。

そうして誰もが休日を満喫する中、


僕らはひたすらにペダルを踏んだ。

ヨッシャンがそろそろ休憩しよう、

というタイミングで、KINFOLKらしくウサギ小屋のあるパン屋へ。

相当な人気店らしいのだけれど、残念ながらパンは販売前のタイミングで買えなかった。


ふとヨッシャンを見ると巨大ブランコこいで遊んでるし。

そこから程なくして、

葛城山を登り出す。


そこまでのルートでアップを済ませたという風に、良い感じで足が回る。

最近まったく乗れてないというヨッシャンとペースに差が出れば、

僕はある程度まで行ったら待つのではなく、降ってヨッシャンの所まで戻る。


これによって、体力差を補い、

お互い同じくらい疲れるワケだ。


葛城山を登頂した時には三人ともへばへばになっだけれども、この達成感はヤバイ。

そして、


下りは、恐ろしかった。

相当な急勾配に加え、

ガタガタの路面の葛折り。


「モッツのライン着いてったらガタガタやないかー!」とヨッシャンがボヤくが、

「俺のせいちゃうわーっ!」

と、応戦しつつ、荒々しい速度を殺す為いっぱいに握ったブレーキレバーを、丁寧にリリースしてタイトなコーナーをクリアしていく。

それでも強烈な勾配に冷や汗するシーンもあり、


下りきった瞬間、妙な安堵感に包まれる。

こういう気分が非日常に拍車をかけるのだろう。


既に、1000m近く標高を獲得してるのだけれど、ここからさらにもうひと登り。


ソウ君が見つけたルートで、グラベルからアスファルト、人通りが少ないので路面は綺麗だけど、石や枝がゴロゴロしているし、


何よりまあまあ登る。


「葛城山の後だと、結構(脚に)キますね〜笑」と苦笑するソウ君の足元で、

壮絶な破裂音。リアタイヤをサイドカットした模様。


まぁ、

こんな事もあるな、と折角なので少し休憩、雑談しながら修理を済ます。


そこを超えたら、高速コーナーが続く下り。


スピードが乗るし、見通しも良くアウタートップでガンガン踏める。

高い速度域のコーナーで、バイクを寝かして行くのが何とも気持ちが良い。


パンクの事もあり、

そこからは最短距離で帰る。

とはいえ、

獲得標高も1400mという事で、

十分に疲労はしてる。


「帰って甘い物食べましょう、昨日仕込んだティラミスがあるし」と、ソウ君。


はっ、マジか、いいね。


リュドラでは、低カロリーとかヘルシー意識のヤワなデザートは出ない。

味が最優先事項。

美味いモンしか出て来ないので、

これはアガる。


店に着き、


着替えを済ましたヨッシャンと僕は、

借りてきたネコの様にしてカウンターに座り、ランチを待つ。


サラダをガッツリと頂いた後、

卵黄と生クリームをたっぷり使った、

ショートパスタのカルボナーラ。

僕は何度も、チーズ?チーズ入ってんの?と聞いてしまう程に濃厚。

フランスアルザス地方特有の、何とも不思議な、プチプチとした食感のショートパスタだ。

まったりとしながらシツコクない味わいに、ワインが止まらない。


そしてお待ちかねのティラミスは、

ふわふわ食感で、甘くないのにしっかり甘いというか。これは大人のデザートだ。



あ、


痩せる為にライドに誘ったんじゃなかったっけ、と、ひとり苦笑したけれど、


まぁいいか。


それより、

ライドの計画が確実に進んだ、という事で。


このコースと、リュドラのディナーに加え、

ヨッシャンのスマートなもてなしがあれば、最高のライドイベントになると思う。何かお土産も用意してもいいかもね、なんて皆で話ながら、


7月15日のKINFOLKオーナーズミーティングに想いを馳せた。








春の朝


悪夢から目を覚ます。


内容はよく覚えていないけれど、

朦朧とした映像の断片に、不快な寝汗がそれを悪夢だと教えていた。

隣にある娘の寝顔にホッとしながら、

僕は仕度を急ぐ。


昨夜のうちに用意したジャージに寝ぼけながら着替え、

家を出ると肌寒い。


ジレを取りに戻って、再出発。

五分の遅刻だ。


日曜の早朝、幹線道路はガラ空きで、

待ち合わせ場所にナイトーさんが寒そうにして待っている。


シクロクロスシーズンが終わってから忙しさにかまけて練習らしい事を全然やってない。

慣らし程度にナイトーさんにトレーニングライドに付き合ってもらう事にしたというのに、遅刻して申し訳ない。


練習場所の周回道路に向かう間、

練習内容を確認。お互い牽制しながら、


「…どうします?」

「モッツさん、3セットとかやるんですか?やるなら後ろ着いて行きますけど…。」

「あ、いや、じゃあ10分走を一。」


「…三本?。」


「一本で。」


「一本で 笑。」


と頷きあって、練習開始。


今日は軽めのギアで回す。

カセットのチェーン位置を覗き込んで確認してから、じゃ、行きますよ、

と加速する。


KINFOLKは、僕の練習不足なムッチリボディも、とりあえず40kmぐらいまでは難なく加速させてくれる。


後はそれを維持出来るか、という話で、

ナイトーさんの影をぶっちぎるつもりで走るけれど、

結局二周目後半、前に出られてしまう。


悔し紛れに最後抜かし返すのが、

なんだか子供が意地になってるようで、恥ずかしくなって少し笑えた。


「まぁ、このまま練習はサクっと切り上げて、橋を渡って、渡船に乗って遠回りしましょう」


と、ナイトーさんの提案。

お互いそれなりの子煩悩っぷりで、

遅くとも9時までには帰って子供の相手をしたい所。


世間話をしながら渡船に向かい、

「モッツさん、車買うならどんなのかいます〜?」

「まぁ、僕はきっとショーもない車買いますよ、すぐ壊れそうな旧車とか笑。でも最新型の車もやっぱ楽チンですけど」なんて、やもすれば中学生みたいな話題が、同い年、似た境遇の彼とは心地が良い。


渡船に乗るとナイトーさんが、

「この渡船からなみはや大橋のコース、コッシーのデートコースだったんですよね…」と言うので、


なぜここでその話を///

と思いながら(笑)船はすぐに到着、

また走り出す。


肌寒い。

少し速度を上げて体温を上げる。


此花区辺りはいかにも住宅街という感じだけれど、幹線道路の信号は繋がり良く、案外気持ちよくスピードが乗った。


近所に着き、ナイトーさんとは、御子息に言い渡されたという8時帰宅を少し回ったものの十分早い帰宅だろうと、

早々に別れ、


僕は朝飯を食べに、

いつものLEADCOFFEEへ向かう。


身体が冷える。

でもraphaのインシュレーテッドジレは、

店内で羽織るには最高の暖かさで、

ゆっくりラテとトーストを頂いた。

このカフェはいかにもコーヒースタンドといった具合に、常連さんがひっきり無しにやって来てはコーヒーを飲んで、店員さんと軽く雑談して引き上げて行く。


その中にガチっぽいロードバイクのお兄さんも来ていて、どうやらシルベストの店員さんらしく、なるほどな、と。


そんなプロに僕のバイクを洒落ていると褒めてもらい、いい気分になって店を出ようとすると、

入れ違いで僕と同じマンションの家族が入ってきた。

その家族の長男(小1)が、なんとこのカフェでオリジナルキャラを中心とした個展をやっていて、

僕はその長男と少しジャレて、

親御さんと挨拶して、またサドルに跨る。


春の風は冷たく、

それでも、

朝日は光の粒子となって冷えた空気をキラキラと映し出しているように見えた。


いい朝だ。


起き抜けの悪夢が何だったのか、

もう思い出す事もない。


僕はただ、ナイトーさん同様に、

帰りを待っているであろう家族の元へ。


これから訪れる春の休日に胸をふくらませて、


ただ、ペダルを踏み込んだ。









RunWithTheHunted

輪行袋に自転車を詰めて、

JRで大阪府は南へ向かう。


待ち合わせはソウ君の店。

リュドラガールに到着すると、

ヨッシャンが少し遅れるという事で、

淹れてくれたモーニングコーヒーを飲んで待つ事に。


談笑を始めようとして、

ほどなく待ち人到着。


ヨッシャン、コーヒーは?

と聞くソウ君に、

飲んできたよ、じゃ、行こうか、

とヨッシャン。


リュドラガールから峠までは、

いつも幹線道路をそこそこの距離走るのだけれど、

今日は少し、様子が違う。


短い住宅街をぬけると、

ひと気の少ない道へ出た。

「今日は僕も行った事のない道へ行くんで、」

ポツリとソウ君が漏らし、

ライドリーダーがそういうなら着いて行くしかない、と僕らはペダルを踏む。

そこからは、エメラルドグリーンの大きな池?を過ぎ、

ハイキングロードを順走、しかし、急な崖崩れで通行止めになっている。


それでも「出口に繋がるルートへ」とまた違うルートへ入って行く。


何度かライドで走った道、

上り下りがそこそこあって、対向車線を走る自転車は、パッと見てすぐ競輪選手だと気付く。

「ここでトレーニングしてるんでしょうね。」

競輪場が岸和田、和歌山と近く、フレームビルダーも多いこの地域で競輪選手は珍しくない。

そんなエリアなので、ローディも沢山すれ違う。


そして、ソウ君が、

あえてそんな道を外れる。


「地図では通り抜け出来てるんですよね…。」と、

入った道は見事なアゼミチ。グラベルというべきだろうか。

路面の大きな石を丁寧に避けながら、

僕らは登っていく。楽しくて、

思わずハシャいでしまった。


ひと気のない道、

少しだけ困難な路面。

木漏れ日が差し込む。

ジャリっとスタックする後輪が、

また路面を掴んで前に出るのが分かる。


最高だろう。


「今日はこの辺で戻りましょう、当日はこの感じに、葛城山を加えればどうかと」


最高だろう、それは。

最高すぎる。


その後、


僕らはリュドラガールへ戻り、

ソウ君と恭子さんにランチをご馳走になる。


恭子さんとのトークが弾む中、

サッと出てくる、ボリューム満点の前菜プレート。

これがまた、どれを食っても本当に美味い!

モッツ飲むやろ〜、と恭子さんに注がれた白ワインと相性抜群で、

この皿だけでボトル一本イケそうなくらいだ。


次いで、メインのヤリイカのパスタをソウ君がサーブ。

トマトソースはジワっと後からいい感じに辛く口の中を刺激し、

パンパンに詰まったヤリイカのミソはそれを和らげながら満たして行く。

ブカティーニという、芯が空洞になった極太パスタにガッツリその旨味が染み込んで、僕らは夢中でモグモグやってしまった。


そう、

最高なライド後に、最高の飯を頂く。


本当に良い物を知ると、

人に勧めたくなるもんだ。



KINFOLK OWNERS。



僕らは、同じフレームに跨る彼らと、

共に走り、はしゃぎ、乾杯し、

最高の晩飯で腹を満たす、そんな、

最高の時間を過ごす機会が作れたら、

と思う。


2018年。7月15日(日)。


もちろん、フレームにかかわらず、

所以のある人など、お誘いあわせの上、参加して頂ければと思います。


オーナーの方のフレームには、

おおよそ描かれているはずの、


RunWithTheHunted


良くも悪くも、

いつの間にかカタにハマった自分から

この日ばかりは、みんなで逃げだしたいと思うのですが、

いかがなものでしょうか。




(イベントの詳細、コースやエントリーフィー等、またこのブログでもお知らせ致します。

また、このブログのコメント欄や、

僕のインスタ等、SNSのDMでも問い合わせ等、受け付けています。)






さぬきCX2018


2年ぶりに、さぬきCXにエントリー。

そもそもSSCXには不向きな要素が多いコースだけれど、

C4が出来た辺りでC3は苛烈さを増し、ますます勝ちは遠くなったとその時感じ、昨年はエントリーを見送った。


ただ、それでもその前、さぬきでは2年連続で四位と惜しくも表彰台を逃した事は今では数少ない成功体験となり、


要は「もしかしたら」を捨てきれなかった。


そして場所はウドンの町、香川県。

家族旅行の一環としてレースも走る事にすれば、子供に見せられるかも知れないのだ。


父が勝つ所を。


エントリーリストが発表されるやいなや、

悪いが、目を皿にしてメンバーを調べさせてもらった。

エントリー数はたった10人。力量は、分かる範囲で見るとかなり拮抗していて、過去のデータを参照するとその中で自分は4〜50%あたりの成績になる。

1名、表彰台の常連さんがいるが、

不確定要素を加えれば、自分が表彰台に上がる可能性は充分あるだろう。むしろ、


高い。


が、


その自信は、

前日の試走で突然揺らぎ出す。

得意意識のあったジープロードを上手く走れない。何が変わったか分からず、何度もトライするけれど速く走れない。

ムーブメントの高橋君が走った後を追うと、リアスライドで上手く曲がっているので、なるほど、とマネて数回練習し、

本番に挑む。


この日泊まった温泉宿は部屋食で、

子供二人いる僕たちには有り難かったのだけれど、

それを良い事に

破壊の限りを尽くす娘を見ながら御膳のご馳走をいただくのは至難の技で、

とてもゆっくり味わってる場合ではなかった。


ヨッシャンが「良かったら晩飯皆んなと一緒にどう?」と誘ってくれて、でも予約があるからと断ったけれど、

万が一一緒に行ってたらウチらの家族置き去りにされてるでコレ笑。と妻も半笑いだった。


翌朝、


ギリギリC4のスタートに間に合うと、

ヨッシャンと堀君の激しい戦い。先行していたヨッシャンが堀君に抜かされ、さぬき名物のアスファルトの平坦はずいぶん苦しそうだ。


しかし誰よりバテていたのは妻だった。

娘の暴走を食い止めるべく奔走している。

ほんとに申し訳ない…。


C3のスタートグリッドはCCJPの杉田君や、通年のライバルもいて、和気藹々。

しかし、

後ろに並ぶアンダー17の子達はピリピリしていて、

僕の隣の人が「彼ら、話かけても喋ってくれへんねーん笑」と言ってて、

逆に思わず笑ってしまう。


スタートはクリートキャッチをミスるものの、

なんとか集団に着いていった。

ジープロードの下り、みんな速い。

殆ど同じ速度で、少しラインをミスるとすぐ離される。


その登り返しで詰まった。

そこで足を着いた僕は、降りて押すしかない。


やってしまった。


もう遅い。


後はアスファルトの平坦で周回する度に抜かれ、


なんと、


最後尾。


最後の登りをダンシングで加速する僕の背中で「パパーっ!パパ〜〜っ!…」と

息子の声援が哀しく響いた。


うわぁ…

ゲベかよ…


失意の底でゴールすると、

通年のライバルが寄ってきてくれて、

ちょっと話し込んでからゼッケンを外しあう。


彼とは2年前から抜きつ抜かれつ。

レースの中で無言の会話は何度も繰り返したけれど、

こうして話す事はあまりなかった。


あー、やっぱSSじゃこのコースキツい、もうギア付きにしたいわ〜。

と言い訳する僕に、

「まぁでももう引っ込みつかない感じですよね笑」と言う彼。まったくいいヤツやで…笑。


来年もSSで行くよ、と彼と握手して別れ、


疲弊した妻の元へ。


息子は一生懸命応援出来た事に満足そうで、レースの内容はよく分かってなかったようだ。



大阪へ向かう車の中、

後ろで眠る子供をルームミラーでチラ見しては、

妻と、子供の世話が大変すぎて料理の味も憶えてないな、と笑う。


でも僕らが大変だった分、きっと子供達は楽しかったのだと思う。


そして最低の結果でも、

やはり出し切って走る

シクロクロスは最高に楽しかった僕。


妻はどうだったのだろう。


分からないけど、

分からないから、多分僕は

礼を言うべきなんだろう。


言おうとして、やはり上手く言えない。

ただそれは、

照れ臭いワケでなくて、

言ってしまうと、

その一言に何か沢山の気持ちが乗っかり過ぎて、涙腺が緩む事を抑えられそうになかったからだ。


そうこうしてるウチにいつもの様に軽口を飛ばし合う。


きっと、

相応しい場所から言えたらよかったんだろうけど。


そんな不甲斐ない気持ちで僕は、

アクセルを踏み込んだ。



ありがとう。



















関西CX2018 桂川戦 千秋楽

スタートまで5秒のアナウンスが入り

ハッとした。


気温は1度。確かに寒いが、

震えてる場合じゃない。


号砲を下を向いたまま聞いた。

クリートは上手く捉え、ぬかるんだ路面を、じりゅっ、じりゅっ、と二回ほどスタックさせて走り出す。


スタートからの直線が長い。

ある程度ついて行く過程で、

なんだか急に辛くなってきて、

さらにゴウっと後ろから上がってくる集団に付いていけず、気持ち負けしたのか、

みるみるウチに順位を落とす。


第一コーナーを抜ける頃にはもう後ろに何台もいない様子。


何やってんだ、と自分を叱咤するも、

どんどん落ちて行き、

クジ運悪く後方スタートだったソウ君にもピューっと抜かれてしまう。


…脚が全然回らない…。


「モッツー!遅れてるぞー!」と、

ギャラリーからヨッシャンの声。

グラウンドからキャンバーセクションに入ると、やたら丁寧に走る僕。

コケる気がしない。そらコケない。

そういう走りがまた一段と遅くなってるわ、と気付くまで二周かかった。


アホか、僕は。


せっせと追い上げ始めると、

オレンジ色のアウターにデニム?のストリート感溢れるSSCX乗りが前を走っていた。スタイラーやな…


このコース、SSツラない?

と彼に話し掛けたいくらいだけれど、

SKRKの人達は皆SSCXで随分前にいるワケで、


まぁ、

お互い頑張ろうぜ、

と心中に声をかけ、スタイラーを抜く。


その先にようやくソウ君を捕まえ、

久しぶりのランデブー走行に入る。


引っ張り合う様に抜きつ抜かれつして、

ようやくエンジンが掛かってきた気がした。


最終周回。

直線の彼方、第一コーナーを6台のパックが曲がる。


あー、あれを抜けたら、今回はヨシとするか…。ヨシとしよう!


正直、走り出す前は順位一桁台を狙うつもりでいた。

そんな自分への期待を大きく裏切った、

結果の目標がコレか、と、

思わず苦笑してしまう。


でも、

自分に期待出来なくなるほど、

虚しいモンはないだろう。


ここに来て集中力を上げる。

突然、コーナーが良く見えてきて、

ブレーキを使わないラインが分かってくる。

前を行くパックが少しづつタレてきた。

一台一台を確実に抜いていく。


4台目を抜き、ゴール前でもう一台、

あと一つ!


って所で届かないまま、

ゴールラインを通過した。


結局、

ヤギさんやSKRKの皆にも全然届かず、勝負にもならなかった。


悔しい。


かたや、


ヨッシャンは出し切った様子で、

クソ寒い空のした、レース後は仰向けになって倒れこんでいた。


そういえば、

三人でCX走り出した頃、ヨッシャンは自分が追い込めきれずにいる事をよく嘆いていた。

あの頃の彼に今のヨッシャンを

見せてやりたいと思った。



その後、

なんとも言えない敗北感を味わう僕に、

ソウ君が作って来てくれたチリビーンズサンドを手渡してくれて、


今回のレースの冠スポンサーであるDerailleur brew worksの西成ライオットエール(地ビール)と

一緒にやる。


チリビーンズの辛さを一緒に挟まれたクリーミーなチーズが柔らかく際立たせ、

それを

ライオットエールのしっかりした苦味と爽やかな酸味で流し込む。


コースにはC1のライダー達が美しく駆け抜け、


寒さを忘れるほど、このランチは美味かった。

こうして、

僕らの今シーズンの関西CXは終わる。


悔しい、それだけで走ってきた。

でも今回は、


自分は弱い、

という認識に、やっと至った。

これからだと思う。


そしていつか、

集団の前を走る僕を、


今日の僕に見せてやりたい。






関西CX#8 堺浜戦


堺浜の会場は自宅から近く、

自分のレースが終わってから

時間が出来たのでレース観戦する事に。


C1のレースはやはり迫力が違うし、

なんというか洗練されていて、

勉強になるとかではなく、

観ていてただただ面白い。

彼らはあまりミスをしないので、

たまの落車でギャラリーから、

おぉ…とザワメキが聞こえ、盛り上がる。


かたや、

自分のレースはミスの連続だった。

クリートキャッチのミスに始まるが、

予定通り前へは出れた。

とはいえ70人からなる出走。

この時期になるとC3は飽和状態。数珠繋ぎのレース展開でミスった人から落ちていく。


そして、やたら落車が多いのもC3の特徴。

シクロクロスにまだ慣れてないけれどパワーを持て余してる、という人が多くいるのかも知れない。

とにかく巻き込まれない様にしよう。


そう、


落車するヤツは不幸(ハードラック)と踊(ダンス)っちまった奴…


なんてワニブチ的思想に耽る間も無く、目の前で二台絡んだ。

危ない、内側から抜けようとすると、

まさか、こちら側に倒れてきた。


避けきれず自分も絡んでしまい、

一気に順位を落とした。


そこを追い上げて来たヤギさんに抜かれるが、まだだ。

シケインでもう一度勝負をかける。


ギリギリまでシケインを引きつけ、

タッタ、タッタとリズム良く飛び超えた。

よし、ヤギさんより半歩先に抜けだせた。

飛びのろうとすると、

思ったよりヤギさんが近くに居て、

飛びのる右足がヤギさんにソバットを食らわせる格好になり、

そのまま跳ね返されて僕はコーステープに突っ込む。


「大丈夫ーっ?」と言いながら去っていくヤギさん。そのすぐ後を、

フラットバーを入れてるという理由で最後尾に回されたソウ君が、優しく腰ポンして抜いていく。


とんだドタバタ劇を展開して、

最後尾まで順位を落としてしまった。


気持ちが折れるより先に、

僕はペダルを踏み込む。

少しでも前へ。


コース真ん中あたり、緩やかな下り勾配の短い直線、追い越しやすいポイントだ。


C4のレース中はここでソウ君と観戦、ガヤリ立てていた。

ハリマックス氏や、

堺の自転車屋ETの人達はもちろん、


その店長ジン君と、

movement掘君、

そしてヨッシャンの三つ巴の戦いは抜きつ抜かれつで見応えがある。


一生懸命走ってる人に、しかも知らない人にガヤるのってどうだろう、と思う人もいるかも知れないけれど、

きっと殆どの選手は嬉しいとか、楽しいと思ってるはずだ。

最終回は皆心の余裕が出たのか、様々なパフォーマンスで返事してくれたり、

応援側もなんだか嬉しくなる。


そして今、

そんな応援に支えられ僕も、

なんとかソウ君、ヤギさんを抜き返し、

その前にいるのは薔薇のジャージ、

SKRKのオグさん!


最後の砂場で抜きに掛かると、

砂場を出ると同時にオグさんは加速し、

一台抜く。

僕も追ってその一台をパスする、

ゴールはもうすぐだ。

イケるかっ?!


もう酸欠でいっぱいいっぱいだ、

でも回せ、と脚に命令する。


それでも、

そこでオグさんはもう一発加速し、

さらに一台抜いてゴール。


マジかよ…、と、

僕はその一台を抜けずにゴールラインを超えた。


脳の毛細血管に無理やり大量の血液が流れ込む様な頭痛にしばらくクラクラする。


はぁ、終わった…


それは結果を嘆く感情と、

レースを終えた安堵感が入り混じる

ため息。


あの時ああしたら、こんな風に用意していたら、

また順位は変わったかも知れない。

次こそは。


そんな事をレースの後、直ぐに考えてしまう。

ブロックタイヤで土を削りながら疾走する事を思うだけで、

僕は日常を忘れ

物思いにふける事が出来るのだ。


次は、千秋楽だ。




2018関西CX#7 希望ヶ丘戦


レースの翌日は雨だった。


僕は小さな怪獣二匹、

五歳男児と二歳に満たない娘を連れ、

雨足が弱まった頃、

昨日のレースに現れなかったナイトーさんの店、FLAGへ向かう。


ナイトーさんは

希望ヶ丘戦は走れなかったけれど、

しっかりと皆んなのリザルトはチェックしてる様子で、

「モッツさん、最近乗れてるのに、順位悪かったねー。」と。


いやいや、言い訳ではないけれど。

希望ヶ丘はシングルトラックが無くなり、パワーと度胸、といった感じのコースになってて、

大きな登りが二本、それに対しての下りが二本。


登りでパワー負けして、

下りで度胸負けした感じですよ…。


事実、36番手スタートで、32位。

一旦すぐに20位まで順位を上げたけれど、

とにかく登りでだんだんパックに離されて、

3周目辺りでは2本目の登りが抜かれるポイントになってしまう。


そして抜きつ抜かれつ最終周。

砂利の危険な高速コーナー手前で、背後から一台、

せわしないプレッシャー。


でも高速コーナー手前まで逃げ切れば、

ラインは内側のバンク面しかあり得ない。

その手前まで抑え込む。


ここまで抑え込めば。と、

脚を止めた瞬間、

アウトから前へ出る、KUALIS。

チタンハンドメイドの有名フレーム。

まさか、さらに突っ込んでくるなんて。


ギリギリで僕の前へ出て、バンクのラインに乗せるKUALIS。

僕は動揺して、二つ目のコーナーのラインを外しそうになりモタつく。


大きく3秒も間を開けて、

逃げ切られてしまった。


言ってみりゃ、ブレーキング勝負に

負けた。完敗だ。


ソウ君はと言うと、

「年末年始乗れなくて、メチャクチャシンドかった…」と。自転車はサドルの上で過ごした時間=実力、といった話があるけど、乗らなかった時間はどう過ごしても差し引かれていくのも事実。


自分は、と言うと、

年末は十二分に乗った。

体調も回復し万全。

自転車も消耗品を全て交換して、

絶好調。


そして、32位。

出し切ったかと言うと、

出し切った。


誰にも誇れない順位で悔しいのに、

出し切った爽快感や、

緊張感の中で、

思うより操作出来た楽しさ。

それを合わせた充足感。


表面上はガッカリしてみせても、

内面は満足してる、という妙な感覚が

レースを走る本当のモチベーションなのかも知れない。


そしてヨッシャンは、

BMX日本代表のシモちゃんを

ライバルと呼び、

実際、シクロクロスでは良い勝負。

先行するヨッシャンに少し遅れてシモちゃんが追い縋る。

3周目、ヨッシャンがチェーンを落としてしまい、

その隙にシモちゃんは前へ出る。

あぁ、勝敗決したな、と思って観てたけれど、さらにそこからヨッシャンはシモちゃんを抜き返したらしい。


この日、KINFOLKチームで一番良いレースをしたのは間違いなくヨッシャンだろう。


そういえば、シモちゃんはヨッシャンと出会うずっと前から僕は知り合いで、

そう考えると、なんだか不思議な気分になるし、自転車の繋がりってのは本当に面白い。


そして、

KINFOLKはそういうブランドだと思う。僕は、

今年、それをカタチに出来ないかな、と

帰りのFIATパンダの狭い車内で2人に話すと、

「いいね、面白そう。」と、

ヨッシャンとソウ君も乗り気だ。

もし、全国にいるKINFOLKオーナーと走る機会を作れたら、

それはまたきっと特別な出会いを連れて来てくれる事は間違いない。



…まぁそんなワケで、

レースは全力だったんですけどね(笑)。とナイトーさんに説明して、

これ以上お邪魔するのも申し訳ないので、とりあえずFLAGを出ると、雨足は強くなる。


横の高架下で雨宿りしてると、

結局ナイトーさんが傘を持って来てくれてしまって、

なんだか申し訳ない気分になる。


やがて雨が上がり、

息子が「傘、返しに行く?」と言うけど、いや、また店に寄る理由になる。

だから、

また近いウチに父さんが返しに行くよ。


大人には、何かと理由が必要だ。

だとしたら、

今年は積極的に

自分達から理由を作りたいと思う。


そんな事を想像するだけで、

僕は子供の様に、

無性にワクワクしてしまうのだ。






Festive500 2017



DAY0

Festive500 に挑戦する事は難しくない。STRAVAでワンクリックすればそれでいいのだから。

だが完走するとなると話は簡単ではない。


そもそもこのFestive500は、

師走をホリデーシーズンと呼び、

その期間をダラダラと過ごせる余裕がある人達をライドへと喚起する為の物で、


心待ちにしていたRaphaのSALE、

開始と同時にサイトにアクセスした時には狙ってたアイテムのサイズが無く

「…ブルジョアジーらめが…‼!」と拳を握りしめている我々の様な連中には、

正直縁遠い物なのかも知れない。


だからこそのアタックだ。

見せてやるサ、

労働者階級の意地ってヤツをよ…


0/500km


DAY1

走り出して間も無く

ガーミンの液晶に水滴がポツリ。 

もしこれが雨だとしたら、 天気予報通りという事で何の問題もないのだけれど、 それでも、この水滴は何か別の、 例えば汗や水蒸気みたいなモノであればと祈ってしまうのがサイクリストだろう。

1日目のアタックは舞洲アリーナの周回路。休日の夕方に妻に作ってもらった数時間。

とりあえず、平坦路で距離を稼ぐ作戦だ。

到着する頃には予定通りの土砂降り。

とはいえ初日から雨…、


まぁ、…おあつらえ向きか。


そう独り言ちて本降りの中を走りだす。

Rapha オーバーシューズ が1時間程であれば全く浸水がなく、凍えそうな爪先を護ってくれた。


54/500km。


DAY2

年末を迎える最後の月曜。

今日乗らなければ挑戦は終わる。

仕事で疲れた身体に鞭打って、

通勤路にいつものIKEA周回路を加え距離を稼いだ。

まだ暖かく、クラシックウィンドジャケットが調子良い。


105/500km。


DAY3

ロードバイクに乗っていれば誰とでも分かり会えるなんて思っていない。

部下に割とレース志向のローディ(カーボンのコルナゴでアソスに身を包む様な)がいるのだけれど、特にそんな話もしないし、立場的に僕から絡むのもどうかという事で、一緒に走る事など無いと思っていた。

そんな折、帰宅前のロッカーで冬場は裏起毛のRaphaサーマルクラシックビブが快適だと説明しながら、

こんなイベントに挑戦してて、今日は河川敷から帰るつもりだと話すと、

なんと、彼も付き合ってくれるという。


夜の河川敷は、まさに一寸先は闇。

あっ、危ねーっ!そこ人!人影!

といった風に互いに声を掛けながら走る。

やっぱ夜の河川敷はダメだな(笑)とそこで別れ、僕は昔暮してた街を経由して帰路につく。

10年振りに通る街並みは、

あの頃と同じ様で、少しづつ時代に合わせて変わっていた。


彼は、今時の30代というか、あまり他人に深く踏み込むタイプではないと思っていたが、

僕と彼との関係もきっと、

そんな風に時を経て変わって行くのかも知れない。


159/500km。


DAY4

水曜は堺浜に、いわゆる実業団系の

本当に速い連中が集まってくる。


周回道に入れば間も無く、

背後からゴウッと10数台の高速プロトン(集団)が来る。


一旦追い越され、すぐに踏み込んで最後尾に着いたはいいけど今日は冬の向かい風がハンパない。

だからだろう、ローテーションが早く15秒くらいで交代してる様子で、気付くと次は僕にも先頭に立つ場面が。

勝手に混じらせて貰ってるので頑張りますよ!と心拍を一気に190まで持ち込んだが、


10秒も持たずに先頭交代…


ありゃ〜、まぁこんなもんか…

その後はズルズル失速し、プロトンは見えなくなった。

勝手に混じってるとはいえ、

スリリングで刺激的な体験。

こんな短時間高強度な練習にも、

Raphaコアロングスリーブジャージは裏起毛で暖かく、それでいて決して蒸れたり汗が冷える事のない、

価格からは考えられない快適性を提供してくれる。


232/500km


DAY5

12月28日、まさに師走、仕事の遅くなったこの日は、友人の経営するビストロ、リュドラガールまでライド。


ずいぶん遅くの到着になるので、

事前に到着時間を連絡したはいいけど、

それでも急がないと。


年末夜中の旧国道は車通りは少なく、自転車道が設置されてる区間もあり、案外快適だ。


何より「誰かに会いに行く」と思うと、

自然と足が回るもので、

目的はモチベーションに直結していると感じる。


店に着き、おどけて

あの〜、もうオーダーストップでしょうかぁ…?と入って行くと

「なにゆーてんねん!こんな遅くに来やがって!(笑)」と恭子姉さんの元気の良い声に迎えられ、

もーっ、と言わんばかりにソウ君と二人、え?そんなにモッツ甘やかしていいの?と掛け合いながら、豪勢なもてなしを受ける。分厚くフカフカのキッシュと、

ドイツパンの上にプルーンの甘煮を載せた最高の晩飯を炭酸水で頂く(デザート付き)。


文句無く美味い、いや、酒があればもっと美味かったはずだ。

時間が全然足りなくて、話したい事が沢山あったのに話せなかった事の数を数えながら復路に着く。次はきっと電車で500km走破の報告にでも行こう。


長く凍える国道沿いでも、

Raphaハードシェルジャケットが冷えから僕を護ってくれた。


307.4/500km


DAY6

明朝。日の出より早く家を出る。

今夜は妻が飲みに行くと言うので早めに帰らなければならない。

距離を少しでも稼ぐなら、朝しかない。


コースはいつものIKEA周回。平坦路でとにかく距離を稼ぎ出す。

仕事は佳境を迎え、走行距離も残すところ133kmと追い込んだ。

気の緩んだ僕は、

つい練習後水も飲まずにワインを口にして、一本空けて寝てしまう。

この時はまさか内臓が弱ってるなんて思いもしなかった。


それにしてもプロチームビブ2は素晴らしい完成度で、冬も短時間高強度の練習であれば、決して薄すぎるとは思わない。本当にオールシーズン活躍するビブだ。


369/500km


DAY7

完全に体調を崩す。

胃をやられたようで、朝食のゲップが止まらないだけでなく、

ふわふわと体に力が入らず、

昼食も摂れなかった。


弊社も最終営業日で、

さっさと仕事を終わらせて嵐山まで往復する予定が、

まさかの残業をくらう。


日も暮れ出すし、時間もない。


それでも、今日は100km、

行くしかない。


冬の夕暮れ、河川敷。

どうしようもなく冷たい向かい風が指の感覚を奪った。

途中、グローブを外しては何度も手揉みする。

体調が悪くて踏めないのか、

寒くて踏めないのか。

嵐山までは残り10kmというところで諦めてUターンする。


やがて日が沈み、

ヘッドライトの弱い光を頼りにビクビクしながら前へ、前へ。

ジャケットの中の汗が冷え始めるが、

Raphaブルベロングスリーブジャージは湿った汗を外へ積極的に追い出してくれているようで、体感温度は常に快適だった様に思う。


ようやくウチに着いた頃には、

体調が最悪で、

殆ど晩御飯も食べる事が出来ず、

僕は娘を湯たんぽみたいに抱きしめて、

泥のように寝床に倒れこんだ。


ずいぶんキツいライドだったのに、

瞼の裏に残る河川敷の夕陽が、

それでも美しかったと思えるくらいには、僕は自転車バカなのかも知れない。

479/500km


DAY8

明け方。気分が悪く、

日の出前に目を覚ます。

大晦日という事で流石に仕事は休みだけれど、午後には家族で実家へ帰省する予定だ。

…STRAVAやインスタに友人から応援のメッセージが着いてる。


体調は回復の様子は無い。

でも、残すところ21km。時間にして1時間かからないくらいだ。


起き上がれば吐きそうだけれど、ジャージに身を包めば何となく行けそうな気になるだろう。


ガーミンをセットし、


最後の扉を開ける。


数回ペダルを回して感じる違和感。

たった20kmの地獄みたいなライド。


遠い。

いつものインターバルのコースでも足が止まる。


身体が全く回復してない。

僕は自転車を甘くみていたと今頃悟る。


跨り、走り出し、瞬時に訪れる全能感。

達成した途端に包み込む幸福感に、

稚拙にもハシャぎ、

僕は忘れていたのだ。

その代償に、容赦なく削りとる、

自転車は、時間と、その生命力を。


あまりにも自制心が無さすぎたのか、計画性が無さすぎたのか。

食事も適当に抜いたり、

しっかり睡眠を摂らずに飲んだり、

僕はナメていたとしか言いようがない。


あと3キロ。

その距離がもし、

帰路に含まれていなければ、僕はゴールを諦めていたかもしれない。



無事メーターが予定距離に到達してすぐ僕はコンビニのカウンターでホットココアを頼んだ。

胃がヤられてる時はココアが一番だ。


ズビっと一口飲んで、ほうっ、

と息をつく。

胃がほんの少し落ち着いて、

窓から暗雲の空を見上げる。


…とりあえず、500km達成か。



祝杯もあげれる体調じゃないけど、

これがまぁ、今一番の祝杯だろうか。


やりきった、やり終えた、

という感覚は、きっと後からジワジワくるもんだ。


Raphaが今年も与えてくれた、挑戦するチャンスに応えられた事を感謝しながら、


ゴクリと飲み干したココアが、

弱った胃にやたらと染み込んだ。


504/500km


2017Festive500 達成


追記


誰と祝うわけでもないライドの成功を、500kmノートラブルで当たり前みたいに走り抜けた鉄の相棒、

KINFOLKに捧げ、このライドを終えたいと思う。










e-BIKEのある休日

関西CX5戦目、マイアミは

出走しなかった。


二列目スタートのシードは

少々悔やまれたが、

体調を崩した妻を

置いていくワケにはいかないと

思ったからだ。


そんなワケで、

一日子守をする事に。


どこへ行こうかと携帯を触ると、

「(チョコレートの)フルタ本社で割れチョコ等のセールをやってる」との情報をイクジ君がツイッターで流していた。


…フルタ本社まで片道7キロ強。

電車で行くと結構かかる。しかし、


そう、先日納車したばかりの、

e-BIKE(ママチャリ)がある。


YAMAHA PAS。e-BIKEのパイオニアと言って過言じゃないだろうけどe-BIKEと言っていいかは分からない(笑)。

僕は、電動アシスト自転車とはペダルに一定の負荷が掛かれば起動してそれなりに速度が出るもんだと思ってたのだけれど、


スタートは確かに楽で、

登り坂ではジワジワアシストしてくれるが、

天王寺へ向かう長い登り坂では、

トップギア(3速)で20km/h維持しようとすると、それなりに汗ばんだ。


まぁ子供二人乗せて坂をその速度なら、

十二分に速いと言えるけれど…。


当然ながらトップスピードを伸ばす物でなく、あくまでアシストするだけなのだなぁ、と感じたが、


勾配が10%超える急坂では物凄いパワーでグイグイ登り出し、それは原付きにでも乗ってるかの様な痛快な出力で、

思わず「おほっ(笑)」と声が漏れてしまう。


フルタのセールは終了まで数時間を切っており、とりあえず特売品を2000円程買う。

袋は戦隊モノの立派な紙袋で、

息子はそれでご満悦。


道中、

ムーブメントの近くを通ると、

見覚えある顔。あれ?


と思うと向こうから、

「あ、モッツさん、僕、分かります?」


と、久しぶりの刺青ケンタロー君。

彼とムーブメントとの繋がりがピンと来なくてシドロモドロになったけれど、

「最近MTBも乗り出して…」と相変わらずの自転車好き。


こうして、声を掛けてくれるのはホントに嬉しいもんだなー、と思いながら、


そのままぷらぷらサイクリング。

フロントシートで暴れる娘に

ケープを掛けると、

娘はそのまま寝てしまった。


ウチに帰って四人で晩御飯を食べ、

中でも大食いな娘にミカンとバナナの皮を剥いていると息子が、


「なんで果物には皮があるの?」


と聞いてくるので、

妻が、柔らかい中身を守ってるんだよ、と話すと、

「ボク、皮のない果物しってるよ」

と言う。


え、そんなのある?と聞き返すと、

息子は、


「あのねぇ、イチゴ!。」


あ!


僕は妻と思わず声をあげ、

ホンマや…と納得する傍ら、


いや、薄い果皮(真っ赤なトコ)あるよな…、と思い、

アレはね、一応皮があるんだよ、ほら、リンゴも…

と反射的に否定してしまった。


否定してしまった事をすぐに後悔し、

でも確かに皮を剥かずに食べるのはイチゴだけだね、よく気付いたね、

と訂正し褒めたけれど、

やってしまった、と少し胸を痛めた。


そして、

僕が思う以上の回答をするまでに

成長してる息子に、正直驚いた。


彼の成長を側で見ていたい、と思う反面、自分の為に時間を割く僕は、

親父として正解なのだろうか。


僕の父は模型好きのサラリーマンで、

時間があれば子供の面倒を見る人だったけれど、


僕は父が何かにムキになったり

必死になってる姿を見た事がない。


だからかも知れないけど、

例えそれがサンデーレースであれ、

僕は息子に見せたいと思う。


父が必死になって、

ただ1人の男として、

ムキになって走る姿を。


そしてそこに集まる、

ライバル、仲間達を、見せたいと思う。


これは教育と言うより、

僕の勝手な父親像への憧れかも

知れないのだけれど。


それよりも直近、

彼の柔軟な発想力をしょーもない

一般論で「皮はある」と否定した事に僕はまだ胸を痛めていて、


寝室へ向かう息子を呼び止め、

もう一度聞いてみた。気に留めてない事を期待して。


なぁ、イチゴって皮あったっけ?



「え?んー、ある!」



…あー、やってもうた…









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